よんばば つれづれ

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琵琶の生演奏を楽しむ

金曜日、国際協力コスモス会の日。今日は歌舞伎について、豊橋素人歌舞伎保存会に長年所属していて、歌舞伎について詳しいHさんが話をしてくれた。

 

同会の今年の定期公演の演目でもある『忠臣蔵』・『鏡山旧錦絵』・『矢口渡し』の物語の解説が中心で、時代物特有の言葉も多かったため、今日参加した外国の人たちはみな日本語が堪能な人ばかりだったけれど、それでも内容を理解するのは少々難しかったようだ。

 

歌舞伎の筋から派生して、日本の恥の文化や、周りと同調しようとする傾向の強い国民性などに話が及んだ。昔は茅葺屋根をふき替えるときなど集落の人が総出で作業したので、仲良くしていないと生活に支障をきたす。それで周りから突出しないようにとか、仲間外れにならないようにとか気を使ったのだろう。

 

そこで、村八分にされると、そうした共同作業をしてもらえないが、葬式と消火活動だけはそれから外されていた。それで「村十分」でなく、二つを除いた「村八分」なのだ、という話が出て、私を含めた何人かは「なるほど~」とすっかり感心してしまった。今日の今日まで、村八分という言葉がなぜ「八分」なのか考えてみたこともなかったが、そうした謂われがあったとは・・・。

 

コスモス会のときは、葬式とあとひとつ何だか忘れたけど・・・という話だった。家に帰ってから調べたら、そのもう一つは消火活動であることが分かった。葬式はぐずぐずしていると臭い始めたりする、火事はもちろん延焼の恐れがある、という非常に合理的な理由にまたまた深く納得した。

 

思いがけない雑学を得た歌舞伎の話の後、Hさんが一昨年から習い始めたという琵琶演奏を披露してくれた。長年歌舞伎や謡をなさっているHさんは、発声は十分できているので歌は堂々としたものだし、琵琶の演奏もとても1年ちょっととは思えないものだった。

 

外国の人たちには歌舞伎の話は少し難解だったかもしれないが、Hさんのおかげで珍しい琵琶の演奏を楽しんでもらえて良かった。人数が少なかったのはちょっと残念だったけれど。

 

 

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豊橋素人歌舞伎保存会の定期公演のチラシ

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私も3、4年前に一度腰元役で出演させてもらった 

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