よんばば つれづれ

民主主義を機能させる、自立した「ひとり」でありたい

大人のドラマ『55歳からのハローライフ』

『55歳からのハローライフ』、あら熟年が主役?オムニバスっていうのもおもしろいじゃない、と思い見てみた。

1話目の主演はリリー・フランキーさんと戸田恵子さん。芸達者な方たちでますます期待大。でもそれがいけなかったか・・・。とってもおしゃれな家に住んでいて、奥様は絵を描くのが趣味で服装もそれらしく個性的で素敵だ。幻想シーンも現実も、画面はうっとりするほど美しい。なのになんか違う。心の上っ面を話が滑って行ってしまう。見終わっても何となく虚しさだけが残り、期待外れでがっかりし、以降見ないことにした。

で、1週ぬかしたが、結局3話目を他に見るものもないし・・・と見てしまったら、これはまあまあ面白かった。それで先日の土曜日4話目を見た。主演は小林薫さんと安田成美さん。かつての誇り高きトラック野郎、名うてのプレイボーイも、リストラされ今は小さな運送会社で働きうらぶれた生活をしている。趣味は古書店の100円均一本を読むこと。その古書店である日美しく気品あふれる女性に出会い心を奪われる。

古書店主は「いいとこの奥様風だがあの女は怪しい。金を巻き上げられないよう気をつけろ」と注意するが、男はどんどんのめりこんでいく・・・。



安田成美さんが美しく、可愛らしい。一人称は「ワタクシ」。近頃めったに聞くことのできない、何とも心地よい女らしく美しい言葉遣い。・・・と楽しく見ていたら、もうこれ以上男と会う訳に行かないと断るシーンで、彼女が「お察ししていただければと・・・」と言った。会えないと言う女に食い下がってすがる男に、これ以上は聞かずに察してくれという意味だ。

ああ、残念。それなら「お察しいただければ」だろう。「お察しして」では、お察しする、つまり謙譲語になってしまう。ここで彼女の上品さが演じているものだと表現したくてあえてこうしたのならかなり上級テクニックだけれど、それは話の流れからも、100パーセントないだろう。



美しい女はあくまでもまっすぐに生き、生きる気力も失った男には、もう一度自分の力を尽くせる場所を見出させるラストも良かった。ストーリーが良かっただけに、いっそうひとことの間違いが惜しまれる。