よんばば つれづれ

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滑稽だった素人歌舞伎『身替座禅』

先月のコスモス会で、琵琶演奏とともに歌舞伎の話をしてくれたHさんの所属する、豊橋素人歌舞伎保存会の定期公演を見てきた。

 

会場の「穂の国とよはし芸術劇場プラット」に着いた時には、すでに毎年恒例の『寿式三番叟』は終わり、二番目の『本朝廿四孝十種香の場』の途中だった。家来の白須賀六郎が、謙信に命じられて勝頼を追って花道を行く時、いやにおひねりが飛ぶと思ったら、六郎役を演じているのは高校生だった。

 

次の『身替座禅』に、Hさんが珍しく女性の役の腰元で出演する。ベテランのHさんはなんでもこなすけれど、なぜか、たいていあまりきらびやかな衣装とは縁のない男の役であることが多いように思う。

 

この話の主人公の山陰右京はなんとか愛人の花子に逢いたいばかりに、自分のそばを片時も離れない奥方から、願かけのひと夜の座禅の許可を得て、家来の太郎冠者に身替りの座禅をさせ、自分は愛人の元へゆく。

 

翌朝ほろ酔い機嫌で帰宅した右京を待っていたのは、太郎冠者になりすまして衾をかぶって座禅をしている奥方だった。そうとも知らず、右京はのろけ話にとどまらず、「鼻は低うてキョロキョロ目、色は真っ黒・・・」と奥方の悪口まで言ってしまう・・・という、狂言をもとにしているというだけに、歌舞伎初心者にも分かり易くて面白いお話だ。

身替座禅あらすじ 

身替座禅 | 歌舞伎演目案内 – Kabuki Play Guide –

 

今日の公演では、主人の右京を小柄な女性が演じ、奥方を男性、それも結構体格の良い男性が演じたので、面白さもひとしおだった。

 

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このあともう一つ演目があるのだけれど、まだじっと腰掛けていると手術跡が少々つらいので、ここまでで歌舞伎鑑賞は諦め、駅ビルで少し買い物をして帰宅した。