よんばば つれづれ

民主主義を機能させる、自立した「ひとり」でありたい

久々の美味しいハードパンとドラマ版『乱反射』

昨日ランチ会のために家まで迎えに来てくれたHさんは、薪窯焼きのパン屋さん「かぜのようにはなのように」のパンをお土産に持ってきてくれた。NHKの講座に通うことがなくなって、このパン屋さんを訪れることもなくなってしまったので、久しぶりにここの美味しいハードパンが食べられる・・・ありがとうHさん。

 

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以前この店を紹介したエントリ 

yonnbaba.hatenablog.com

 

 

さて、先月貫井徳郎さんの『乱反射』の感想をアップしたとき、秋に妻夫木聡さんと井上真央さんでドラマ化されることを書いた。そのドラマが先週放送された。どんなふうに仕上がったかなと見てみたが、ちょっと期待外れだった。

 

登場人物の誰かは自分自身『乱反射』貫井徳郎著 - よんばば つれづれ

 

(このあと感想。いくぶんネタバレになります)

原作も、主人公が新聞記者であるにもかかわらず、せっかく調べた市井の人たちのちょっとした自分勝手な行為やマナー違反を記事にすることなく終わってはいるのだけれど、ドラマは「読者の反発を招きかねないから」という上司の反対理由などに触れていないため、主人公加山の子供を殺された父親としての悲しみや怒りが浅薄なためだけに見えてしまった。

 

最後の方で加山が家庭ゴミをパーキングエリアのごみ箱に捨てたシーンで、捨ててしまったあと彼が一瞬あっ!という表情をする。原作を読んでいれば、ああ、あそこで加山は自分もほかの人たちと同じマナー違反している人間だった!と強い自責の念を感じたのだろうなと推測できるが、ドラマだけ見たら、あの一瞬のカットで伝わっただろうかと思う。

 

全体的に暗さを感じる割には主人公夫婦の悲しみの深さは伝わらず、希望も救いも感じられなくて、見終わったときにモヤモヤした気分だけが残った。現実は必ずしも勧善懲悪とはいかず不条理なことが多いが、だからこそ、フィクションやドラマには救いが欲しい。

 

以前紹介したドラマ『透明なゆりかご』も終了したけれど、こちらは確率としてはかなり低い、不幸な出産ばかりを主に描いていたのだけれど、全編通して救いがあり、つらくなりすぎないで見ることができた。画面も光の使い方がうまく、深刻な話を暗くせずに描けていて、なのにテーマの深刻さは見事に伝わってきた。

 

どちらも、リアルなテーマをリアルに描きながら、エンターテインメントとしては対照的な出来栄えだったように思う。