よんばば つれづれ

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『真夜中のパン屋さん』好きです

昨夜また8時過ぎに元の職場の後任者から電話がありました。前回私が10時に就寝していることを話したので、まさかまたおとといのように長くなることはないだろうと思ったのですが・・・甘かった!途中十分話し終わったと思うタイミングに何回か「じゃあ・・・」と言ってみたのだけれどまた話し始めてしまい、10時を過ぎてもまるで切る様子はありません。とうとう10時半頃「ごめん、○○さん、もういいかな?」と言ってしまいました。

今朝目覚めたら6時。さいわい薄曇りだったのでそれからウオーキングをしましたが、天気の良い日だったらもう陽ざしが強くてできなかったでしょう。



月曜日の彼女の電話で見逃した『ガリレオ』をその後見てみましたが、見るまでもないひどい内容でした。福山さんパワーか、視聴率は結構いいようですが、今シリーズは第一回目からあまり内容はよくないように思います。『容疑者Xの献身』は原作といい映画といい素晴らしかったですが、物理学で殺人事件を解決するというコンセプトで何回も作るのはそもそも難しいのかもしれません。以前音訳ボランティアをしていたとき、与えられる本が良いときはこちらの気分も乗って気持ちよく作業できるのですが、本がつまらないとかなり製作する意欲が落ちて辛い作業になったものです。こんな脚本では福山さんといい吉高さんといい力入らないだろうなあと、演じる役者さんが気の毒になったほどでした。

話し相手もいない一人暮らしなので、時間つぶしにテレビを結構見るようになりました。タレントが遊んでいてギャラをもらうような安易(と私には思える)なバラエティは嫌いなので、ドラマ中心の視聴ですが、近頃時間つぶしでも見る気にならないような作品が多いようです。今クールもどんどんどうでもいいやという気になってしまうものが増えていく中で、次回が楽しみなドラマに『真夜中のパン屋さん』があります。主演は滝沢秀明くん。ものすごくきれいな男の子だけど、こういう子が年取ったらどうするんだろう・・・なんて思っていましたが、私の心配など要らないお世話、いつのまにかとっても素敵な三十代に成長していました。夜中に営業する不思議なパン屋「ブランジェリークレバヤシ」のオーナーで、周囲の訳ありの人々を温かく受け入れていく主人公がとても似合っています。何も話さなくても静かに微笑んでいるだけで、見ている方に優しさが伝わってくるような雰囲気があります。こんなパン屋さんがあったら、真夜中だけの営業でも女性が長蛇の列を作るでしょうね。

もうひとつ、あまり期待していなかったのですが『空飛ぶ広報室』も次回が楽しみな作品です。同じ公務員でも警察官は一週間に何本ものドラマが放送されるのに、自衛官ってたまに刑事物の犯人になることはあっても、ドラマのメインにはほとんど取り上げられずに来ました。その新鮮さもあるかもしれませんが、登場する自衛隊員が皆それぞれに魅力的で生き生きとした人物に描けています。いまどきこんなに純情な若者いるんかいと思うほど恋愛に不器用な主人公二人の恋の行方には、60過ぎのおばさんもハラハラドキドキしています。

不運のパイロットを演じる綾野剛さんは不思議な俳優さんです。すごく二枚目というのでもないし、そんなに力を入れて演じているという感じでもないのに、いつも役のその人物そのものにしか見えなくなってしまいます。ちょっと前に『最高の離婚』でありえないくらい女たらしな役を演じていてもうピッタリ!だったのに、今回はまたありえないくらい恋に不器用な自衛官がもうピッタリ!なのです。同じ日曜日の8時台には悲劇の会津藩主で、9時になると純な自衛官に変身しています。続けて見ても違和感も感じません。『最高の離婚』で綾野さんと共演していた瑛太さんも若手の演技派だといつも感心しますが、瑛太さんが「演技派」と感じさせるのに対して綾野さんは「演技派」とは感じさせないのです。なんだか「演じている」、ましてや「熱演している」感じがまるでしないのです。時代物の松平容保はさすがに「軽み」は感じませんが、現代物の綾野さんはどうも肩の力を抜いてひょうひょうとやっているようにしか見えません。私だけの勝手な思い込みでしょうか。この方もこれからどんな風に年を重ねていくのか興味深いものがあります。

総じて近頃の俳優さんは(子役も含め)みんなとても芸達者になっていると思います。女言葉や家庭内の敬語が生きていた時代の日本語に触れたくて古い日本映画を見たりしますが、大俳優、大女優、と言われる人たちの演技に少なからず驚きます。一本調子であったりいかにも演じていますという感じだったり、何を演じても俳優その人にしか見えなかったり・・・。生まれたときから音楽に浸って育ってきたからか、複雑なメロディーの歌を上手に歌う若い人たちの音感の良さにいつも舌を巻くのですが、同じように、生まれたときからテレビドラマなどに触れ続けてきているからなのでしょうか。ただその一方でどうも優れた脚本家はあまり育っていないように思えてなりません。いくら演技陣に魅力的な顔ぶれが揃っていても、やはりドラマは脚本が一番大切なように思います。小説家、役者、などに比べて脚本家というのはあまり面白みがないのでしょうか。原作は悪くないのにドラマになるとさっぱり・・・というものは多いようです。