よんばば つれづれ

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つくづく不思議な生き物のドキュメンタリー映画『猫が教えてくれたこと』

映画『猫が教えてくれたこと』を見に出かけた。豊橋では今日封切り。

 

観客は10人くらいか。意外と男性、それも年配の男性が多い。映画の中で、目じりを下げて猫をめでたり、世話をしたりしている人にも男性が多かった。そういえば、猫ってオス・メス関係なく我儘な女性を思わせる。このことと関係あるのだろうか。

 

映画はイスタンブールの町で暮らす人々と、猫たちとのかかわりを追ったドキュメンタリーだ。異国情緒あふれるイスタンブールの町の風景も美しく魅力的で楽しめる。人々は、飼い猫にしてしまうと、猫本来の魅力をなくしてしまうと言い、登場する猫たちはみな町猫として自由に生きている。

 

人々の行き交う通りを、猫も自由に歩いている。店先で、車のボンネットで、のんびり毛づくろいしている。その猫たちを優しく撫でる通行人。猫たちは安心しきって身を任せている。この町の猫たちは、人間に嫌なことをされた経験がないのだろうか。

 

カフェやら食料品店やら種々のお店が出てくるが、驚くことに魚屋さんですら猫を追おうとしない。餌をちゃんともらえるので、お店のものに手を出したりする必要がないのだろうか。猫と人との強い信頼と絆を感じさせるシーンだった。

 

餌の入った重そうな袋をいくつもぶら下げて歩く男性がいた。男性が現れると、町のあちこちからいっせいにたくさんの猫たちが集まってきて、男性の足の周りにまとわりついていっしょに歩く。おそらくいつも決まっているのであろう場所で、その猫たちに餌をやる。あちらでも、こちらでも・・・。全部で何十匹の面倒を見ているのだろう。

 

その男性は、「かつて精神的に参った時、猫たちに救われた。薬を飲んでもダメだったのに、猫たちが癒してくれた」と話していた。だから、こうして餌を配って歩くのは恩返しなのだと。

 

そんなのどかなイスタンブールの町にも、開発の波は押し寄せてくるようで、主な舞台になっていた市場が近々なくなって、新しい建物に変える計画があるらしく、人々はそうなったら今のように猫たちがのんびり暮らせなくなるのではないかと心配していた。

 

小さな事件の一つさえ起きず、ただ淡々と猫と人の暮らしの映像が続くだけの、猫好きでなければ耐えられないかもしれない作品だ。でも、人が幸せに暮らすとはどういうことなのかを考えさせてくれる。

 

 

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今年も始まりました、豊橋スタンディング+

昨日の3日から、駅前でのスタンディングが始まった。

 

毎月3日は、安保関連法が成立したのを受けて作家の澤地久枝さんが始められた「安倍政治を許さない」の抗議行動の日だ。開始当初はまだしも、この文言もあの統一プラカードの字面も、少々印象がきつすぎるきらいがあって、私はもうずいぶんこれには参加していない。したがって、昨日のスタンディングも私は参加しなかった。何人集まったのか、写真を見る限り、プラカードを掲げている人は多くないように思われる。

 

 

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変わらずに続けることが大事!と主張する人たちもいるが、私は社会のムードに合わせることも必要だと思っている。振り向いてもらい、一緒に考えてもらいたいと思えば、なおのこと、どう働きかけたら相手の心に届くのかを考えないといけない。

 

今日の東証終値は、昨年29日のそれから700円以上も値上がりしたそうだ。北の脅威で年末から年始あたりには株価が崩れ始めるという予測もあったけれど、今日のこれはご祝儀なのか、それとも今しばらくは好調が続くのだろうか。

 

三が日は過ぎたが木・金と出ればまた三連休で、まだまだお屠蘇気分の抜けきらない人も多そうだ。社会の本格始動は成人の日開けだろうか。いちおう、私は今日からNちゃんとの勉強を始める。まあ、365連休なのだから、威張るほどのことでもないけれど・・・。

健太郎くんの透明感が呼んだ感動『相棒 元日スペシャル』

初期のころの『相棒』は結構面白かったけれど、少々長く続けすぎたなと感じて、このごろはあまり見なくなっている。それでも、スペシャルだし、暇だし、ということで、録画しておいたものを見た。

 

ちょっとしたいたずら心で警察のコンピューターシステムに侵入した高校生3人組が、内閣情報調査室の審議官(鶴見辰吾)の野望に利用されていくストーリーだった。審議官やその部下安田(梶原善)、捜査する警察組織(大杉漣)など、大人の側の権力の濫用や自己保身の薄汚さと、まっすぐな高校生たちとの対比が出色だった。

 

とりわけ、高校生3人組のリーダー格の上条喬樹を演じた健太郎君の透明感が素晴らしかった。自分たちを追い詰める安田に「警察は強いものの味方だ、正義などはない」とうそぶかれ、大人社会の汚さに憤る若者の心の痛みが見る者の心を揺さぶり、それゆえに逮捕シーンで右京さんが彼を説諭した言葉もいっそう輝きを増したように思う。

 

右京さんが犯人に語りかけた素晴らしい言葉。魂がふるえるようだった。久々に右京さんが格好いいと思えた。

「正義は人間が考え出したもの。根の弱い人工の植物のようなもの。その存在を望み、大切に育てる人が居なくなればたちまち枯れてしまう。不正に呑み込まれて、力のない人間は押しつぶされてしまう」

そして、ズタズタになっている喬樹にたいし、君にはその正義を育てる人になってほしいし、君ならなれると信じていると語りかけた。聞いている健太郎君の表情がまた良かった!

 

この健太郎君を初めて認識したのは、ドラマ『私 結婚できないんじゃなくて、しないんです』で、ヒロイン中谷美紀さんの初恋の相手(チュートリアルの徳井さん)の高校生時代を演じた時だ。輝きを感じた。

 

その後『仰げば尊し』で吹奏楽部の部員を演じているのを見て、なぜこの子がこんな端役なんだろうと思った。けれども、彼の魅力はだんだん認められたようで、つい先日まではNHKの『アシガール』でヒロインが惚れ込む若様役を演じていたようだし、今回は名物番組『相棒』の元日スペシャルで準主役だった。今年はもっとブレイクしそうな気がする。

 

 

それにしても、近ごろの若手俳優や子役の演技の達者さには感心させられることが多い。若い人たちとカラオケに行ったとき、複雑な音階とリズムのはやりの曲を、皆こともなげに上手に歌うのに驚いたことがあった。生まれた時から音楽に囲まれて育つので、リズム感や音感が磨かれるのだろうかと思ったものだが、演技にしても同じようなことが言えるのかもしれない。

 

魅力的で、今後の成長が楽しみな若手の俳優さんがいっぱいいる。脇にいてくれるとドラマが引き締まる、魅力的なバイプレーヤーもたくさんいらっしゃる。良い脚本や演出とかみ合って、魅力的なドラマが生まれることを期待したい。

 

 

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『きょうは会社休みます』でとってもいい味を出していたマモルくん。

今年は戌年だし、犬が活躍する(犬に負担のない範囲で)ドラマなんてのもいいなあ・・・。

明けましておめでとうございます

すでに元日の夜を迎えてしまいました。遅ればせのご挨拶で恐縮ですが、今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

昨年は内科的にはあまり問題なかったものの、右の股関節に起因する足の不調に悩まされました(軽くはなったものの、現在も未解決)。これは背骨や筋肉に問題があるにしても、おそらく運動量が少なすぎることも影響しているのではないかと思います。

 

よって今年はもう少し体を動かさねば・・・と思い、一年の計は元旦にあり!と、葉書を投函がてら少々ウオーキングを試みました。

 

穏やかに晴れた良い元日だことと思っていましたが、外に出てみると冷たい北西風がたいそう強く吹いていて、情けないことに決意はすぐに砕かれて、大した距離も歩かないまましおしおと帰宅してしまいました。

 

だいたい、豊橋というところは年間を通じて風の強いところです。15年間津軽で育った息子たちが、豊橋に転居してきて最初に迎えた冬、「豊橋って寒いね」と異口同音に申しました。風が強いことによる、体感温度の低さゆえの言葉でしょう。

 

そんな「強風当たり前」の土地で、元旦から冷たい風に負けているようでは、今年の私も思いやられてしまいます。去年は元日からスタンディングがあり、私は和服を着て参加、そのまま確か10日過ぎくらいまで着物で過ごしたのでした。

 

初日から情けないことになってしまいましたが、今年はなるべく体を動かすという、いささか軟弱ではありますが、これを個人的な目標にしたいと思います。

 

国内外ともに現実的には難しい問題が山積していますが、なんとか世界中の人々が平和な世界を想像して、たとえ1ミリずつでも、理想の世界に近づいていくよう願います。

 

 

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                            「ねこトピ」様のサイトからお借りしました

今年も一年ありがとうございました!

更新のたびに読ませていただいているブログ仲間の皆さんも、多くは昨日あたりまでで年内の更新を終えられている。帰省した息子一家もあわただしく帰ってしまい、今年も一人の年越しとなって暇な私は、のんびりと大晦日に今年最後の更新をする。

 

昨日までで今年の記事は250を数えている。2015年、2014年についで三番目の数だ。当たり前だろうが、仕事を辞めてからぐっと更新回数が増えている。今年もつつがなくブログを綴っていられたわけで、これもありがたいことだ。

 

誰も見てくれる人がいなくても、自分の記録として書かずにはいられないだろうが、皆さんが訪問してくださって、さらにコメントを下さったりするので、とても励みになる。現在の私の生活のなかで、大切な張りあいの一つになっている。

 

ご訪問くださった皆様、コメントをくださった皆様、今年も一年本当にありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

皆様が良いお正月をお迎えになることを祈り、新しい年が少しでも穏やかな年になることを祈りながら、本年のブログを終えることにいたします。

 

 

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ありがとうごニャイました

 

 

追加します!

marcoさんが珍しいお酒の画像をたくさんアップしていらしたので、marcoさんに贈ります。この辺りでは人気の、奥三河の関谷酒造の「しぼりたて」。お酒の好きな嫁が喜んでいました。

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これは取り寄せた時の写真なので、後ろに時期のずれた飾り物が・・・。

 

 

 

 

 

今年最後のスタンディング

今日は今年最後のスタンディング、10名の参加だった(私は都合で終了数分前にかろうじて到着し、写真だけ撮影)。

 

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写っていないけれど、手前で署名などの呼びかけをしているメンバーが3人いた。

 

4時から30分のスタンディングをして、そのあと都合のつく8人が、近くの喫茶店でミーティングをした。来年のイベントに向けての意見交換だったのだが、”言い出しっぺ”の提案した今回の企画は、なるべく柔らかく、多くの人を巻き込みたいと、今まで以上にユニークなものだからか、疑問の声や否定的意見が多く、1年目2年目にやってきた形に固執する人も少なくないし、なかなかまとまらない。

 

いよいよ押し詰まって、帰宅を急ぐ人もいたため、まとまらないまま散会となり、来年への課題となった。もう少しきちんとした形になったら、ご紹介したいと思っている。

 

帰り道、北西の冷たい風が強く吹き付け、気温はさほど低くないのかもしれないが、体感的にはかなり寒かった。

 

 

仲良し夫婦の心地よい物語『春子さんの冒険と推理』柴田よしき著

この1年だけでも、どれだけのカップルが不倫で話題に上っただろう。だいたい不倫なんて当事者だけの問題で、ニュースとしての価値などあまりないと思うのだけれど、需要度が高いのか暴きたがる出版社あり、テレビは呆れるほど追っかける。

 

うんざりするようなニュースの多い現世を忘れ、なんとも気持ちの良い夫婦の物語を読んだ。主人公はもと看護師の春子さん。プロ野球二軍選手の園田拓郎と結婚し、アスリートの妻を全うするため専業主婦になる。

 

プロ野球選手も一軍ならば年俸も高額だし、奥様はもと女子アナウンサーとかモデルとかタレントと、たいてい美人と相場が決まっている。けれどもこの夫婦はシーズンの終わりが近づくと、戦力外通告をされないかと心配する夫と、ごく平凡な妻のカップル。

 

しかし夫の拓郎は誠実そのものの人物だし、春子もいつも夫を第一に考え、同性の友人との付き合い方にも誠意があふれ、まさにいつも春風が吹いているようなのどかでほほえましいカップルだ。

 

夫の仕事を除けばじつに平凡な園田家の周囲で持ち上がる、ちょっとした事件や謎。たいていの人がへ~とは思ってもさして気にも留めず流してしまいそうなことに、春子さんはまじめに向き合っていく。そして推理を働かせて解決する。

 

一般的なミステリーと比べれば、派手さも奇抜さもない事件ばかりだ。春子さんの謎解きの次第も、買い物しながらだったり料理しながらだったりの、のどかなものだ。でも、それがこの物語の魅力でもある。

 

平凡でも毎日心を込めて誠実に暮らす気持ちよさ。人を思いやる温かさ。それはもちろん周囲の人を救っていくのだけれど、その人自身にとっても、結局そうしたことが幸せをもたらすのだ。

 

そんなのほほんとした春子さんが、様々な人とかかわるなかで、夫第一に考えていたのは本当に夫のためになることなのかという疑問を感じ始めたところで物語は終わる。作者は続編を書きたそうで、読んだ私は、この素敵な夫婦の今後もぜひ見守りたいという気になっている。

 

 

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