よんばば つれづれ

民主主義を機能させる、自立した「ひとり」でありたい

大田元沖縄県知事の戦争写真集と映画『ハクソー・リッジ』

数日前の拙ブログ「ヒルデおばあちゃんの戦争体験」を読んでくれたからか、友人が元沖縄県知事大田昌秀氏編著の『これが沖縄戦だ』という本を持って来てくれた。私は今日、沖縄戦を描いた映画『ハクソー・リッジ』を観に行くつもりで、昨日のうちに上映時刻を調べたりしていたので、不思議な偶然を感じた。

 

メル・ギブソン監督の『ハクソー・リッジ』は、これ以上ないほどの激戦を描いているというのでいささか躊躇していたのだけれど、SPYBOYさんの映画評を読んで、やはりなんとしてもこれは見ておかないとと思い、出かけることにした。戦闘シーンはもう激しすぎて「なにがなんだか?!?!?」という感じでわけ分からなくて、意外にも目を覆うほどのこともなく過ぎた。

 

さらに私にとって救いだったのは、兵隊同士の戦いばかりで、子供や女性や年寄り、動物などが犠牲になるシーンは一切なかったことだ。そして見終わった後、しみじみ戦争は殺し合うこと、どんな理由があろうと決して戦争などで解決を図ってはいけないという思いに満たされるが、気分は暗くはなくむしろ穏やかな気持ちに包まれた。

 

映画についてはいつも素敵な紹介文で、表面を浅く見ることしかできない私など、自分で見るよりSPYBOYさんの紹介文を読むほうが深く理解できるくらいなので、ぜひそちらのブログを楽しんでいただきたい。

d.hatena.ne.jp

 

SPYBOYさんのようにこまやかに深くは見られないが、それでもやっぱり自分の目で見て自分で感じることは大切だ。

 

いっぽう、『これが沖縄戦だ』のほうには、子供、女性、老人、おまけに取り残された家畜まで登場する。「義烈空挺隊員」の無残な写真など、遺体は少年のように見える。調べてみるとトップの大尉でさえ26歳とあるので、配下の120名の中にはさぞ若い人もいたことだろう。捕虜になり米兵の訊問を受けている「鉄血勤皇隊員」など、どう見ても子供だ。

(それにしても、どちらの隊もすごい名前だ。日本の戦い方を如実に表している。どこやらのおかしな国と妙に似た臭いを感じる。)

 

先日大田昌秀氏が亡くなった時に、氏が二度とあのような悲惨な戦争を繰り返さないようにと、終生取り組んでこられた活動がニュースや追悼番組で紹介された。大田氏のように、影響力のある立場にあって、ご自身が体験し強い信念をもって反戦の発言をしてくださる方が、どんどん少なくなっていく。

 

72年の、ありがたい平和な時代に生まれて生きてきた私たち。せめて映画や本で先人たちの味わった地獄を、いくらかでも知る努力、想像する努力を続けよう。語りたくない、思い出したくもない過去だったであろうけれど、体験者がつらい思いをしながら語ってくれたからこそ、私たちはその一端であれ、知ることができるのだ。

 

それから、忘れてはならない現在も続いている戦争。昨夜はシリアのアレッポ反戦を訴え続けている少女が紹介された。

www3.nhk.or.jp

 

バナちゃんに、私は何ができるのだろう。

 

 

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 映画についてひとつだけ、蛇足ではありますが・・・

「除隊しろ」というセリフが何度も出てきて、どうしても言葉に引っかかってしまう私としては、気になってならなかった。

除隊:服役中の兵が、服役を解除されること

なので、「除隊する」は権限を持つ立場の人が部下の兵役を解く行為を意味することになる。映画の場合、自分から軍隊を離れるように言っている場面なので、「退役しろ」か、すなおに「隊をやめろ」といった言い方がふさわしいと思う。

まあ、近頃こういう使い方はよく目にしますが。