よんばば つれづれ

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フィンランドの教育日本の教育

昨日、ユネスコのメンバーで、初めて行なった中学校の出前授業について反省会をした。今後に向けて改善するため、お忙しい先生方には申し訳ないのだけれど、来週ご意見を聞きに学校に伺うことになっている。なるべく効率的にお聞きできるよう、こちらの要点などをまとておく必要があった。

1回の出前授業をするために、準備と反省とでかなりの回数ミーティングをする。学校側とも事前打ち合せをするし、パネルや資料の展示もお願いするので、先生方にとっても結構負担にはなると思う。それでも毎年受け入れてくださる学校もあり、ありがたいし、私達の出前の内容が評価されていると思うととても嬉しい。果たして来週中学校ではどんな評価をいただくか、ちょっとドキドキする。


その反省の話し合いが終わった後、メンバーの一人からフィンランドの教育について話が出た。かの国の教育はいまや世界一質の高い教育として知られる。けれども現在の教育システムが取り入れられてからはまだ3、40年しかたっていない。

「天然資源もない小さな国でしたが、人材こそ財産であると国として判断し、国民にこそポテンシャルがあり、築く基礎があると考えました。そして、我々は持てる資源のほとんどを教育に投資することを決めたのです」

これはフィンランドの教育を担当する大臣の言葉だ。政治が長いスパンで国家を考え大胆な決断をすれば、このように劇的に変わることができるという好例だろう。フィンランドと日本は国土の大きさは似たり寄ったり、天然資源がない点も同じ。ならば同じことができるはず。

メンバーの中にニュージーランドで娘さんご一家が暮らしている方がいて、ニュージーランドの教育の様子も聞くことができた。やはり日本よりかなりのびのびとしている。その娘さんは日本での中学生時代、全国一の吹奏楽の部活に属し、1年365日休みなしのものすごいスパルタの指導を受けたそうだ。音楽が好きだからこそ吹奏楽部に入ったのだろうに、もう楽器を見るのもイヤ、という状態になってしまった人も少なくないとか。

本来のミーティングを終了しての雑談はあちらこちらに飛びながらも、みな教育や平和に熱い思いを抱く人ばかりなので、すっかり夢中で話し込み、さてソロソロ・・・と腰を上げた時はもう5時近かった。日が長くなって明るいため、うっかりしてしまった。気楽な一人暮らしの私はいいとしても、家族の待つ主婦は帰宅してからさぞ忙しかったことと思う。


夜、少々興味を覚えてフィンランドニュージーランドについて調べてみた。



                日本     フィンランド   ニュージーランド
人口(万人)         12734        545        448  
GDP(億ドル)          4898        267        181
GDPに対する教育費      3.6%        6.3%       6.1%
同じく軍事費        9.4%        9.7%        8.3%
失業率           4.0%        8.2%       6.2%
       スキルがないため文字が整わずすみません   

丁度軍事費(日本は防衛費)については似た数値。

でも教育費は圧倒的な差。フィンランドではこの教育費のほかに、女性が妊娠すると新生児に必要なものが一式無料で支給とか、手厚い保護もある。

失業率は日本が優秀。ただ就業者の労働環境の良し悪しは比較できていない。
フィンランドは若年層の失業率は20%にものぼる。それから徴兵制がある。女性は志願制。
ニュージーランドも兵役は志願制らしい。


日本も資源のない国で、今まで均質で良質の労働者が作り出す、高品質な生産品で経済大国の地位を勝ち取ってきた。工業生産が労働力の安い国に移り、ロボットや人工知能がかなりのことをしてしまうこれから、教育も大きく変わらなければ日本の未来はない。人こそが資源、財産なのだから。しかも少子化。どこに厚く予算を充てるか、私達国民の選択に委ねられているのだから、しっかり考えなくては!