よんばば つれづれ

民主主義を機能させる、自立した「ひとり」でありたい

『THE BIG FELLAH』観劇、感激! 訂正しました。

[訂正] 重大な間違いが・・・。最後の場面は2001年3月ではなく、9月です。9.11です。


本でも動画でもなく、本日は舞台の感想です。

チケット争奪は敗れ果てて、同じS席でもかなりはじっこですが仕方ありません。それでも去年完成した800席弱の演劇専用劇場なので、1000席以上の大きなホールしかなかった以前を思えば、かなり良い条件で見られるのですから良しとしましょう。



内野聖陽さん主演の『THE BIG FELLAH』。IRAのお話です。・・・と言えば、ブラッド・ピットとハリソン・フォードが共演した映画『デビル』がすぐ思い浮かびます。これも見ごたえのあるいい映画でした。

それからずっと遡って、『ライアンの娘』が思い出されます。これは独立戦争前のアイルランドが舞台でしたが、アイルランド人の人妻とそこに赴任してきたイギリス軍の将校との許されない恋の話でした。これを見た時の私はまだ恋に恋する乙女と言ってもいい年頃で、ヒロインの切ない恋に涙を絞り、冒頭のパラソルが風に飛ばされて舞い上がったシーンが今も強く印象に残っています。


今日の舞台は、かなり重いものでした。1972年から2001年までの30年間のIRAメンバーたちのさまざまな葛藤が描き出されます。それでなくても異国の地で自身を偽っての暮らしは苦しいのに、それが30年も続くのです。しだいにFBIに情報を流すものがでてきてお互い疑心暗鬼になったり、IRAの活動そのものも過激になって市民まで巻き込む事件を起こし、正義を信じていた自分の活動に疑問が生じてきたりします。


テレビでも熱い演技で魅了する内野さんが、舞台にしては意外にさらっと演じている気がしました。むしろ狂言回し的な役どころのルエリを演じる成河さんが熱演です。それに常に物語の中心にいるニューヨークの消防士(この設定がまたあとで重要な意味を持ってくる)のマイケルが、静かで無口な青年という設定なので、内野さんは若手をたてる演技に回ったのかなと思われました(酔っ払ってマイケルのアパートに飛び込んできて、トイレに駆け込もうとするシーンなどは内野さんの面目躍如?という感じですけどね)。

大国イギリスを相手に立ち上がり、世の同情も引いて完全に正義は我らにありと団結していたIRAが、長い戦いの中で市民を犠牲にし、メンバー同士で憎み合ったり傷つけ合ったりするようになる。決してきれいごとで終わらないのが戦いというもの。途中セリフの中でイスラムの戦いにも触れ、最後は2001年9月11日の朝、中年になりお腹も出てきた消防士のマイケルが身支度をしてアパートから出ていくと、しばらくして消防車やパトカーのサイレンがかまびすしく響き出すというところで終わります。


私の勝手な思い入れかも知れませんが、この時期にこの芝居を上演する、スタッフや俳優さんたちの強い意思を感じました。楽しい舞台ではありません。派手さもありません。実際、私も見ている間少々しんどさも感じました。けれども、見終わった時にズーンと心の中に沈むものがありました。



平和で豊かで、自分の息子が人を殺さなければならないような立場に立たされる心配のない、今の日本が好きです。外国で武力を行使せず、外国に武器を売ることもしない国に誇りを感じます。


折りしもサラエボ事件からちょうど100年ということで、昨日からニュースで第一次大戦のことも報じられています。年代から考えても相当苛酷な戦いであったろうことは想像に難くありません。人類はもういいかげんに、こうした武力による問題解決法から卒業するべきです。


このブログが安倍首相の目に触れるわけはありませんが、それでももう一回書きます。

外国で武力を行使せず、外国に武器を売ることもしない国に誇りを感じます。
武力による国際紛争解決を禁じている憲法を誇りに思います。