よんばば つれづれ

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まちの居場所づくり ー2−

3月に参加した「まちの居場所づくり」大学(そのときのエントリはこちら)の次のステップとして、市が開催した交流会(すでに運営している方とこれから始めようとする人の)に出席した。

30人ほどが8つのグループに別れ、それぞれのグループに2、3人すでに運営に関わっている方が入り、さらに市の職員が1人ずつ付いた。そうして始めるときの問題点や不安に思っていること、開始してから出てくる問題などを話し合った。

私のグループには、2008年から県営住宅の集会所で月に一回カフェを運営している男性がいて、とても積極的に発言していらした。その方によれば、とにかくあまりあれこれ考えていないで一歩踏み出すことだそうだ。どんな会場であれ、その場所に合った運営の形を考えればいいと言う。

でももうひとりの女性の方は、やはり利用者の中にはどんな話も引き取って自分の話にしてしゃべりまくる人もいれば、一方で話したくても話せない方もできたりするとおっしゃった。その方のところではくじ引きでいろいろな種類の話題をふって、みんなが話せるようにしたそうだ。

喫茶の運営だけでなく、グループに登録したサポーターがいて、通院や家事の援助など介護保険で行うようなサポートを有償で提供して喜ばれているというところもあった。スタッフに看護師、保健師、ヘルパー等の経験者がいて、もともと高齢者支援事業をしていた団体が「居場所」の運営も始めたという経緯のようで、なるほど充実しているわけだと納得した。簡単にはまねできないが、こういう施設が増えれば、利用者としては介護保険利用の制約の多いサービスだけでなく、選択肢が増えていいのではないかと思う。

市の職員は、なかなかこうして話しているだけではイメージしにくいかもしれないので、どんどん見学に出かけてくださいと言う。たしかに今日お互いに顔を合わせたことで、見学も頼みやすくなったと思う。市としては、多少補助金なども考えているようだが、こうして市民が自助努力で支え合ってくれれば、財政面で非常に助かるだろう。今まではとにかく立派な箱モノを作ってそこに収容するという方向が主流だったのだろうが、どこももうやりくりが大変なうえ団塊世代の大量後期高齢者の出現が迫っている。

コンクリートから人へ。望ましい方向転換だと思ったのにそう唱えた政党はあっけなくコケてしまった。けれどもその発想は間違っていない。コンクリートは極力耐震強化や維持管理に回して、お金は人を育てることに使うほうがいい。行政に不必要に頼らない自立した市民を育てるには、いましばらく手とり足とり教える必要があるだろう。いったん育てれば、新しい文化、慣習として次の世代へと受け継がれていく可能性もあるのだから。


しかし、私自身が今日の交流会で一歩踏み出す決心ができたかというと・・・、まだまだ不安。