よんばば つれづれ

現在はこちらで書いてます https://hikikomoriobaba.hatenadiary.com/

繊細さと図太さと

まりおさんが、HSP(Highly Sensitive Person子供の場合はchild) について書いていらっしゃる。

 

mariostang.hatenablog.com

 

私も少し前に、ドラマにこの気質を待つ子供が登場するのを見て初めて知った。今までにもたびたび書いているように、私自身は神経が図太く、自分でそのことを嫌悪しているのだが、それでもここまで繊細では、さぞ生きるのが大変だろうなと思う。マリオさんが紹介している診断テストを私もやってみたが、やはり結果は「弱」だった。

 

しかしそんな私でも、変なところで妙に細かいことが気になってしまうこともある。テレビドラマを見ていてちょいちょい引っかかるのが、刑事ものに出てくるDNA検査のために検体となるヘアブラシを借りるシーンだ。いつもちゃんと髪の毛がくっついているのだけれど、そんなにみんなヘアブラシの髪の毛をそのままにしておくの?と疑問に思う。特にそのブラシの持ち主が美しい女性の設定だったりすると、少々幻滅を感じてしまう。

 

同じく刑事ものによくある、水際や水中の死体のシーン。寒い季節ならなおのこと、死体役の役者さんに同情してしまう。こういう条件の悪い時はギャラは割増しになるのだろうかなどということが頭をよぎる。

 

ついでながら、最近の死体役の人の演技は本当に真に迫っているが、これは演技の進化なのか撮影側の技術の進歩なのだろうかと気になっている。昔は時々目がぴくぴくしたり、胸がかすかに動いていることがあった。レントゲン撮影でさえ、「ちょっと動かないでください」なんて言われると、かえって意識しすぎてぴくぴくしがちな私は、あんなにぴくりともしないなんてといつも感心してしまう。

 

この他にも、杉下右京氏がポットの紅茶をものすごく高い位置からカップにそそぐシーンでは、あんなことしてワイシャツやネクタイにしずくが飛ばないだろうかと心配でならない。すぐつまみ洗いしないと、紅茶のシミは落ちにくいのに・・・。

 

食べ物をつまんで、そのまま何かの作業に移るシーンでは、えっ、指を拭かないの?塩や油が付いたでしょと気になる・・・と、このあたりはテレビドラマを見ている場合ばかりですね。

 

テレビ以外では、送られてきたダイレクトメールの宛名シールがひどくゆがんで貼られていると、この会社はあまり信頼できないなと思ってしまったり、テーブルランナーを敷いたり、電子ピアノにレースのカバーをかけたりするとき、左右の垂れる長さが均等になっているかが結構気になる。メジャーを取り出して測るまではせず、あくまでも目測の範囲だけれど。

 

この他にも、日常生活できっちりしないと気になることは結構あるが、昔ジュリア・ロバーツの『愛がこわれるとき』という映画を見て、ジュリアの潔癖症の夫がものすごく怖くて、自分の中にも似た要素があると気づきぞっとした。また短い期間だったけれど、お年寄りの世話をした時に、きちんとしたがる人ほど世話をする側にとっては負担になることも学んだので、以来、なるべく自分のそういう部分を「いい加減」に直そうと心掛けているが、なかなかやっかいだ。

 

図太いくせに変なところできっちりしたがるややこしい私だが、人間とは多かれ少なかれそうした矛盾をはらんだ存在なのかもしれない。LGBTとかHSPとか、人間の持つ多様さがだんだん社会に認識されてきたのは、とても良いことだと思う。多様な人の多様な生き方が尊重されて、誰もがいきいきと暮らせる社会にしたいものだ。

 

 

f:id:yonnbaba:20200121171643j:plain

どこでくつろごうと寝ようと、アタシの自由!  (まとめサイトからお借りしました)

『プロフェッショナル仕事の流儀』井本先生

「子供たちのやる気を引き出す教育」というので興味を惹かれ、録画しておいたものを見た。鎌倉の中高一貫校の数学教師、井本陽久先生の授業風景が紹介された。

 

「できる・できない、正解・不正解に意味はない。大切なのは、自分の頭で考えること」と断言する井本先生。授業では教科書を全く使わず、ノートも一切取らせない。使うのは、生徒の(間違った)解答を元に作られたオリジナルプリントのみで、しかも1時間でたった1問。答えすら出ないまま授業が終わることもあるという授業である。

 

番組で紹介していたのは、任意の二つの小さな円と一本の直線を描き、この3つに接する円はいくつ存在するか、という問題だった。生徒たちは一人で、あるいは他の生徒と一緒になって、授業終了まで夢中になって問題と取り組んでいた。

 

2019年の春、井本先生は27年勤めてきた学校の正職員から非常勤講師になったのだそうだ。授業数を減らし、その分、進学校だけでない様々な生徒のために学外に立ち上げた教室と、22年間続けてきた児童養護施設での指導に時間を割くためだという。朝から夜まで、異なる学びの場を飛び回りながら、思い描く教育を模索している。 変化の激しい、先の見えない時代。生きていく上で、本当に大切にしなければならない学びとは何かを考え続けている・・・。

 

実際に子供たちの顔はいきいきと輝いていて、考えることが楽しくてたまらないという雰囲気だった。でも、こうした変則的な授業が、指導要領でがんじがらめにされた公立校で許されるのだろうか。また、1時間の授業のために10時間もの準備の時間が必要になるというのだから、雑務に忙殺される公立校の教師には、そうした点からも難しそうだ。

 

この他に私が気になったのは、この「考える」授業が成立するためには、考えるための道具となる、四則計算・公式・図形の性質や定理などの基礎知識が必要だが、そうしたことを教える授業の場合は、どんな風にしているのだろうということだ。

 

スポーツでも、競技の技術の練習そのものは楽しくても、体力づくりの基礎トレーニングは面白みに欠けると感じる人が多い。勉強でも同じようなことが言えて、基礎を覚えるのは楽ではない。九九すらつまずいたままの中学生や高校生もいるのだ。できることなら、そちらを扱った続編も作っていただきたいなと思った。

 

しかし、どんなに優れた指導者がいて、それを取り入れたい教師たちがいても、まずは1学級の子供の人数を減らしたり補助の先生を入れたりして、教師の時間とエネルギーを確保しなければ、絵に描いた餅にしかならない。

 

 

f:id:yonnbaba:20191210140747j:plain

「テレビのオファーを受けたのは、お嫁さん候補が見つかるかもって気持ちもあったからでしょ」と、生徒にツッコまれていた井本先生。

センター試験終了から教育に思いをはせる

大学入試センター試験は今年が最後。その試験ももう間もなく終了する。来年からは新しい試験になり浪人すると不利だとのことで、受験生は志望校のランクを下げたり、受験する大学の数を増やしたりしているという。

 

その来年からの新しい試験も、あちこちから批判を受けて変更が続き、当該の生徒たちは気がもめることだろう。私は関係なかったけれど、私たち1951年生まれが受験した年は東大が学園紛争で入試中止になった翌年で、前年受験できずやむなく浪人した受験生がたくさんいて大変だった年だ。

 

ずいぶん昔から、日本の大学は入るのは大変だけれど、出るのは簡単で、18歳の時が一番優秀だなどと言われる。30年ほど前から18歳人口が減少し始めたので、そのうち日本でも、入るのは簡単で出るのは大変という望ましいあり方になっていくだろうと思っていたのだが、いくら受験生が減っても特定の大学に人気が集中し、受験でふるいにかけなければならない状態は変わらなかった。

 

しかし、いよいよ時代は大転換点に来て、もはや人間のする仕事は何が残るだろうかという状況になっている。農業から工業そしてホワイトカラーへと変遷してきた「有利な仕事」の、その「ホワイトカラー」の大部分が今後AIにとって代わるという。そんな時代に、一部を除き「就職予備校」のようになりはてている大学に入ったからと言って、どれほどのメリットがあるだろう。真に学びたいことがあるのでなければ、無理に進学する必要などないように思う。

 

豊橋市ではある公立小学校でこの4月から、国語と道徳を除く全ての授業を英語で教えるイマージョン・プログラムというものをスタートさせるのだそうだ。今までも政治や社会情勢で子供たちは振り回されては来たが、これはあまりにも乱暴ではないかと思う。「英語漬けにして国際的コミュニケーション力を育成する」のがねらいだというのだけれど、関係者たちの思考力が心配になってくる。

 

あちこちで子供食堂を運営しなければならないほどの貧困問題に、いじめや不登校ひきこもり。ばらばらなように見えても、根っこは同じだ。教育や子育て、つまり子供にかける予算が少なすぎるのだ。自分たちのためには湯水のごとく税金を使いながら、こんなにも子供のためにはケチル政治で、口先だけ少子化対策を叫んだところで、子供が増えるわけがない。

 

政策の第一に教育を謳う党があれば迷わず応援したいと思うのだけれど、教育では票にならないと思うのか、なかなかこれを前面に押し出す党は出てこない。消費税減税だの撤廃だのと、国民を安く見ないで欲しいものだ。これでは札びらで頬をたたく政権党と同じではないか。10%の消費税は計算しやすくて便利だし、なんならややこしい軽減税率も廃止してよいから、そのかわり、本当に援助の必要な人には負の所得税なりでカバーし、子育てや教育を充実してくれるのなら、私は喜んで10%の消費税を払おう。

 

 

f:id:yonnbaba:20200119171232j:plain

市民館の窓 お正月バージョン

エールを送る

元旦に届いた友人からの賀状に、「年末の検診で乳ガンが発覚 元気だけが取り柄の私としては、本当にショックです」とあった。一昨年、子供の頃のお誕生日会の記憶を頼りにサプライズのプレゼントを贈ってくれ、昨夏には15年分のお喋りを楽しんだあの友人だ。

yonnbaba.hatenablog.com

 

yonnbaba.hatenablog.com

 

一昨年、股関節の手術が必要と言われた時には私も驚いたが、それとは比べものにならないくらい大きな衝撃だろうと思う。いまや3人に1人、いや女性は2人に1人が癌にかかると言われる時代で、手遅れにならない限り治癒する病気になったとはいえ、乳癌は女性にとって特別な感情を伴う病気だ。

 

彼女とは小学校から高校まで一緒だったのだけれど、いつも元気で周囲を明るさで包む人だった。私の記憶の中には笑顔の彼女しかいない。きっと家庭においても明るい妻でありお母さんだったことだろう。ご主人やお子さんに支えられて、病と闘っていることと思う。私にはこの地からエールを送ることくらいしかできないが、楽しい再会の日が一日も早く来ることを祈ろう。

 

 

阪神淡路大震災から今日で25年。あの時刻、我が家では高校生だった次男がアルバイトの朝刊の配達に行っていた。大きな揺れに驚いて飛び起き、不安な思いで次男の帰りを待ったことを思い出す。

 

人生は、いつ誰の身の上にも、何が起こるか分からない。ちっぽけな一人の人間にできることはしれているが、それでも、弱い者同士支えあえたらと思う。それぞれの地で、さまざまな試練に立ち向かっている人に、せめて心からのエールを送ります。

 

 

f:id:yonnbaba:20200117151842j:plain

猫好きだったら手に取らずにはいられない表紙。ヒロインはたぶん美人。そして婚約者に振られたとはいえ、しっかりした実家があり、やりがいと責任のある仕事まで持っている恵まれた人だ。でも、少々都合の良いストーリーにあまり反感も覚えず感情移入できたのは、周辺の描き方のうまさとライちゃん(猫)のかわいらしさか。

結末もとっても素敵だった。     『瞳のなかの幸福』小手鞠るい

ありがたい平穏な日常

新年最初の見守り隊の会議に出席した。1年生担当の先生が会議室までいらして、昨年12月の「昔の遊びを楽しむ会」に対する、児童たちの綴ったお礼の手紙を下さった。

 

f:id:yonnbaba:20200114164327j:plain

 

10人ほどの分をまとめて先生が表紙をつけ、他のまりつきやだるま落としなどの遊びを担当した老人会の会長にも渡していた。

f:id:yonnbaba:20200114182513j:plain


ほほえましくて嬉しいけれど、前にも書いたように、年間いくつの出前授業があるのか知らないが、そのたびにこうしたことをするのかと思うと、先生の負担が心配になる。もちろん、してもらったことにお礼の気持ちを表すということ自体、大切な教育ではあるけれど、当日も終わりの会で代表の子たちが挨拶しているし、お礼のメダルももらった。この作文にまた1時限なりを費やしただろうと思うと、ここまでする必要があるのかと思う。

 

yonnbaba.hatenablog.com

 

昨日は何年振りかで、以前歩いていたウオーキングコースを歩いた。2013年の4月末に退職し、5月1日の朝から4キロほどのウオーキングを始めた。少しくらいなら雨が降っても歩いていたのだけれど、夜明けの遅い時期に挫折してしまった。起きてから明るくなるまで1時間以上ものんびりしてしまうと、怠惰な私は腰が上がらなくなってしまうのだ。

 

時間変更しても良いのに、それ以来怠け癖が付いてしまった。最近は夕方別なコースを歩いたりすることもあるが、ずっとこのころのコースは歩いていない。

 

f:id:yonnbaba:20200114171023j:plain

これはかつて「肩乗り子猫ちゃん」に会った道

 

yonnbaba.hatenablog.com

 

yonnbaba.hatenablog.com

 

f:id:yonnbaba:20200114171334j:plain

いつの間にか、畑の一角にソーラー発電設備ができていた。6年近く歩いてなかったのだから、変わるのも当然だろう。

 

昨日はやっと8000歩に到達。今日は少々手術部位が重い気がして早速歩くのを休んでしまったが、もう少し運動するようにしなければ・・・。

 

 

 

 

 

今日は鏡開き

鏡開きというと、賑やかだった子供の頃のことを思い出す。大きな鏡餅はもうすっかりカビだらけになってカッチカチ。それを父が割る。くたびれてしまうと長兄に代わったりして、なんとか細かくする。それからみんなでカビ取りをして、やっとお汁粉に入れることができる。こうしてワイワイといただくお汁粉は、いちだんと美味しかった。

 

f:id:yonnbaba:20200111143601j:plain 

(画像はネット上からお借りしたが、実際はこのころにはカビだらけ!)

 

今こんな風にして鏡餅を割っているご家庭はどのくらいあるのだろう。私は近頃もっぱら「ラクポイポイ」のお世話になっている。割る手間もなければ、カビの心配もない。なんとまあ楽なこと。でも味気ないと言えば味気ない。現代の子供は、もう「鏡餅を割る」などという行為は知らずに大きくなるのだろう。

 

小田嶋隆さんが正月について「日本人が日本人らしくあるために、せめて正月の三が日ぐらいは正月らしく過ごさなければならないと、そんなふうに互いにとってうっとうしい圧力となって降りかかってくる習俗の正体なのである」と書いている。

 

business.nikkei.com

 

小田嶋さんのこのコラムはいつもかなり共感することが多く、今回もなるほどと思わないではないのだが、ここまでシニカルに言ってしまうと少々寂しい気もしてしまうのは、まさに私が氏の仰る「田舎者」だからであろうか。

 

まだ兄妹四人が揃っていた60年ほど前の我が家は、今までもたびたび書いていると思うが、「♪狭いながらも楽しい我が家」で、私にとっての家庭というものの原風景になっている。しかし、もしかしたら私のその思いが、無意識のうちに息子やその家族たちに、「長男は長男として、次男は次男として、何十年か前に演じていたのと同じ家族内の役柄としての子供」を演じさせているのかも知れない。

 

まあ、帰省からも解放されて、昔の家族の役割を演じることもなく、それぞれが勝手に休みを過ごせば、自由さや気ままさと引き換えに、何かしらを手放すことにもなるのかも知れない。

 

鏡開きのぜんざいをひとりで食べながら、正月について思いをはせてみた。何はともあれ、飢餓にも砲弾にも怯えることなく暮らせることのありがたさをかみしめる。

 

 

 

 

浅慮でオッチョコチョイのちょっと長めのつぶやき

私のブログは、当初こそ母の介護の日々を記録することで、少しでも同じ状況の方の参考になればと思って始めたのだが、母も、そして高齢だった2匹の猫たちもいなくなった今は、たんに自分の備忘録・日記のような色合いが濃い。

 

だから、本当に個人的に、ノートに書くなりワードで記録するなどしても良いのだけれど、やはり読んでくださる方がいることが大変励みになっている。また、一人で書いているだけでは独りよがりで終わってしまうが、いただいたコメントで別な視点にハッと気づいたり、自分の考えを改めることも少なくない。

 

そんな訳で、長男に注意されたり(考えずに走りだしてしまう私が反面教師になったか、長男は非常に慎重で思慮深い性格)しながらもやめられず、恥をさらしながらかも知れないが、今年もこのブログを書き続けようと思っている。

 

そんな私が、早速やってしまった。昨日フィンランドのマリン首相のニュースを紹介したのだけれど、これが誤報だったというのだ。私のブログをお読みになったセネシオさん(id:cenecio)が即座にコメントでフィンランド大使館のtwitterを教えてくださった。昨日の夜には、その誤報だったというニュースがハフィントンポストなどでも大きく取り上げられている。

「フィンランドが週休3日制を検討」の報道は“誤報” だと、大使館がTwitterで指摘 | ハフポスト

 

まあ、このニュースの場合あまり実害はないと思うが、年頭から世界を震撼させているあのきな臭いニュースの分野で、このようなことがあったらと思うとぞっとする。かつてのキューバ危機でも、ほんのちょっとした手違いがあれば、核のボタンが押されかねなかったとか。兵器が人間の力を超える今、そのわずかなミスが取り返しのつかない結果を生んでしまう。

 

オーストラリアの被災したコアラの姿も悲しい。支援を必要としている人々や場所は悲しいことに限りなく存在し、そのすべてに協力することなどとうていできない非力な庶民である私は胸が痛むばかりだ。

australia-now.info

 

少しでも気持ちが明るくなるように、良いニュースをと探せば誤報にあたってしまい、胸の痛むニュースにはこと欠かないという悲しい現実。

巷に雨の降るごとく・・・という気分の今朝の私だ。

 

 

こんなとき、昨日と同じく猫の手を借りる。

f:id:yonnbaba:20200108092659j:plain

応援するよ。 さんさんななびょう~~しっ!!! (ネットの猫画像サイトより)