よんばば つれづれ

民主主義を機能させる、自立した「ひとり」でありたい

名画を見た後のよう『ラジカセ』三重発地域ドラマ

録画したままになっていたNHKのドラマ『ラジカセ』を見た。4月7日の放送なので、ちょうど1か月経ってしまっていた。

 

これまでもNHKの地方局制作のドラマには名作が少なくないけれど、今回のこの津放送局制作の『ラジカセ』も素晴らしい作品だった。消去せずに残しておきたい。

 

舞台は忍者の里、伊賀市。リストラされ、母も亡くなった実家に帰ってきて、古い家電などを集めて周囲からはゴミ屋敷と呼ばれる家で無気力に暮らす男(滝藤賢一)と、父親がいなくなった後、水商売で働く母親に邪険にされて暮らす少年との、ふれあいを描いている。

 

少年が男の所有する「ゴミの城」に執着するのは、そこにラジカセがあるからだ。少年が大切に持ち歩くポーチには、いなくなった父親と少年が一緒に写った写真と、一本のカセットテープが入っている。「しょういち・まき」とタイトルが書かれ、両親に関係しているらしいそのテープを、少年は聞いてみたいのだ。

 

古い家電とは濃密な交流をするのに、人間を相手にするとまともに目も見られず、うまく話すことができない男は、少年に対してもぎごちない接し方しかできない。けれども孤独な魂を抱えた者同士、だんだん距離を縮めていく。ある日、少年の母が結婚の約束をしていた男に振られてやけになり、少年に「あんたさえいなかったら!」と叫んでしまい、少年はいなくなる。

 

男は少年を必死に探し、父親との思い出の場所と聞いていたところで見つける。自分はいらない子なのだと傷ついている少年に、男は「いらないものなんてない」と、あることで証明してみせようとする・・・。

 

オール伊賀ロケの美しい映像に始まって、いずれ昭和ミュージアムをしたいという古いもの好きの男の収集物や背景に流れる音楽まで、なんとも懐かしく温かく心地よい。

 

出演者も家電オタクのダメ男を演じる滝藤さん、息子そっちのけで新しい男に傾くだらしない母の安藤玉枝さん(こういう役柄が見事にはまる)、男の行きつけのバー「くのいち」のママのキムラ緑子さんと、いずれも演技達者のはまり役で酔わせる。少年役の向鈴鳥くんも、母親を思って元気にふるまいながらも寂しさをうまくにじませ、素朴な雰囲気も良かった。

 

2016年にBSプレミアムで放送された作品らしいが、2017年の再放送に続いての今回の放送だったらしい。やはり好評なのだろう。この先、再再再放送があるかどうか分からないが、もしチャンスがあったら、お薦めです。

 

 

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7年前に友人から贈られたミニバラの鉢。姿かたちはすっかり崩れてしまったけれど、今年はたくさん花をつけている。

 

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これがいただいた時の姿。花があると必ずそばにいって気取ってみずにはいられなかったオーガスト