よんばば つれづれ

民主主義を機能させる、自立した「ひとり」でありたい

『櫻の園〜最後の楽園〜』豊橋演劇塾の公演です

櫻の園〜最後の楽園〜』あまちゃんでも女優としての存在感を発揮した木野花さん作の演劇。穂の国豊橋芸術劇場(プラット)で今日と明日、豊橋演劇塾によって上演される。


2週間ほど前、去年数か月在籍して結局すぐ退団してしまい、ご迷惑をおかけしただけの演劇塾の方からメールをいただいた。会場係として手伝ってほしいとのこと。ちょうど何も予定も入っていなかったため、少しでもお力になれるならとお引き受けした。ところがその後母の状態が思わしくなくなり、またしても”ドタキャン”になってご迷惑をかけることになるかも・・・と心配した。

が、母が気をきかせてくれたのか生活も通常のペースに戻ったので、今日は朝から駅前の会場に出かけた。いつも使う電車、いつもと同じ車窓の風景なのに、なんだか少し空気が違って見える。「ああ、もう私は子供になれる場所を失ったんだ・・・」という思いがかすかに心を噛む。意外に何気ない瞬間がこたえたりするものなのか。

会場に着くとまだ9時前なので、開錠されない通用口の前にメンバーが集まっている。久しぶりの顔、顔。知らない新しいメンバーも何人もいる。みんな温かく声を掛けてくださった。



早めのお昼をとって開場に備え、お客様が入り始めるとそれぞれの持ち場でご案内をして、開演時刻になったら責任者にお任せして、会場係も全員芝居を観させていただいた。

少々難しい作品で前半なかなか入り込めない気分だったのだけれど、途中からグングン引き込まれ、バッグを楽屋に置いてハンカチも持たずにいたため、溢れそうになる感動の涙を必死でこらえた。共同炊事場のある古いアパートを舞台に、そこの住人やそこに集まってくる人々の抱える問題、悩みや生き方を描き出していく。ラストは少し悲しいが、その悲しみを乗り越えて人々が新しい世界に踏み出していく希望があふれる。


つい感動に浸ってしまっていたけれど、会場係はサッサと外に出てお客様をお送りしなければいけないと気づき、慌てて席を立ちドアの外に立った。「ありがとうございました」と一人一人のお客様に頭を下げながら、会場から出てみえるお客様がみなさんとてもいい顔をしていらっしゃることに驚いた。

今まで客としては何十回も劇場に足を運び、そしてこの春には素人歌舞伎で端役ながら舞台に上がる方も経験した。昨年劇団に入ったばかりの時に、小学校の体育館での上演時に整理係はしたけれど、本格的な劇場での会場係は初めてで、鑑賞を終えたばかりのお客様の顔を間近に見るのは初の経験だ。美味しいものを食べた時、人がいい顔になることは分かっていたけれど、楽しいものを見て感動した時もこんなにも人はいい顔になるのだという、当たり前と言えば当たり前のことだけれど、実際に目の当たりにして改めてこちらまで心が豊かになるようでとても嬉しい経験をした。



明日も午前11時からと、午後3時からの公演があります。お近くの方、興味がおありでしたらぜひお出かけください。