よんばば つれづれ

民主主義を機能させる、自立した「ひとり」でありたい

「老後破産」の国について

放送されたのはもう半月ほど前になるけれど、NHKスペシャル「老人漂流社会"老後破産"の現実」について、ちきりんさんがブログで取り上げていた。やっぱり、ちきりんさんもこういう感じがしたんだな、と再確認。先日姉に電話した時もこの話題が出て、姉もやはり同じような感想だった。

以前女性たちの貧困について取り上げた時にも、確か私はブログで言及したのだけれど、またしてもNHKはいったい何が言いたいの?という作り方だった。「ホラこんなに気の毒なお年寄りがいるんですよ。なのに国は何もしてあげないで、なんて冷たいんでしょう!もっとじゃんじゃん生活保護なりなんなり出して援助するべきだよね」と訴えたかったのだろうか。

でも、女性の貧困の時と同じく、今回も私はあまり同情できなかった。ご覧になっていない方には分からないだろうからちょっと登場した3人のプロフィールを紹介する。


例1:月に 10万円程の年金収入で暮らすA男さん。港区で家賃 6万円の 1DKのアパートに住んでいて、光熱費や医療費を払うと残金は 2万円ほどで生活が苦しい。安い家賃のところに引っ越すための貯金もない。部屋は足の踏み場もないほど物が散乱している。安売りの時買いだめしたというそうめんばかり食べている。電気は止められているので夏の昼間は冷房の効いた公共の場所で過ごす。非婚、したがって子供もなし。本人は年を取るなんて思ってなかった、こんなことになるなんて考えもしなかった、と言っていた。

例2:東北の村に住んでいるB子さん。農家だったので国民年金だが家計が苦しくて払わなかった期間があったそうで、受給額は3万円を切っていたと思う。田んぼは親戚が作っていると言っていたがお米は買わなくても良いようだった。畑があるので野菜も自分で作っている。山で山菜も取り、川で魚も取るのでほとんど食費はかからない(かけられない?)。数年前、病気で亡くなった夫の治療費を払うために使い切ったので現在の貯金はない。大きな家と田畑は所有しているが、それらは売りたくない。他の街に子供たちはいるが頼りたくないので、とても生活は苦しい。

例3:足が悪いため歩行補助具を使っているC子さん。こぎれいな1DKのアパート住まい。家賃が1万円というから公営だろうか。家事はヘルパーさんが入っていて食事も作って冷蔵庫に入れておいてくれる。でもベッドから冷蔵庫まで の数メートルも、歩行器を使って歩いて行くのは時間もかかりとても大変(冷蔵庫をベッドのそばに置いたら歩行訓練ができなくなるのでいけないのかな)。少しずつ取り崩している貯金も残り少なく、今後のことを考えるととても不安。



どんなにがんばってもどうにもならない時は、もちろん行政が手を差し伸べるべきだけれど、国民も安易に甘えてはいけないと思う。何でもかんでも国の財布を当てにしていたのでは、予算がいくらあったって間にあう訳がない(今回の話とは違うが、訴訟もいい加減にしたらと思うものがある)。

以前の女性の貧困の時も、取り上げた人たちに生活改善提案や、貧困脱出のための公的援助の手段の紹介など、いくらでも方法があるのに、さも可哀想な人たち、という取り上げ方でしかなく、もどかしさを覚えた。確かにまだ福祉政策は十分ではないかもしれないが、国の借金や国民の税負担忌避感情などを考えれば、簡単に予算倍増という訳にはいかない。現在の制度の中でどう苦しい生活を立て直していくのか、国や行政を批判するばかりでなく、自分の足で立つための援助や啓蒙も必要ではないか。

ただただお涙ちょうだいの安易な企画は、いたずらに若い人たちの不安をあおるだけでなんら解決策にはならない。もし、行政の不備を訴えたいのなら、もっと誰もがこれは救ってあげるべきと思えるケースを発掘しなければ訴求力はないし、番組の作りももっと鋭く切り込むものでなければならない。


まるで自分の頭で考えていない、紋切り型の気の毒な人のお話の型にはめただけで、「はい、いっちょうあがり、これで泣いてもらいます」といった感じで、「スペシャル」などと謳うのが恥ずかしい代物だった。


キリッ!!!
アタシだって生まれてすぐ捨てられて、手のひらにひょいと載ってしまうほど小さかったけど、
よんばばさんちに来てご飯貰った時、もっと入れようとしたよんばばさんに
「ウーッ!」って唸って笑われたのよ。
「いっちょうまえに!」って。
他のノラに食べ物を取られないように戦ってたんだから。
何でも拾って食べて、お腹も超特急だったんだから!って、これは自慢できないか・・・。
とにかく自助努力、したんだから!