よんばば つれづれ

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『代表的日本人』でも内村鑑三でもなく、若松英輔さんという人、そして猫

「100分で名著」に触発されて『代表的日本人』を読んだ。そして確認できた。私があの番組にあんなに感動したのは、西郷隆盛の人柄でも、『代表的日本人』を書いた内村鑑三でもなく、解説をした若松英輔氏に対してだったのだ。

 

どうしてあれほど深く読むことができるのだろう。

 

ネットの情報から若松氏の若いころの新聞記事を見つけた。

 

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この記事によると、若松氏はハーブを調合した健康食品を製造・販売する中小企業経営者となっている。その仕事の傍ら「井筒俊彦」の評伝を書いて評判を呼び注目されたようだ。そして、現在では「批評家」の肩書がついている。会社経営はやめて文筆業で立たれたのだろう。

 

この新聞記事からも、すでにこのころから若松氏が文献を深く読む人であることがうかがえる。「100分で名著」の1回分、たった25分で魂を揺さぶられるような思いを味わった。それはどこから来るのだろう。氏の読みの深さか、人柄か。

 

クリスチャンだという。けれども、どちらかというと私は宗教的な色の濃いものには反発を感じることのほうが多い。内村鑑三の筆致にもかなり抵抗を覚えたし、『代表的日本人』の中でも日蓮上人の部分は一番なじめない感じがした。

 

4回シリーズの番組の最後に若松氏は、「自分なりの代表的日本人5人を上げて、その人について書いてみるといいですよ」と言い、ご自分にとっての5人の一番に、亡くなった奥様を上げていた。

 

今度は若松英輔氏の著作を読んでみたいと思う。

 

『代表的日本人』については、日本人の教養として読んでおくにこしたことはないし、昔の日本の教育がなかなか本質的なものであったことなども考えさせられるし、今の時代への示唆にも富んでいる。しかし、内村について知るにはもう少し他の著作も読まなければならない。そして私は内村についてより、若松英輔という人のほうが知りたくなった。

 

 

話は変わるが、老猫ドリームの不調について書き、皆さんにご心配いただいてしまったけれど、順調に回復し、今日はもうほぼ全快といった感じに見える。

 

どうやら年のせいで耳も遠くなり、鼻もだいぶ効かなくなっているようだ。人間も匂いが分からないと味が変わるのだから、近頃の彼女の偏食はその影響もあるのかもしれない。

 

母が同居していたころ、私が帰宅するはるか前に猫たちが察知して玄関に飛んでいく、大した能力だとよく感心していた。それがいつの間にか、オーガストは全く来なくなっていた。それでもドリームは少し前まで、ドアを開けるとお出迎えに来てくれた。それが近頃まるで来ない。私が居間のドリームの寝ているベッドのところまで来て、やっと気が付くというふうだ。名前を呼んで反応が鈍いのも、認知症より聞こえが悪いせいかもしれない。鳴き声がやたらと大きいのも、やはりその影響だろうか。

 

味覚も変わり、歯も悪くなっているのだろうから、やはり偏食は大目にみてやることにしよう。たった2キロちょっとの老猫が何を食べたところで、我が家の財政が破たんすることはあるまい。

 

 

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PEACE展の作品。高校の教師の方が教え子たちに「平和とは」というテーマで付箋に書いてもらったもの。ハートを形作る一枚一枚の付箋に若者たちの考える平和の定義が書かれています。