『一九四五年の少女』澤地久枝著

ー私の「昭和」−と副題にあるように、『妻たちのニ・二六事件』を始めとして数多くの戦争にまつわるノンフィクション作品を著してきた著者の、戦後昭和の総括のような本である。敵であるアメリカ兵の遺族から、戦争中に自分と同じような少女期を過ごしたドイツ女性に会いに行く。政治的主張とその影響力故に殺されたビクト…