よんばば つれづれ

民主主義を機能させる、自立した「ひとり」でありたい

憲法の誕生を描いた『日本の青空』上映会に参加

友人の車に同乗させてもらって、田原市マクロビオティックの料理教室などをなさっているMEGURIYAさんでの『日本の青空』上映会に参加した。

 

出版社の派遣社員である沙也可(田丸麻紀)は、憲法制定60周年の特集に企画を提案するよう上司に言われ、ここで頑張れば正社員になれるかも知れないと張り切る。家で食事しながら母親に話すと、母の母つまり沙也可の祖母が教師をしていた時、教え子に鈴木安蔵高橋和也)という人のお嬢さんがいて、その鈴木氏が憲法に関わった方だったようだと聞く。

 

こうして沙也可は「大スクープになるかも知れない!」と鈴木安蔵について調べていく・・・という沙也可のいる現代と、戦中戦後の時代を織り交ぜて描くドラマ仕立てになっている。

 

当時は、鈴木安蔵を中心とする民間人の憲法研究会の草案や、日本政府の作った草案のほかにも、いろいろな団体が様々な草案を作っていたことや、草案着手前の早い段階で、幣原首相が武力放棄の考えをGHQに伝えていたことなどを、この映画で知った。

 

政府の提出した案がまるでアメリカの考える民主主義になっていず却下された後こそ時間がなかったかもしれないが、鈴木安蔵らが草案を練る段階では十分時間をかけ、明治の自由民権思想や大正デモクラシーの精神も包含した、日本人によって作りあげられたものだった。

 

発言が大きく取り上げられ、繰り返し報道される立場にいる人が「押しつけ憲法、押しつけ憲法」と叫ぶことで、知らず知らず人々は「敗戦で押し付けられた憲法なんだ」と思い込まされつつある。この映画は10年前の作品だが、製作時よりはるかに、一人でも多くの人にこの映画を見てもらう必要が高まっていると思う。

 

時代に合わせて改憲する必要が生じたとしても、「押しつけだから何が何でも変えなければ!」と言って変えるのと、成立の経緯をきちんと知り、敬意をもって必要最小限を変えるのとでは、まったく違う。

 

さも汚らわしいものであるかのように「押しつけられたもの」と言われているこの国の憲法をきちんと知り、制定当時とはだいぶ乖離してしまった現実も踏まえて、どうあることがこの国にとって良いことなのか、冷静に時間をかけて、きちんと討論したいものだと思う。

 

物語を盛り上げる部分で史実ではないかも知れないけれど、治安維持法の第一番の逮捕者となった鈴木安蔵の清廉さに苦労した妻が、婦人参政権を喜び、「女性が投票すれば戦争などしない国になるに決まっている」という場面があった。現在の、女性の防衛大臣が率いる肥大してしまった集団を彼女が知ったら、いったい何と言うだろうか・・・。

 

 

 

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鈴木安蔵さんはAO153さんの高校の先輩なのだそうです。豊橋市にある愛知大学でも教鞭をとられ、その教え子の憲法学者金子勝さん(経済学のかたとは別人)が、ながいこと豊橋憲法講座(九条の会主催)をしてくださっていました。AO153さんと豊橋とは、安蔵先生繋がりでした。

 

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会場となった田原市のMEGURIYAさん。若いご夫婦が精力的に食べ物だけでなく、政治や経済の勉強会などもしていらっしゃいます。