よんばば つれづれ

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Eテレの語学番組の宣伝で

秋元才加さんが「ぜひご利用していただきたいです」と言っていた。秋元さんが言い間違ったのか、原稿自体がそうなっていたのかわからないが、とにかく外国語を学ぶ前に日本語を学んだほうがいい。

「ご利用いただきたいです」とするか、いっそ「利用してほしいです」とすれば良かったのだけれど。自信がなかったら、無理して敬語を使わないほうが無難だ。「ぜひ利用してください」で何ら問題ないと思う。

「お○○する」はとても間違い易い言い方なのだが、よく使う言葉で考えれば分かり易い。「お待ちしています」なら待つのは自分だ。相手に「お待ちしてください」とはいくら現代でもあまり言う人はいないだろう。「お待ちください」と言うはず。「お」をつけたら「する」を入れると謙譲語つまり自分の側がへりくだる表現になってしまう。

近頃はとにかく文句をつけられることを恐れて、へりくだり過ぎておかしなことになっていることが多い。実は不遜な政治家が、本心を見透かされまいと過剰にへりくだった言い方をするが、過ぎるとかえって不愉快なものだ。

たまに営業関係の電話などを取ると「ただいまお時間少々いただいてもよろしかったでしょうか」と来る。「はい」と答えると「ありがとうございます」。「○○様ご本人様でしょうか」「はい」「ありがとうございます」。ご丁寧も過ぎて、この調子で一つ聞くごとに「ありがとうございます」を聞かされないと進めないのか?とイライラしてしまう。

10年ほど前になるが、会社の経理ソフトのメーカーの講習に参加したことがあった。インストラクターの敬語が過剰かつ間違いだらけでとても気持ちが悪く、次からはとてもその言葉に耐えて講習を受ける気にはなれなかった。

コンビニ敬語ということが言われて久しいが、いまやコンビニやファーストフード店に限らず、どこの職場(上場企業でさえ)でもちゃんと接客用の言葉遣いの指導のできる人材がいないのだろう。だとすればEテレも外国語だけでなく、日本語(外国人対象の物でなく)が学べる番組を語学番組に加えてくれないだろうか。

しかし、たとえ日本語の講座ができても、日常の世界で生きて使われていなければ、しょせん浸透させるのは無理なことだろう。ここまで崩れてしまったら、もう流れにあらがうことなど難しい。こうしていちいち目くじら立てているのは愚かなことかも知れない。

これが食べることだったなら、好みに合わないお店には行かないとか、嫌いな食材なら取りのけるとかできるけれど、言葉は聞こえて来てしまうので厄介だ。テレビもラジオも聞かないとなると、一人暮らしの家からは言葉が消えてしまう。いっそ呆けて言葉の間違いなど気にならなくなれば・・・。でもそれにはまだしばらく時間がかかりそうだ。困ったこと。。。