ひきずる
次男が自分のブログに100歳猫のことを書いていた。
もちろんいつかは来るとわかってはいました。それがそろそろ近いこともわかってはいました。昨年11月に法事があり実家に帰った時は、まだそれまでとそう変わらないように見えて安心していたのですが、12月からいっきに老衰していったようです。12月半ばに届いた母からの便りにもその片鱗が綴られていたというのに、それでも私は「まさかまだそんなことは」と思ってしまっていました。1月5日0時40分、母からのメールが届いた時、仕事に翻弄され、日々に追われ、その知らせを全くの不意に感じてしまった自分がいました。覚悟など、まるでできていなかったのだと今は思います。仔猫だった彼女と出会った時、私はまだ高校生で、バスケに明け暮れ、ロックにもバンドにも目覚めていない頃でした。思えば本当に長いお付き合いです。高校を卒業し、大学に入学し退学。フリーターをしながら実家で音楽活動への夢を温め、やがて名古屋に引っ越して本格的に音楽活動を開始。10年以上の音楽活動を経て、サラリーマンの今に至る長い長い約20年間。波乱万丈な私の人生は、あなたの目にはどう映っていたでしょうか。
友達と騒いだり、うるさい音を鳴らす楽器を持ってきたり、見知らぬ女性を連れてきたり、犬を連れてきたり、泥酔して夜中に急に現れたり。さぞかし滑稽だったでしょうね。
彼女はこの約20年間何も変わりませんでした。やんちゃな仔猫時代はあったにせよ、でも彼女は基本的には何も変わりませんでした。賢く、美しく、神経質で、ちょっとドジ。彼女はずっとそうでした。語弊を恐れずに言えば、これまで私が経験した中で一番一番悲しいお別れです。さよなら、メイちゃん。いつも抱きしめると嫌がるあなたをもう一度抱きしめたかったよ。最後に会いに行けなくてごめんね。たくさん迷惑かけてごめんね。なのにいつも癒してくれてありがとう。ありがとう、メイちゃん。天国で永遠にやすらかに。
肩を組んだ先輩はもういない。
拾われてからずっと二番手だったのに、突然の主役。ドウシマショ。
ま、いつも先輩より大きな顔してはいたんですけどネ。
先輩は人間には強気なんだけど、なぜか猫のアタシには譲ってくれたので・・・。