よんばば つれづれ

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豊かな時代の栄養失調

昨夜『クローズアップ現代』で高齢者の栄養失調について取り上げていました。特に肉の摂取量が不足しているそうです。一時期、肉を多くとるとコレステロール値が上がり生活習慣病の危険性が高まると喧伝されたため、高齢者にとってすっかり肉は悪者という意識が染み付いてしまったようです。

私も少し前までは、いまさら体が作られるわけでもないし、潤滑油となるビタミンやミネラル類さえきちんと摂取できていればいいと思っていました。ところが年を取っても、元気に生活できる筋肉を保つためには、良質のたんぱく質を摂取しなければいけないと知りました。とりわけ夜の摂取が身体に取り込む効率が高いと知り、このところなるべく夕飯にはたんぱく質を欠かさないように心がけています。

高齢者だけでなく、近頃は若い人にも偏食や間違ったダイエットによる栄養失調が増えているようです。「くる病」などという過去の亡霊のような病名も耳にするようになりました。過度に紫外線に当たることを避けるようになったため、再び罹患者が増加し始めてきたようです。

私は昭和26年生まれ、小学校に上がった頃はまだまだ戦後の貧しさが尾を引いている時代でした。児童の栄養状態改善のため、学校給食が始まって間もない頃でした。一日の授業が終わると教壇の前にみんなで行列を作って、担任の先生から肝油(1センチくらいの黄色いゼリーと言うか、今で言うとグミのような食感だった)を貰った時期もありました。独特のくせのあるにおいがありましたが、当時は貴重なおいしいもののひとつで、2粒くらい貰うのを大切に食べた記憶があります。

日本の食事は肉や乳製品が足りないので西洋人に比べ体格が劣っている、だからもっと西洋的な栄養価の高い食生活をしなければいけない、と教えられました。そしてビタミンCが不足すると壊血病、ビタミンAはとり目・・・などと不足栄養素ごとに罹患の恐れのある病名を習い、その中に「くる病」もありました。

子供の時に覚えたことは骨身にしみてしまう、だから自分が家族の食事を用意する主婦になってからは、常に栄養ということは意識の中から消えたことはありませんでした。職場で自分の子どものような若いパートの女の子が毎日お昼にスナック菓子や菓子パンばかりを食べているのを見た時、豊かな時代に育った人は栄養が偏ってはいけないなどという危機意識がないのだと感じました。

やはり健康は薬でもサプリメントでもなく、食事が一番の基本です。栄養素のことまで分からなくとも、とにかくなるべく多くの食品を、しっかりよく噛んで食べることが大切です。そのためには歯や飲み込む力も大切です。この間友人とランチを共にしたとき、飲み込むための筋肉を鍛える運動というのを聞きました。うんそれも大切ねと思い、日課の運動に組み込みました。

こうしてだんだん日々のメニューが増えていきます。年寄りは退屈・・・なんて言っていられません。80になった頃にはどんなことになっていることやら?!