よんばば つれづれ

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個人より国家を尊重する国へ

タイトルの国はどこでしょう。お隣のあの国、その国?いいえ、自由民主党の目指す日本です。


内田樹さんのサイトで、Noa Smithさんという方の意見を読み、確かにここのところの改憲論議で9条についてはよく聞くけれども、その他の部分についてはほとんど知らないと自覚した。果たして本当にここに書かれているような恐ろしいものなのかと思い調べてみた。

そうして、驚いてしまった。安倍首相が大変なタカ派であるとは思っていたけれど、これほどだったとは。もちろん憲法草案は彼ひとりで書いたものではないのだから、今の自民党がそれだけタカ派に牛耳られてしまっているということなのだろう。「自由民主党」という党名は「次世代の党」に負けないくらい実態とかけ離れた名前だと言える。


内田さんのサイト 「日本はアジアの次の独裁国家になるのか」
         はコチラ→ http://blog.tatsuru.com/


自由民主党憲法改正草案は→ https://www.jimin.jp/policy/policy_topics/pdf/seisaku-109.pdf#search='%E8%87%AA%E7%94%B1%E6%B0%91%E4%B8%BB%E5%85%9A%E6%86%B2%E6%B3%95%E6%94%B9%E9%9D%A9%E8%8D%89%E6%A1%88'

自民党のHP内に掲載している全文で、現憲法と並べてありなかなか分かり易い。

天皇は元首」「国民は国旗、国歌を尊重しなければならない」

国防軍」と明記があり、「自衛権発動の際には、武力行使しないとの文言には妨げられない」と言っている。


「公益及び公の秩序を害する目的で結社をしてはならない」とある。偉い人がこれは公益に反する、と判断すれば団体を作ることもできない。

「家族は互いに助け合わなければならない」わざわざこんな文言を入れるのはなぜ?

極めつきは「国民の責務」として「公益及び公の秩序に反してはならない」だ。国家のために個人がある、ということだ。これではまさにファシズム

全体的に、主権在民を謳って国民の側に寄り添った現憲法ののびやかな雰囲気は消え、強い国家が、国民の義務や責任をきっちり規定したうえで、それを守れば権利を与えないでもないよという息苦しい雰囲気になっている。

出自がどうあれ、現憲法のお蔭で日本は70年間世界のどこの国にも軍隊を送らず、日本人は誰一人兵士として人を殺すことをしないで済んできた。平和憲法を手放してはならない、とそれだけは思っていたけれど、今までこの改憲の草案を読もうともしなかった呑気さを恥じる。あらゆるところに周到に有事の際、国民をコントロールするための布石が打たれていることに愕然とせざるを得ない。



今回調べてみて、いろいろな方がこの自民党憲法草案の危なさを糾弾していることも知った。けれどもそれらの声が国民のどこまで届いているだろう。安倍内閣を支持する50%以上の人達は、こうしたことまで分かっていて任せようと考えているのだろうか・・・。