よんばば つれづれ

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センター試験終了から教育に思いをはせる

大学入試センター試験は今年が最後。その試験ももう間もなく終了する。来年からは新しい試験になり浪人すると不利だとのことで、受験生は志望校のランクを下げたり、受験する大学の数を増やしたりしているという。

 

その来年からの新しい試験も、あちこちから批判を受けて変更が続き、当該の生徒たちは気がもめることだろう。私は関係なかったけれど、私たち1951年生まれが受験した年は東大が学園紛争で入試中止になった翌年で、前年受験できずやむなく浪人した受験生がたくさんいて大変だった年だ。

 

ずいぶん昔から、日本の大学は入るのは大変だけれど、出るのは簡単で、18歳の時が一番優秀だなどと言われる。30年ほど前から18歳人口が減少し始めたので、そのうち日本でも、入るのは簡単で出るのは大変という望ましいあり方になっていくだろうと思っていたのだが、いくら受験生が減っても特定の大学に人気が集中し、受験でふるいにかけなければならない状態は変わらなかった。

 

しかし、いよいよ時代は大転換点に来て、もはや人間のする仕事は何が残るだろうかという状況になっている。農業から工業そしてホワイトカラーへと変遷してきた「有利な仕事」の、その「ホワイトカラー」の大部分が今後AIにとって代わるという。そんな時代に、一部を除き「就職予備校」のようになりはてている大学に入ったからと言って、どれほどのメリットがあるだろう。真に学びたいことがあるのでなければ、無理に進学する必要などないように思う。

 

豊橋市ではある公立小学校でこの4月から、国語と道徳を除く全ての授業を英語で教えるイマージョン・プログラムというものをスタートさせるのだそうだ。今までも政治や社会情勢で子供たちは振り回されては来たが、これはあまりにも乱暴ではないかと思う。「英語漬けにして国際的コミュニケーション力を育成する」のがねらいだというのだけれど、関係者たちの思考力が心配になってくる。

 

あちこちで子供食堂を運営しなければならないほどの貧困問題に、いじめや不登校ひきこもり。ばらばらなように見えても、根っこは同じだ。教育や子育て、つまり子供にかける予算が少なすぎるのだ。自分たちのためには湯水のごとく税金を使いながら、こんなにも子供のためにはケチル政治で、口先だけ少子化対策を叫んだところで、子供が増えるわけがない。

 

政策の第一に教育を謳う党があれば迷わず応援したいと思うのだけれど、教育では票にならないと思うのか、なかなかこれを前面に押し出す党は出てこない。消費税減税だの撤廃だのと、国民を安く見ないで欲しいものだ。これでは札びらで頬をたたく政権党と同じではないか。10%の消費税は計算しやすくて便利だし、なんならややこしい軽減税率も廃止してよいから、そのかわり、本当に援助の必要な人には負の所得税なりでカバーし、子育てや教育を充実してくれるのなら、私は喜んで10%の消費税を払おう。

 

 

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市民館の窓 お正月バージョン