よんばば つれづれ

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ヨーロッパの働き方、ブラックな日本の労働

昨日は神奈川から姉が墓参りに来た。梅雨に入ったというのに連日好天続きだったけれど、昨日にかぎって朝からどんよりの空模様。雨になると足下が滑りやすくなるから中止にしてもいいよと電話しようかと思ったが、やっと出かけてくる決心をしたのだし、空模様もなんとか午後までは持ちそうな予報だったので、予定通りの時刻に合わせて駅に迎えに出かけた。

 

なんとか雨の落ち始めないうちに墓参を済ませ、姉のお気に入りの我が家の近所のフランス料理の店はあいにく予約がいっぱいで取れなかったため、寿司店でお昼にした。ここはたしか私がまだ結婚する前に開店した店で、当初「いいらしいけど高い」という評判があった。それでも何十年も続いているのはそれだけの価値があるからだろう。

 

期待にたがわぬ上品で美味しい料理と寿司を楽しんで、そこから徒歩で数分の我が家に場所を移し久々のおしゃべりに花を咲かせた。今の暴走政治に始まって、こんな政治でもあまり国民の不満の声が上がらないのは何故だろうという話になり、どうも日本人は忙しすぎなのではないかということになった。

 

姉は仕事の関係でベルギーにしばしば行く(今年喜寿を迎える姉は、年のせいか海外旅行が億劫になったようで、近頃はあまり行っていないようだが)し、姉の息子は何年かベルギーに家族で住んでもいたのだが、あちらは付き合いなども夫婦単位で、仕事からいったん戻り、子供をシッターに預けて夫婦で出かける。飲むにしても、帰宅してから家の近くの店に出かけて飲む。会社の帰りに飲み屋にひっかかって、妻は家でイライラ待つ日本とはまるで違う。

 

ベルギーにいたその甥っ子は、大学時代にはオーストラリアに1年留学した。弟がいる間にと、姉である私の姪っ子が、職場の休暇を取って遊びに行った。一週間して日本に帰ることになると、現地の人たちが、「はるばる日本から来たのに一週間で帰るなんて!」と、とても驚いたそうだ。日本では一週間休暇が取れるのは恵まれた職場なのだけれど。

 

商品の仕入れの注文メールを姪っ子に頼んだら、「今メールしても、バカンスのシーズンだから、どっちみち当分対応してはもらえないわよ」と言われたこともあると言う。

 

またベルギーに行ったとき、日曜日に買い物に出かけたところお店がみな休んでいた。日本人の感覚ではなぜ日曜日なのに休業するのかと思うが、抜け駆けをする店もなく皆たいてい休むようだし、営業日でも、夕方閉めるのにかなり早くから片付け始め、ウロウロいたら申し訳ないようだったと言う。

 

日本人も「健康で文化的な最低限度の生活」を営む権利は憲法で保障されているのだけれど、「最低限度」というのはどの程度を言うのだろう。ベルギーのような生活、あるいはオーストラリアのような休暇の感覚は、この権利には当たらないのだろうか。いや、そこまで求めないにしても、健康を維持できないほどの長時間労働は、そもそもこの憲法に反していると思うのだが、日本人はどうも抗議したり、権利を主張して勝ち取るというのが好きではないのか。

 

そうして、基本的人権もきちんと主張せず、しっかり手に入れることもないまま、いまやその人権を剥奪されかけている・・・。

 

ただし、私自身は日本から一歩も出たことがないし、甥っ子がベルギーに住んでいたのも、姉がよく仕事で出かけたのも大分前のことなので、いまはあちらの状況も変わっているかも知れない。それに統計の数字だけを見れば、ヨーロッパの失業率より日本のそれの方がはるかに小さい(ブラックな働き方をしているのに、失業率も低いというのは、移民の受け入れ数が極端に少ないことと関係があるのだろうか)ので、単純な比較はできないのかもしれない。

 

日本の労働状況も、学校の状況も、豊かになったのならどちらも以前より良くなっているのが当然なのに、改善どころかかえって悪化し厳しくなってさえいるように思う。自分たちの社会を、受け継いだ時より少しでも良くして次世代に手渡したいものだけれど、このような状態で、しかも暗い要素だらけの未来を添えて若い人たちに手渡さなければならないことに、とても申し訳ない気がする。

 

だから、たとえ微力でも、大海のひとしずくであっても、自分にできることを・・・との思いで様々な活動をしてきたのだけれど、それさえも共謀罪で恫喝される時代になってしまった。ひるんではいられないと思ってはいるけれど。

 

 

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こんな世の中を残して「ごめん寝」。byドリーム

 

 

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ごめん寝2。byドリーム

 

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ネット上より、みごとな「ごめん寝」。