よんばば つれづれ

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7歳の優しさを見習いたい

今週は見守り当番で、今日はその最終日だった。始めに3年生とおぼしい集団が行き、しばらくすると可愛らしい集団が見えてきた。1年生らしい。

 

と、最初に私たちの立つ横断歩道に到着した女の子が、私に何か訴える。声も小さく言っていることも要領を得なくて分からない。意識的にゆっくりと「なあに?どうしたの?」と問い返すと、「あのね・・・ころんだの・・・」と後方を指さす。

 

見ると男の子が座り込んで泣いていて、みんなが周りを取り囲んでいる。駆け寄って声をかけると、本人は泣くばかりだが、周囲の子が「あたま痛いんだって」などと教えてくれる。おでこを打ったらしく、うっすら赤くなっている。手も痛いらしく、男の子は泣きながら右手で左手をつかんでいる。

 

何とかしてあげたいが、なるべく手をあけておきたいので、黄色い旗を持つだけで出てくるため、絆創膏も何もなく、励ますことしかできない。少し体格のいい女の子が、「私が一緒に行ってあげるから、頑張って歩こうね」と手を引っ張る。別の女の子が、落ちて飛んだらしい黄色い帽子と家の鍵を「ハイ」と手渡す。泣きながらも男の子は立ち上がって、女の子と手をつなぎ、周りをみんなに囲まれながら横断歩道を渡り、帰っていった。

 

大人の世界では、水に落ちた犬にこの時とばかり石を投げつけるような輩も少なくない。落ち目になった人をたたく。一度騙された人を、助ける顔をしてさらに騙す。被災した無防備な家から物を盗む・・・。反撃力の弱いところを餌食にする。税金すら取りやすいところから取る世の中だ。

 

今日の1年生たちは、誰一人転んだ子を笑う子はいなかった。みんなその子を心配し、帽子や鍵を拾い、励ましながら一緒に歩いて行った。6、7歳のころには、みんなこんなに優しかったのだなあとしみじみ思った。

 

 

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                    (写真はネット上からお借りしたもの)