よんばば つれづれ

民主主義を機能させる、自立した「ひとり」でありたい

『"独立"する富裕層』クローズアップ現代

「アメリカ 深まる社会の分断」という副題の今日のクローズアップ現代。ゲストは『(株)貧困大国アメリカ』の著者堤未果さんだった。(この本についての感想はこちら

市民が合法的に新しい市を創ることができるアメリカでは、富裕層が自分たちの納めた税金が貧困層のために使われるのを嫌って、富裕層だけの市を創り始めているという。(これは前述の本の中でも紹介されていた)そうした自治体はSFの中の都市のようにピカピカで素晴らしいが、切り捨てられ多くの税収を失った自治体は公共サービスの質を落とさざるを得ず、格差は広がるばかりだと言う。

何か月か前のこの番組では、税金の安い国に脱出する富裕層のことを取り上げていた。企業も特権階級も、「ノブレス・オブリージュ」のようなうるわしい思想は忘れ果て、自分の欲望や快適さのみを追及する時代になってしまうのだろうか。堤さんはアメリカにもこれではいけないと考える人たちが出てきていると言っていたけれど、軌道修正ははたしてできるだろうか。

弱い立場の人の権利も保証されて快適に暮らすためには、社会が豊かである必要がある。だからこそ敗戦の焼け野原で食べるものも満足になかったところから、ひたすら豊かな社会を目指して頑張ってきたのだと思う。それなのに今日本でも格差社会が大きな問題になっている。

大震災の時も世界中が驚くほど助け合って困難を乗り越えた日本人。古き良きものがずいぶん崩れ去ってしまったとは思うものの、まだまだ捨てたものではないと思えることも多い。豊かな国アメリカの後を追ってきて、社会問題も時間差で同じように抱えてきたけれど、格差社会はもう食い止めたい。

人を思いやる想像力を持ちたい。お金があるだけではかっこいいとは言えないという価値観も、社会に根付かせたい。弱肉強食では動物と同じ。いや欲望で必要以上に抱え込んでしまう人間は、動物以下だ。自分以外の人を、自国以外の国を、次の世代を、次の次の世代を・・・想像できる、思いやれる、それが知性であり豊かさだ。自分の利益しか考えられない人など、どれほどお金を持っていようがみっともないと思う。