よんばば つれづれ

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『知らなかった、ぼくらの戦争』アーサー・ビナード編著

以前ユネスコで平和学習の出前授業をしていた頃、戦争体験の語り部がだんだん高齢になって、体調を崩されたり、滑舌や話の内容に問題が生じたりするようになるのを目の当たりにして、きちんと録画して残すなどしないといけないと強く感じた。

 

広島では被爆体験語り部の後継者を育てる活動があって、たしか去年その第一期生が実際に語り部を務めたというニュースがあった。広島に限らず、日本各地に戦争体験者がいらっしゃるのだから、それぞれの地の空襲体験や、出征体験、引き揚げ体験などを聞き取り記録することが急務だと思うけれど、実際にはどれほどそうした作業が進んでいるだろうか。多くは民間のボランティアなどに委ねられ、心許ない状態なのではないかと思う。

 

この本は、そうした作業を日本のみならず、アメリカで日系人強制収容所を体験した人の聞き取りまで含んで、ビナードさんがしてくれている。大学卒業後来日し、そのまま定住し日本語での詩作をするビナードさんは、いまや半分日本人で半分アメリカ人のような存在だ。そのような立場で、今まで圧倒的に少なかった「加害者日本」としての視点も含めて、23人の方のインタビューをまとめ、戦争や戦後について書いている。

 

戦争体験というと暗くて聞くのも辛い感じがするが、この本はビナードさんの人柄か、それとも語ってくださった方々の前向きな生き方のせいなのか、辛くなることもなく、どんどんと読めてしまった。新しく知る情報も多い。

 

建国以来つねに戦争をすることで国を太らせてきたとも言えるアメリカには、「第二次大戦後」とか「ベトナム戦争後」というとらえ方はあっても、「戦後」という言葉はないという。改めて、つねに「戦後〇年」という意識できた日本のこの七十余年を誇らしく感じる。それなのに、なぜその素晴らしいものを捨て去ろうとしているのか。

 

広島と長崎に投下した原子爆弾の意味や、ウラン弾の「リトルボーイ」、プルトニウム弾の「ファットマン」のほかに、第三の大量破壊兵器「パンプキン」が日本各地に投下されていたこと、そしてその意味するところを初めて知った。

 

去年オバマ大統領が現役大統領として初めて広島を訪問した際、ビナードさんは地元のテレビとラジオの特番に解説者として出演していたそうだ。感動的なスピーチを賞賛するような報道が多かったが、ビナードさんはげんなりしていたそうだ。岩国基地海兵隊員をねぎらう時間や、オスプレイを宣伝するような行動を省略すれば、充分資料館を見る時間は生まれたはずだと指摘している。行こうと思えば長崎にも行けたはずだと。「核なき世界をめざす」と言い、ノーベル平和賞まで受賞したオバマさんも、やはり軍事産業大国アメリカのセールスマンであることには変わりなかったのだ。

 

ビナードさんがインタビューした23人の方のうち、すでに何人もの方が亡くなってしまっている。インタビューのあと、数か月から半年ほどで亡くなった方も少なくない。まるで体験を語り終えて肩の荷を下ろしたかのように。

 

あったことをなかったことにしたり、美化したりごまかしたりせず、まずは事実を事実として知らなければ、次のステップに進めない。間違ったことを正すこともできない。日本の悪いところは、この事実を事実としてきちんと認め記録するということに消極的なところだ。そして結果的に責任の所在もあいまいにしてしまう。

 

とても読みやすい本なので、中学生くらいからなら、一緒に読んで語り合う材料にもなりそうだ。夏休みの読書にもピッタリ。

 

 

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残念『ブランケット・キャッツ』

第一話を見て「楽しみ」と書いた。ただ、猫たちに負担をかけないように撮影してくれるといいなと、それだけが少し気がかりだった。

 

二話でちょっと落ちて、三話の子供のいない夫婦の話で盛り返したのだけれど、四話は学歴がなくて苦労した父親が息子に過剰な期待を寄せてすれ違うというありがちなストーリーなうえに、その父親が猫のいるそばでやたらと怒鳴り、心配が的中してしまった気がした。

 

それに猫たちが画面に映っているときに、どの猫も異常にそこらを舐めてばかりいて、画面の中に収めるために何かを塗るとか蒔くとかしているのではないかと気になってしまう。画面から外れてしまってもいいから、もう少し自由気ままにさせてやってほしいと、そんなことばかりに気をとられてドラマを楽しめない。残念ながら視聴をやめることにした。

 

みをつくし料理帖』もあっけなく終わってしまって(でもきっとシリーズ化されるに違いないという気がする)、この夏はまた昔のドラマ『すいか』のDVDでも見るとしようか・・・。

 

来週末は豊橋祇園祭豊橋発祥の手筒花火は21日金曜日の夜に、豊川(とよがわ)河川敷での打ち上げ花火は22日の土曜日の夜だ。

 

 

 

 

このところ家でお昼を食べるときには、圧倒的にこのサラダそうめん。野菜はその時冷蔵庫にあるもので。今日はご近所さんにいただいたミニトマトを彩りに。

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夏休み前最後のコスモス会と久々のスタンディング

国際協力コスモス会、今日はクラフト教室でポプリを作った。出来上がりを見ると簡単そうだが、ちゃんと袋状に開くように編むのは、理屈が分かるまではちょっと悩む。こういうのを最初に考えつく人はすごいと思う。

 

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中には乾燥させたローズマリーを入れる。コスモス会は来週から夏休み。次は9月の第二金曜日。それまでしばしのお別れ。

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夕方は久々に駅前スタンディングに出かけた。先週末じじばばの会の「応援葉書を送ろう」の活動で街頭に立ち呼びかけたが、スタンディングには参加していなかったのだ。共謀罪法がいよいよ国会で採決されるという頃から、危機感を強めたメンバーは、また以前のように連日立っているからか、金曜日だからといっても15人ほどで、参加者はとくに多くはなかった。

 

人数はそれほど多くはなかったけれど、安倍政権にいよいよ翳りが見えてきたせいか、皆の顔には非常に明るさが感じられた。今日の時事通信世論調査では内閣支持率はついに危険水域に入り、29.9%だ。田崎氏がテレビで、あれほどあからさまに安倍政権擁護発言をしているにもかかわらず。

 

驕れるもの久しからず・・・となれば良いが。

いつまで鎖国をしているの?

水は低きに流れ、私は易きに流れる。5年前の夏は、どんなに暑くても毎日仕事に出かけていたのに、もう窓の外の強烈な日差しを見ると気持ちが萎えて、なんだかんだと出かけられない理由を探し、延ばせる用事は一日延ばしにしてしまう。

 

気にかかっていることは、さっさと片付けないとよけいに気鬱のもとだ。スッキリして元気になるためには、できることをできる日にしていかなくては・・・。

 

ということで、まずは墓参。近くのお店で花を買って、さてタクシーを呼ぼうと思ったら、スマホを忘れている。店頭には公衆電話があるのでそれでかけてもいいのだが、もう一つ、ついでに取って来たいものもあったので家に戻って車を呼んだ。

 

車の中で、運転手さんに「今朝がたの雨すごかったですねェ」と話しかけられて驚いた。私は全く知らずに寝ていたのだ。名古屋では道路が冠水したリ、地下道に水が入ったりして大変だったらしい。水の心配もしないで寝ていられる幸せに感謝しなければ。

 

暑いときなのでちょっと贅沢して、墓参の間タクシーに待ってもらって、そのまま次の用事の先へ移動する。先月自転車で転倒して骨折した方のお見舞いに。ご高齢なのでかなり回復には長い期間かかるのではないかと案じたが、もう杖を突いて歩けるまでになっていた。

 

リハビリ専用の広い部屋で、さまざまな器具を使って、たくさんの若いスタッフの方たちが患者さんの指導をしていた。その人たちを見ているうちに、この仕事も将来AI搭載ロボットが代わるようになるだろうかと考えた。できなくはないだろうけれど、たぶん患者さんは人間の方がいいだろう。でも、ロボットが冗談なども言えるようになり、人間味も備えるようになれば、気の合わない人間のスタッフより好まれるだろうか・・・などと夢想してしまった。

 

 

ところで、民進党蓮舫代表の国籍問題が再燃している。最初にニュースになった時から、私は二重国籍の何が問題なのだろうと思っていた。今回の震源は同党内だというのだから、民進党には本当にガッカリさせられる。 ただし、べつに私は蓮舫氏が代表として望ましいと思っているわけではない。

 

この騒ぎに関連して、フェイスブックにどなたかがアップしてくれて知ったサイトなのだけれど、対象が子供なだけに、とても分かり易く二重国籍問題について書かれていたので紹介したい。

 

ymlaw.txt-nifty.com

 

難民問題といい、この国籍の問題といい、いったいこの国は今も鎖国状態なのだろうかと思う状態だ。先日閉会した通常国会も、本来首相が李下に冠を正さないだけの良識を持ち合わせていたら、存在しなかったはずの「もりかけ」問題に膨大な時間を取られてしまった。

 

志の低い政治家や官僚を持つと、私たちの納めた税金が本当にもったいない使い方をされてしまう。一人当たり800万円を超えるような借金財政の国で、しかも今後は下り坂を行くしかない状況だというのに、なんともったいないことか。

 

政治家をAI搭載ロボットにしたら、こんな無駄がなくなるだろうか。それとも昔の映画にあったように、AIが暴走して人間に君臨するようになってしまうだろうか。

 

 

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猫にまかせれば、いちばん平和よ~。  byドリーム

 

 

 

 

苦しい読書とつのるばかりの不信感

先日のじじばばの会の「応援葉書を送ろう」の活動の時に、メンバーの一人から本を分けてもらった。望月衣塑子さんの著書『武器輸出と日本企業』というものだ。望月さんを応援するために何冊かまとめて購入し、周囲の人に薦めているとのこと。今は本もあまり増やさないようにしている私だけれど、彼女を応援するには、図書館で借りるのではなく購入しなければと思い、分けてもらった次第だ。

 

ところが、これがなかなか読み進めない。暑さで少々気持ちも体力も萎えているところに、国と企業が武器輸出に前のめりになって進んでいく内容に、気分が重くなってしまう。いくらこうした本を読んで事実を知ったところで、巨大な力にどんどんのみ込まれ、危険な方向に巻き込まれていってしまうのではないかという無力感にとらえられそうになる。

 

国会の閉会中審査を見れば、またしても大臣や官房長官・副長官などののらりくらりの答弁に、隔靴掻痒のイライラがつのる。こんなことで何時間費やしたところで、とうてい国民は丁寧に説明してもらったなどとは思えない。「丁寧」に「嘘に嘘を重ねて言いくるめること」というような語釈でもあったのだろうか。内閣府や官邸には、よほど特殊な辞書が存在するのだろう。

 

内閣支持率が30パーセントを下回ると危険水域とか。先週末の世論調査では軒並み30パーセント台になり、読売でさえ36パーセントだ。この閉会中審査の相変わらず誠意のみえない対応や、まるで逃げているかのような総理の外遊などでさらに落ちれば、そろそろ危険水域に達することになるかも知れない。

 

ただ悲しいことに、内閣の支持率や自民党支持率の下落に伴って、増えて当たり前の野党第一党の支持率がいっこうに上がらない。望月さんの著書にも、政財官一体となった武器輸出解禁に向けた動きは、決して安倍政権になってからのことではなく、野田佳彦政権の時に大幅緩和の方針が決定されたことが書かれている。少々のことでは民進党の信頼は回復できないだろうが、それでもせめて野田さんを幹事長からはずすくらいはしないと、よその責任追及など説得力に欠けること甚だしい。

 

 

それにしても、このあたりでは大して雨の日はないのに、九州ではあの豪雨のあとも随分雨が多い。地盤が緩んでいてさらなる被害も心配だろうし、後片付けをするにしても天候が悪くては大変だ。ただ暑いからと弱音を吐いたりしていては、申し訳ないのだけれど・・・。

 

 

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飲む点滴で暑さに打ち勝て・・・るか? 【肝心なことを追記】

7月は「社会を明るくする運動」月間。ニュースに映る政治家たちが胸元に付けている黄色い羽根はそれを表すらしいが、あの羽根はいつから始まったのだろう。少なくとも私が更生保護女性会の委員だった数年前にはまだなかったように思う。私は今年初めて目にした。あるいは注意力不足の私が気付かなかっただけだろうか。

 

国(法務省)から予算が下りてくるので、どこの地域でもこの運動に関連する様々な行事が行われていることと思う。まあ、多くは関連団体の動員で一定の人を集め、恒例の行事を行ってお茶を濁している程度だろうから、あまり一般の人には知られていないと思うけれど。

 

そんな訳で、私の住む地域(当市の場合小学校区ごとの活動)でも、今月は、この間の小学校でのあいさつ運動があり、今日はまたその運動の一環である講演会が催された。ドコモCS東海の女性講師による「スマホ・ケイタイ安全教室」なるもの。私でさえほとんど既知の情報だったのに、PTAの動員である若い方たちに参考になったのだろうか。いっぽう、会場の過半を占めた高齢者の多くには「なんのこっちゃ?」だったかもしれない。

 

この講演会が終わると大急ぎで駅前に出かけ、昨日に続いて「応援葉書」の活動二日目を行った。今日は参加メンバーは4人。私たちの人数も少なかったが、足を止めてくれる人も今日はとても少なかった。

 

昨日は学校帰りの高校生が立ち止まってくれて、それがさらに足を止める人を作り出す作用をしてくれた。集める葉書の数そのものよりも、半分は政治に関心のない若者へのきっかけ作り、半分はこうした活動を見せることで、権力に対して声をあげる、活動する人間がいること、政治家たちにとって都合の悪いことを、簡単に忘れてしまわない人たちがいることを世の中に示していければ良しとしようと、仲間と話した。なかば、自分たちへの慰めのようなものかもしれないが。

 

暑い中大きな声を出して呼びかけ続けたので、帰宅すると喉は渇き体はグッタリ。ちょうど友人からもらった甘酒があったので、まずはその冷えた甘酒で一服した。なにか一段落するごとに熱いコーヒーを飲みたい私も、さすがにこう暑いとその気分ではなかった。

 

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飲む点滴と言われる甘酒。今日はさすがの私も食欲不振だけれど、これで栄養補給になるかな・・・。

 

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昨日の活動のあと、帰宅の気力を持つため駅ビルで飲んだピンクグレープフルーツのスムージー。さすがにこれは、冷たいものに弱い私には少々こめかみにキーンときて、ゆっくり時間をかけて飲まなければならず、ひと電車遅らす羽目になった。

 

【いちばん肝心なことを追記!】

社会を明るくするためには、憲法無視の独裁政権を倒すのがいちばんですね。

 

 

七夕の宵、星に願いを・・・

七夕の今日、特大の短冊をぶら下げて、発足したばかりの「じじばばの会」の「応援葉書を送ろう!」の活動を行った。風が強かったので、のぼり旗ほどの大きさの短冊は終始激しくあおられて持っているのも大変で、残念ながら写真はない。願い事は「美しい日本になりますように」と書かれていた(製作”言いだしっぺ”)。

 

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足を止めてくれる人がいると、つられて次々立ち止まってくれる人が出てくるが、潮が引いてしまうと、なかなか止まってもらえない。こんなところにも、日本人らしさ。

 

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用意した葉書文面。このうち2枚は私の作。

 

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足を止めてくれるのは、圧倒的に高校生を始めとする若者たちだった。でも残念なことに、若者たちの大半はこの写真の3人を「知らない」と言う。説明をして、納得がいったら協力してほしいと言うと、たいていの子がメッセージや名前を書いてくれた。「18歳から選挙権を持つのだから、たまにはニュースも見て考えてね。政治はみんなの暮らしにとても関係あるんだよ」と言うと、素直にハイと言ってくれる。

 

ジーッと見ながら、声を掛けると顔を背けて通り過ぎる人や、全く無視して声を掛けさせる隙すら見せないような人、はっきり自説を言って断る人、色々な方がいたが、それでも反応は悪くはなかった、という印象だ。プラカードを持ったりポストを持ったりで、最低3人は欲しいねと話していたのだけれど、なんと7人も集まってくれたので、呼びかける人員も充分とれた。明日と明後日も、同じ時間・同じ場所で行う。

 

 

 

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これは午前中のコスモス会で作った七夕飾り。

 

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インドネシアの女性が書いた短冊。