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よんばば つれづれ

民主主義を機能させる、自立した「ひとり」でありたい

重陽の節句

今日9月9日は重陽節句です。とは言っても、これはさすがに私が子どもの頃でも、もう我が家はもちろん世間でもとりたてて行事をしたりはしていませんでした。ただ親や年配者の口から「今日は重陽節句だ」という言葉だけは聞いた覚えがあります。そしてその「重陽」という言葉が九が重なることを意味しているという程度の記憶があります。

陰陽思想では奇数は陽の数で縁起が良いと考えるのだそうです。奇数の重なる月日は陽の気が強すぎて不吉であるため、それを払う行事として節句が行なわれていたとのことです。なかでも九は一桁の数のうち最大の「陽」であり、9月9日は特に負担の大きい節句と考えられ、重陽節句とか菊の節句と呼ぶ行事をして大切に考えていたようです。なぜかこの節句は時代の流れの中に消えてしまったようですが、今も3月3日の桃の節句や5月5日の端午の節句の習慣は残っていますし、祝儀にお札を奇数枚包む習慣もきっとこの考え方の影響なのでしょう。

菊酒、きせ綿、菊湯、菊枕、菊合わせといった風雅な楽しみ方があるようです。陰暦ならばちょうど菊の花が咲くのでしょうが、太陽暦で暮らす現代ではまだ家の庭などで菊の花は咲いていません。七草粥七草だの、菖蒲湯の菖蒲の葉、母の日のカーネーションなどなど、忘れていても折々ご親切に花屋さんやスーパーの店頭に並びますが、廃れてしまった菊の節句のこの日には、特に菊の花を売り込もうとする商魂も見かけません。それだけに、晩酌をなさる方なら、こよいおいしい日本酒に菊の花びらを浮かべてみるのも風流かもしれません。