スタンディング、作戦会議
スタンディングの”言いだしっぺ”は、近頃次の展開をどうしていったらいいか悩んでいるようだ。駅頭に立つ顔ぶれは決まってしまってあまり新しい参加は望めない。世の中への影響力という点でも疑問符だ。選挙はドンドン迫ってくる。いや、”言いだしっぺ”だけでなく、これはスタンディングに参加しているメンバーのほとんどの思いかもしれない。
そんな訳で、今日の交流会(スタンディングの会では、作戦会議をこう呼んでいる)はなかなか熱の入ったものになった。またしても会場が5時終了なもので、白熱したところで終わらなければならなくなってしまったけれども。
おそらく日本中の市民運動に関わっている人々の一番の現在の悩みは、野党共闘が遅々として進まないことではないだろうか。これがちゃんとすればその応援に一丸となって進めばよいだけのことなのだけれど、その肝心な柱が立たないために大きな悩みを抱え込むことになる。
どうすれば野党が(特に野党第一党の民主党が)共闘に真剣になるだろうか?
投票率を上げるためにはどうすれば効果的か?
こうした悩みと向き合いつつ進んでいくのが民主主義なのだと言えばそうなのかも知れないが、いかんせん、時間がない。相手は組織力も資金力もあって着々と準備を進めてくる。それが分かるからさらに焦る。その巨大で抜け目のない相手に抗するために、私たちはこうした民主主義の一番初めの基礎のブロックから積み上げていかなくてはならないのかと思うと、ついため息の一つもつきたくなる。
「デモクラ・カフェ」「憲法カフェ」「ピース・カフェ」とカフェの企画も乱立し同じ日にぶつかったりしている。おまけに原発の映画まで同じ日に上映会で頭が混乱しそうだ。様々な勉強会も目白押し。誰もが一生懸命だから、いろんな団体のいろんな情報を持ち寄る。
でも、私たちが学ぶことも大事だけれど、選挙という現実を考えると、もっと即戦力になるツールが欲しいと思う。とりわけ、いままで平気で棄権していたような人々に投票に行ってもらわなくては投票率は上がらないのだから、そうした人たちの重い腰を上げさせるためにはどんな作戦が効果的か、ちょっとそうした議論が足りなくて残念だった。
いや、足りなかったわけではない。いくつか具体的な意見も女性たちから出たのだけれど、男性陣が難しげで観念的な意見でまぜかえすので進まなかったのだ。いつの選挙の投票率が〇〇パーセント、何党の得票が〇〇パーセントだから投票率が〇パーセント上がればひっくり返る・・・って、そんなことくらい細かな数字こそ知らないけれどみんな分かっている。問題は「どうやって」その投票率を上げるかなのに、とうとうと数字や理論を並べる。
ボランティアで関わっているグループでも近頃少々「男性の」論理に辟易している。男性の、にカギカッコを付けたのは、もちろん男性全てがではないし、女性だってそういう思考をしがちな人もいる。ただ比較的女性には現実論者が多く、理論をこねくって面白がるタイプは少ない。
やっぱり国会も議員の半分が女性になったら、かなり空疎な対面を繕った議論が減りそうな気がする。法曹界ももっと分かり易くシンプルになるかも知れない。もちろん霞が関だって例外ではないだろう。
少し話がずれてしまった。ただ、今日の交流会でひとつはっきりしたことは、だれもが「駅前での毎日のスタンディング」を大切に思っているということだ。寒いし大変だから回数を減らそうという意見は一つもなかった。なかには「もう毎日のスタンディングは病気だ」と言った人がいてみなの笑いを誘った。いつでも時間ができてその気になったとき、駅前に行けば誰かに会え、話ができる。このことがメンバーの一人一人にかけがえのない力のよりどころ、元気の源になっていることが感じられて、自分が”言いだしっぺ”なわけでもないのに、なんだかとても嬉しかった。
今日は交流会のあとお茶を飲んで時間潰しすることなく、Iさんと私の二人で5時20分頃からスタンディングを始めた。何だかいやに今日はプラカードをじいっと見ていく人が多いといぶかしく思ったが、やがて納得がいった。おそらく時間帯が違うので駅前を通る人の顔ぶれが違い、そのためスタンディングが珍しかったのだろう。
特に若い人たちが興味深げに見ていくことが多かったので、彼らの脳裏の片隅にでも私たちの姿が刻まれて、将来社会に深刻な問題が起こって困ったとき、「ああ、あのときあのおばさんたちは駅前であんなことしてたっけ、あの手法はどうだろう?」と思い出してくれたらいいなと思った。今夏の選挙で与党を止めなければならないのも現実だけれど、もしそれができなかったとしても、やはり100年後の結実を願って、一歩一歩行動するしかない!
ネット上で毎日愚かな人間どもに目覚めるよう呼びかけている吉田ななちゃんの
飼い主さんも、岐阜から今日の交流会に参加してくださいました。
「戦争に反対する肉球と仲間たち」