よんばば つれづれ

民主主義を機能させる、自立した「ひとり」でありたい

古沢良太脚本に注目です

限界集落』が早々と終ってしまい、もうあとは『デート』だけですが、この『デート』がとてつもなく面白くなってきました。

『リーガルハイ』の脚本を書いた古沢良太さんの作品なので、期待はしていました。でも、杏さんがあまり好きではありません。ファッショナブルな身なりの役柄の時はさすがに見ごたえがあります(でもお正月の2夜連続のスペシャルドラマでは伯爵かなんかの若奥様だったけど、あまり・・・でした。たぶんトラディショナルな服装はダメなのでしょう)が、普通の服装だとあのスタイルがマイナスに働いてしまうし、演技も決してうまいとは思えません。


それがそれが、なんなんでしょう。どんどん盛り上がってくるこの面白さ!そしてまるで愛嬌のない堅物な役柄なのに、杏さんが可愛らしく見えてきました。


『リーガルハイ』の主人公の変人弁護士は、芸達者な堺雅人さんが演じたから憎めないんだ、と思っていたのですが、いまさらながら、脚本も絶妙だったんだなと痛感しています。拝金主義者で我儘ですごく嫌な奴なのに、ちゃんと愛されるように計算されていたのでしょう。そしてコメディとは言え、法廷ものだったこともあり嫌な登場人物(古沢さんらしく悪人も一面的な描き方ではなかったけれど)もたくさん出てきましたが、『デート』は脇役にいたるまでみんな魅力的なキャラクターばかり。笑わせてホロリとさせて、見終えた時にほんわりと心が温かくなっています。


限界集落』やこの作品などを見ると、ああ、まだまだテレビもドラマも期待してもいいかなと思えてきます。古沢さんは41歳。これからますます充実していくであろう彼の仕事ぶりを見られるのかと思うと、ワクワクします。



ドラマ冒頭のザ・ピーナッツが歌う「ふりむかないで」の曲も、私くらいの年代にはたまりません。そしてこの曲に合わせて踊る主役の二人のなんとお似合いで素敵なこと。長谷川博己さんもスタイルがいいので、杏さんとよく釣り合い絵になっています。このカッコイイ長谷川さんが、ドラマの中では冴えないぐうたらに見えてしまうのですから、長谷川さんの演技力も大したものです。


ストーリーもいいのだけれど、このドラマに詰め込まれている、オタクネタから「今どき女子(この言葉は嫌いだけど、こう言うしかない)」ネタまで、なんで古沢さんこんなことまで知ってるの?!と驚かされます。杏さんの発するお役所的難解な言葉の羅列、古今の映画や小説に対する論評、オタクの長谷川さんが集めているマンガのカテゴリ分けのギャグまで、随所に、好きな人や分かる人にはたまらない細かな遊びがちりばめられているようです。

『リーガルハイ』は通り一遍の勧善懲悪ではなく、社会事象への深い洞察や、美談で終わらない厳しい現実などを垣間見せて、楽しく笑いながらも見終わるとちょっと考えさせられる深さがありました。今度の『デート』でも、大いに笑いながらも、いつの間にか現代社会の抱える、若者の非婚化やニートといった難しい問題についても考えさせられるようになっています。



月9ドラマ『デート』と脚本家古沢良太さんの仕事、どちらもしばらく目が離せません。



主役二人の「ふりむかないで」のダンスシーンのある動画