よんばば つれづれ

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墓参と梅見とそして老人介護。

先週あまりの寒さにひるんで繰り延べにした墓参に。ちょうど今日は母の月命日だ。去年も一日違いで行っている。去年の梅の写真と比べると、今年のほうが少し花の咲き具合が遅いようだ。初めのうちは暖冬だったけれど、この頃になって寒いからだろうか。数日暖かい日が続けば、ぐっと開花も進むことだろう。

 

去年のブログ 

墓参と梅まつり、それから食べ物 - よんばば つれづれ

 

今年の梅。これはかなり咲いているほう。

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梅の枝越しに東屋を望む

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どうしても、「花より団子」!

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この梅園はそばに老人の施設があるので、いつ行っても若い職員に引率されたお年寄りたちが見物に来ている。今日も私の目の前の床几に、5人のおばあさんと2人の若い女性スタッフがいて、優しく面倒を見ていた(上の写真はその人たちが去った後のもの)。老人介護施設を舞台にした事件が話題になっている今、こうした介護に携わる方々はいい気持ちはしないだろうなと思う。

 

塾の仕事は、通ってくれている生徒を連れて引っ越すわけにはいかず、当地に戻って職探しを一から始め、資格も能力もないくせにわがままでこらえ性のない私は、このあとも20年弱の間に片手に余る職場を経験し、老人介護の職場も2つ見た。そうして分かったのは、働く人の個人差があるのはもちろんだけれど、施設ごとにカラーというか、雰囲気があるということだった。

 

はじめの職場は、認知症のお年寄りをばかにするスタッフが多くなじめなかった。通勤もとても不便だったので思い切って転職したのだけれど、後のほうの職場は真剣に介護の仕事に取り組んでいるスタッフが多く、施設によって雰囲気がずいぶん違うことに驚いた。前の職場より待遇面も良かったが、それでも男性スタッフは給料が安いと嘆いていた。おそらく介護保険の導入後、さらに労働環境は悪化しているのではないかと思う。

 

ハローワークの求人情報をインターネットで見れば、福祉関係の求人だらけだ。その慢性的な人不足は驚くばかりだけれど、それ以上に驚くのは待遇の悪さだろう。

 

このところ保育園の不足に怒る声も話題になっているようだが、ここにも保育士の待遇の悪さという問題が潜んでいるらしい。

 

介護職や保育士の待遇が悪いのは、世の「お偉い」方々がそうした仕事を軽く見ているからだろう。安倍政権などあからさまに「家族で解決しなさい」と言っている。つまりプロフェッショナルに相応の報酬を払ってしてもらう大切な仕事だという認識がないのだ。

 

私が当地の社会福祉協議会のヘルパーの採用試験を受けたとき、面接で、おそらく天下りであろう社協のエライサンの面接官に「お金など二の次の、奉仕の精神がなくてはできない仕事ですよ」と言わんばかりのことを言われた。何十年と日本の福祉関係はお偉方のこういう意識で動いているから、現場の問題は少しも解決されないのだと思う。おそらく医療の現場も似たようなものではないだろうか。

 

医療も福祉も、現場で人間と対する人には優しさがあってほしいとは思うが、質の高い労働には高い報酬を払うべきで、奉仕の精神とか犠牲を求めるのは勘違いも甚だしい。ならば偉い政治家こそ犠牲的精神や奉仕の心を発揮してもらいたい。福祉にかかわる省庁や外郭団体のお偉い方々こそ、奉仕の精神で、何度目かの退職金や高い給料など返上してほしい。

 

 

 

風雅な梅見の話から、なんとも貧しい我が国の福祉の話になってしまった・・・。