よんばば つれづれ

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意見広告と値上げの春実感と世界幸福度ランキング

先月だったか、「辺野古新基地は中止!普天間基地の撤去!」の新聞意見広告のことを書いた折り、憲法記念日の市民意見広告というのをyporcini(id:yporcini)さんにコメントで教えていただいた。賛同しますと返事に書きながら、恥ずかしながらいまだそのままにしていた。風は強いが春らしい天気になった今日、やっとその振り込みに出かけた。

 

豊橋の新アリーナと辺野古新基地の新聞広告 - よんばば つれづれ

 

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検索して見つけたホームページから、ダウンロードして印刷した払い込み用紙。その説明文中に【市民意見広告運動は「紙上のデモ」として、さまざまな事情で集会やデモに行かれない方も参加できる意見表明の場です】とある。

 

地方在住だと思うようにデモの機会もなく、ネットに政治への不満を書いているだけでは自己嫌悪にも陥りがちなので、こうした手段は有難い。そんなところから「#レッドカードはがき運動」も考えだしたものだ(明日が第一回の投函日!)。

 

その帰りに、髪を切るため、振り込みをした郵便局のはす向かいにあるサンキューカットに行った。去年の暮れにカットして以来だから、3か月もたってしまった。そしてその3か月の間に、なんと1080円のカット料が1200円に値上がりしていた。

 

サンキューカットについてはこちらを。  
yonnbaba.hatenablog.com

 

 そういえば、先日いつも買っている水(阿蘇の非加熱天然水 蘇豊水)を注文したのだけれど、値段は同じだったのに届いてみたら12本のはずが10本しかない。購入履歴から注文したので、てっきり今まで通りと思っていたのだが、これもいつの間にか実質値上げになっていたらしい。

 

このところ様々なものが値上がりしていることだし仕方ないかと思いつつも、変更のことわりの文言が見当たらなかったことが、騙されたようで少々後味が悪い。含有成分が豊富で気に入っていたのだが、しゃくなので今後は別な店の別な商品を買うことにする。

 

「世界幸福度ランキング」、NHKは街頭インタビューで58位という日本の順位を聞いて、「そんなに低いなんて・・・。毎日楽しい」と微笑む若い女性(彼女の予想は3位!)を映し出していた。自分の周囲数メートルからせいぜい数十メートルの世界で暮らしていれば、こういう反応になるのかも知れない。でも、現代は幸か不幸か、いやでも世界中の情報が入って来てしまうと思うのだが、まあ、若い人々が比較的幸せな気分で暮らしているのなら、それは良いことだけれど。

 

政府や日銀がずっと頑張っても、2パーセントの物価上昇率が達成できなかったのだから、この春の値上げラッシュは国の政策にとってはいいことなのかもしれないが、死活問題になりかねない人々も存在することだろう。

 

贅沢はできないまでも、それほど汲々とすることなく食べ、ささやかな社会への意見表明や寄付行為もしつつ暮らせていて、自分のことだけに限れば、ありがたいことである。けれども、さまざまな巡りあわせから過酷な状況に置かれている人が少なくないことを思うと、とてもボーッと生きてはいられず、心は落ち着かない。

約一年ぶりに、思わぬ場所で驚きの再会

出不精で、とにかく自分に決定権のある外出となるとひとしきり悩まずにはいられない私は、この月曜日から今日は行こうか、明日にしようかと悩んできたが、今日は上着もいらないくらいの陽気になるという天気予報にひかれ、墓参に出かけることにした。

 

本来なら地域の小学校の卒業式の今日は、民生委員としてそちらに出席しているはずなのだけれど、股関節手術の傷が少しうずき、まだじっと座っているのがつらいため、今年は中学校・小学校の卒業式、小学校の入学式のすべてのご案内に欠席で返事をさせていただいた。

 

霊園に到着して、水を汲もうとバケツを持って水道の所にいると、なんと目の前に止まった車から、昨年の4月に国会議事堂前の抗議集会に一緒に参加したK子さんが降りてきた!

yonnbaba.hatenablog.com

 

彼女は豊橋のお隣の豊川市の住人だし、この霊園には何千というお墓がある。そしておそらく彼岸の中日に参る人が多いだろうに、この日の、この時間、しかも広い霊園で水道設備も何か所もあるというのに、同じ場所で顔を合わせるとは、なんという偶然だろう。

 

フェイスブックの情報で私の昨年の手術も知っていらしたようで、「大丈夫ですか」と心配してくださった。昨年の東京行きのあと、K子さんもメキシコのお嬢さんの所に長いこと行っていらしたのだそうだ。彼女はご家族と一緒だったので、また体が回復したら東京のデモにご一緒に・・・とだけ話して別れたが、思いがけない嬉しい再会だった。

 

墓参の帰りによく寄る、昭和の雰囲気を色濃く漂わせた、おばあちゃんとおばちゃんの女性ばかりでやっている喫茶店が、水曜日の今日は定休日だったので、アピタで昼食をとることにする。

 

孤独のグルメ』のゴローさんじゃないけれど、「私の腹は何腹なんだ?」と考えた結果(と言ってもアピタにはそんなに選択肢がないが)、私のお腹は和食を選択。

 

というわけで、若鯱屋・・・って、全国区なのだろうか。ちなみに若鯱屋は名古屋に本社を置く、名古屋カレーうどんを主力商品とする飲食店チェーン(Wiki情報)、だそうだ。さらにこの際ついでに言えば、「名古屋カレーうどん」は通常のカレーうどんだけれど、「豊橋カレーうどん」は、カレーうどんの下にとろろご飯が隠れているという、変わったメニューである。

 

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私のお腹が選んだ「春のにぎやかランチ」。さよりやスナップエンドウの天ぷら、あさりご飯に桜エビをあしらった小鉢など、春が旬の食材が詰まったプレートに、ミニ麺は「春キャベツの七穀うどん」。私の撮った写真は暗くて春の雰囲気ではなかったので、お店のホームページよりお借りした写真で。

 

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霊園まで行く途中の柳生川。先月通った時はまだ冬眠中なのか影も形もなかった亀さんたちが、今日はそろって甲羅干し。あまりに見事に並んでいるので、日向で例によってスマホの画面は真っ黒で何も分からないまま、撮ってみた。

 

霊園に隣接する公園で桜祭りの準備が進んでいた。ぼんぼりが立ち並び、屋台を出す業者がテント張りに精を出していた。今日の暖かさで、桜の蕾はいっそうふくらむことだろう。

滑稽だった素人歌舞伎『身替座禅』

先月のコスモス会で、琵琶演奏とともに歌舞伎の話をしてくれたHさんの所属する、豊橋素人歌舞伎保存会の定期公演を見てきた。

 

会場の「穂の国とよはし芸術劇場プラット」に着いた時には、すでに毎年恒例の『寿式三番叟』は終わり、二番目の『本朝廿四孝十種香の場』の途中だった。家来の白須賀六郎が、謙信に命じられて勝頼を追って花道を行く時、いやにおひねりが飛ぶと思ったら、六郎役を演じているのは高校生だった。

 

次の『身替座禅』に、Hさんが珍しく女性の役の腰元で出演する。ベテランのHさんはなんでもこなすけれど、なぜか、たいていあまりきらびやかな衣装とは縁のない男の役であることが多いように思う。

 

この話の主人公の山陰右京はなんとか愛人の花子に逢いたいばかりに、自分のそばを片時も離れない奥方から、願かけのひと夜の座禅の許可を得て、家来の太郎冠者に身替りの座禅をさせ、自分は愛人の元へゆく。

 

翌朝ほろ酔い機嫌で帰宅した右京を待っていたのは、太郎冠者になりすまして衾をかぶって座禅をしている奥方だった。そうとも知らず、右京はのろけ話にとどまらず、「鼻は低うてキョロキョロ目、色は真っ黒・・・」と奥方の悪口まで言ってしまう・・・という、狂言をもとにしているというだけに、歌舞伎初心者にも分かり易くて面白いお話だ。

身替座禅あらすじ 

身替座禅 | 歌舞伎演目案内 – Kabuki Play Guide –

 

今日の公演では、主人の右京を小柄な女性が演じ、奥方を男性、それも結構体格の良い男性が演じたので、面白さもひとしおだった。

 

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このあともう一つ演目があるのだけれど、まだじっと腰掛けていると手術跡が少々つらいので、ここまでで歌舞伎鑑賞は諦め、駅ビルで少し買い物をして帰宅した。

Farewell Partyとらくらくメルカリ便発送完了!

ご主人の留学に伴い、3人のお子さんを連れて日本に来たインドネシア人のDさん。4人目のお子さんを1月の末に日本で出産し、学業を終えたご主人とともに今月末国に帰られる。私の参加する「ふれあい日本語教室」には昨年の3月から今年1月の臨月のギリギリまで出席し、時々「コスモス会」の行事にも参加してくださった。

 

そんなわけで、今日の「国際協力コスモス会」はそのDさん送別のためのポットラックパーティーを開いた。この数か月外国の方の参加はゼロで、日本人のみ4、5人という寂しい会が続いていたが、今日は大変久しぶりに来てくれた人もいて、旧交を温めたり和やかな会になった。

 

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外国の方たちと接していつも感心するのは、そのバイタリティーとグローバルな生き方だ。兄弟姉妹が国際結婚で違う国に住んでいる方も珍しくないし、日本語が上達すると、次のステップを考えて大学で学びなおしている人もいる。今日久しぶりに来てくれたMさんがそうだ。厳しい(と私には思える)イスラムの戒律を守り、日本の文化や習慣にも溶け込み、さらに妻や母の役割を果たしながら学んでいる。

 

日本人も若い世代は違ってきているかも知れないけれど、まだまだ外国の人や文化・習慣、言葉などに抵抗感が大きいような気がする。彼らの軽やかな生き方には、大いに学びたいと思う(そう言いながら、私は日本から一歩も出ないで終わりそうだが)。

 

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コスモス会からのプレゼント。日本を、コスモス会を、思い出してね。

 

別れるときに、頬を触れ合わせながら「I miss you.」とDさんの声がちょっと詰まったようで、私もこみあげるものがあった。今は、帰国後もフェイスブックなどで簡単につながりを保つことができるのは救いだ。

 

 

話は変わって、メルカリ取引のその後。購入者からメルカリに支払いがあり、品物の発送をするようにとの連絡があったので、今日発送した。クロネコのお兄さんが2人で来て、手際よく梱包をしてくれ、あっという間に発送作業も完了。まったくうまいシステムを考えたものだと思う。これから私のキッチンワゴンは、まだ私の行ったことのない九州まで何百キロも旅をして、次の持ち主の元で働くことになる。気に入ってもらい、長くお役に立つことを祈りたい。

 

インドネシアに帰る人との今後の交流も、まだ使えるモノの命を全うさせることも、インターネットのお陰で、手軽で早く安価に行える。ネットには様々な負の側面も確かにあるけれど、私たち人間がうまく使いさえすれば、確実に新しい時代、新しい世界を開いてくれるものでもあると実感する。

キッチンワゴンが売れた!とまたまた届いた怪しい葉書

メルカリに出品してからまだほんの2、3日しかたっていないのに、キッチンワゴンを買いたいと言ってくださる方が現れた。今は支払い待ちでまだ発送していないけれど、自分が愛用した家具が、また遠くの方のもとに行って役立つのかと思うと嬉しい。

 

値引きもして差し上げたので値段のほとんどは送料で、私の取り分はランチ1回分くらいのものだけれど、そんなことより、モノの命が引き継がれることに喜びを感じる。「お古」ということに抵抗を感じない若い方たちを中心に、このメルカリというシステムが人気なのは嬉しいことだ。

 

現代の良い一面に喜びを感じた一方で、間違って砂の混じったものを食べてしまったような、嫌な気分にさせてくれるものを郵便受けに発見した。

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「取り下げ最終期日3月13日」で、その13日に届く。よくもまあ、こんなにタイミングよく投函するものだ。しかつめらしい葉書の体裁といい、悪知恵にはほとほと感心する。気の弱い人なら、慌てて記載された番号に電話してしまうかも知れない。

 

同じ葉書でも、こちらは東三河九条の会から送られてきた、仲間を応援するもの。先日numapy(id:numapy)さんも触れていらした、安保法制違憲訴訟の弁論を終結させた札幌地裁に対する抗議の葉書だ。

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うっかり「ひとこと」を記入してからの撮影になってしまい、乱筆お恥ずかしい・・・。

 

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恥かきついでに、レッドカードはがきの手作りバージョンも。

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はがきと赤い色紙を用意します。

 

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色紙の親指の所を切り抜いて・・・

 

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はがきに貼って、自分の主張を書き込んで出来上がり。5分もかかりません。

投函は3月23日(土)、30日(土)の13:00に。 #レッドカードはがき運動

 

 

今度はキッチンワゴンをメルカリに!

去年の末に初めてメルカリを利用して、母のパイソンのバッグを出品した。何件か引き合いは来たものの、まだ売れてはいない。

 

家具のような大物は「ジモティー」というサイトで、引き取りに来てもらえる近くの方に、無料で差し上げることにしようかなと考えていたが、メルカリにも家具など大型のものが出品されているようで、発送も簡単そうなので、挑戦してみることにした。

 

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天板はバタフライ式で畳める。前面は扉付きの収納、背面はオープンの棚になっている。狭い我が家には折り畳みの作業台が便利で愛用したが、家族がいなくなって広い作業面を必要とするほどの料理はしなくなり、去年キッチンのリフォームとともに模様替えをして不要になった。さて今回の反応はいかに?

 

友達・夫婦・親子さまざまな人の繋がりが心に響く『ひとがた流し』北村薫著

『中野のお父さん』『太宰治の辞書』につぐ北村薫さん作品の3冊目だ。これまでとはまたテイストが違った。どれもそれぞれにいいけれど、感動の深さでは文句なしに本作だ。

 

四十代に入った3人の女性を中心に、その配偶者、娘たちを群像劇のように描いていく。主人公はテレビ局のアナウンサーをしている千波。友人の牧子や美々とは高校生のときから(牧子とは小学校から)の付き合いだ。特に牧子とは、取材などで地方に出かけなくてはならない時、飼い猫ギンジローの世話に通ってもらえるほど家も近い。

 

その牧子はバツいちで、小説を書いて一人娘を育てている。美々も一度結婚に失敗しているが、現在は再婚した写真家の夫を手伝いながら、娘と3人とても仲良く暮らしている。千波もシングルマザーに育てられたのだが、母親は中学校教師だったため、あまり経済的に苦労した記憶はない。

 

二十代の時に朝の早い時間の番組を担当していた千波は、世間一般の生活時間と大きく異なる人生を送ったこともあって、ほとんど男性と付き合うこともなく現在に至っている。母親も亡くなり、家族は猫のギンジローだけだけれど、幼馴染の友人たちと家族ぐるみの交流をしてきたので、牧子の娘も美々の娘も千波をたいへん慕っている。

 

千波がかつてニュース番組を担当したころは、女性アナウンサーは必ず下手に座り、ニュースも重要なものは読ませてもらえなかった。いつか上手に座りメインで話したいと思っていた千波に、やっとそのチャンスが巡ってくる。ところが運命の女神は意地悪で・・・というような物語だ。

 

途中までは、自立した大人の女性3人の抑制のきいた付き合いぶりを心地よく読み進んだが、突然転調し、目も離せなくなる。この後を書きたいけれど、興味のある方にはぜひお読みいただきたいので、興をそぐことをしたくない。

 

千波はスラリと背が高くショートヘアで、友人には男っぽい(けれど乱暴ではない)話し方をする。ちょっと宝塚の男役を思わせる造形が魅力的だ。その千波に憧れる後輩のさえない男性も、非常に面白い描き方をされている。

 

親子関係で悩んだ美々の娘が千波に相談した時に、大学生の彼女に言った言葉が心を打った。「人が生きていく時、力になるのは何かっていうと、――《自分が生きてることを、切実に願う誰かが、いるかどうか》だと思うんだ。――人間は風船みたいで、誰かのそういう願いが、やっと自分を地上に繋ぎ止めてくれる」。

 

こう言った千波は、母親もいない今、自分にはそんなふうに切実に願ってくれる人はいないと思っていた。あることで、牧子や美々の目の中にその切実さを見つけるまでは。

 

親から子へ、パートナーへ、大切な人にはちゃんと伝えないといけない。当然分かっているはず、ではなく、きちんと言葉や態度で伝えなくては。とりわけ小さな子供や感じやすい年ごろの子供などは、大人が思う以上に不安があるものだろう。大切な相手には、あなたが生きていてくれることがとても大切だという切実な思いを伝えて、地上に繋ぎ止めなくてはいけない。

 

ヒトは命に限りのある生き物であるから、それでもいつか別れの日は来るけれど、こんなふうに繋がれたら、大いに救いがある・・・と感じさせられる結末だ。

 

 

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