よんばば つれづれ

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往々にしてヒトは自分の準備している答えしか受け入れない

昨日私たち豊橋スタンディングでは、先月の作品展の打ち上げも兼ねて、初めての親睦パーティを開催した。豊橋駅近くのホテルに、25人が集まった。

 

まずは、何とか体調が回復して参加した”言いだしっぺ”の挨拶。準備段階でどんな形式にしようか、座敷で宴会がいいか、ビュッフェか・・・と、あるメンバーに相談したところ、「スタンディングの会だもの、それはもちろんスタンディングでしょ!」と立食形式になりましたと言って、大いに受けた。

 

入会も退会もない自由なグループであり、毎日のスタンディングもその都度顔ぶれは変わるし、一緒になることがあっても顔は分かるが名前は知らないという人も多い。なかなかまとまった人数が集まってゆっくり話せる機会は少ないので、これまでの活動に対する思いや作品展に出品したものを中心に自己紹介をということになった。

 

人材豊富なスタンディングらしく、自己紹介も個性に溢れ、ときどき合いの手も入って和やかに楽しく進んだ。

 

そのなかに「京極」さんという人がいて、「よく名前を名乗ると元お公家さんでしょと言われるけど、まったくの庶民です。でもそう言ってもなかなか納得してもらえなくて面倒なので、だんだんハイ、そうですと言っちゃうことにしてます」と言って笑いを誘った。

 

語り終わると、「出身はどこですか?」と質問が飛んだ。「豊橋です」と答えると、「あなたはそうでも、先祖はやっぱり京都なんでしょ。この辺で京極なんて聞いたことないし」と言う。ずっとここだと言っても納得しない相手に京極氏、「でも明治期に勝手に姓を決めたでしょ」と説明していた。

 

面倒ね、次から出身も京都にしてしまおう。

 

 

 

人間って、結構人の話を聞かないものだ。スタンディングは世間一般の平均よりは、たぶんいくらか自分で考える人が多いのではないかと思うのだけれども、それでもこうなのだ。

 

よく人生相談のようなものを持ちかける人も、解決策など期待していないことが少なくない。なにか気の利いたアドバイスをしてあげなくては・・・と思って、「これこれこうしたら?」などと提案しても「でも・・・」と従うことのできない理由を延々と述べる人は多い。さらに真剣に別な方法を考えて「じゃあこうしたら?」と言うと、またしてもその方法にもやっぱり従えない理由を述べたてる。

 

要は、「そう、大変ねえ・・・」と聞いてもらいさえすれば満足ということが多い。ちゃんと答えはもう自分の中で決まっているのだ。たまたまそれに合致したアドバイスを受けた時だけ、「やっぱりそうよね~」なんて素直に納得する。

 

 

だから、人の考えを変えるなんてことはほとんどできないと思っていた方がいいのだろう。駅前で主張を書いたプラカードを持って立ったところで、同じような考えだった人はさらに思いを深くしてくれるかもしれないが、反対の考えの人が私たちの主張に耳を貸してくれることはほとんど期待できない。ただ、迷っていた人や無関心だった人の心に呼びかけることならできるかも知れない。

 

昨日、スタンディングの前の4時から6時まで会議を持ち、そこでスタンディングの30分は仲間同士のおしゃべりや情報交換はしないようにしようと申し合わせた。外から見た時にぺちゃくちゃ話しながら立っていたのでは、話の内容がどうであれ、真剣な姿には見えないから、30分間は真剣にスタンディングに取り組み、できれば通行人に挨拶の言葉をかけたり、署名を呼びかけるようにすることになった。

 

自民党公明党支持の人まで翻意させることは無理でも、今まで投票なんて行かなかったという人が、棄権することの重大な問題に気付いて投票所に足を運んでくれるように、また迷っている人に適切な判断の情報が渡せるように、これからもみんなで知恵を出し合い工夫を凝らして活動していきたい。

 

 

このところ少し気持ちが萎えかけていたけれど、昨日の打ち上げパーティーで、また少しエネルギー補給ができた。単純な私・・・。

 

 

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