よんばば つれづれ

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ETV特集『辺野古 基地に翻弄された戦後』と昨日書き忘れたもう一つ

録画しておいたETV特集を見た。昨日の講演会の会場でも案内があった『辺野古 基地に翻弄された戦後』だ。

 

島民の四人に一人が犠牲になったという沖縄戦に始まって、終戦後も27年間もアメリカの統治下におかれ、土地は勝手に接収されて基地を作られ、ベトナム戦争が激しくなればその基地をさらに広げられ、戦争が終われば多くの米兵が帰還し、荒廃した町が残った。しばしば女性や子供がアメリカ兵の暴力の餌食になるが、犯人は地位協定に守られる。

 

1995年、米兵の婦女暴行事件をきっかけに基地反対の運動が盛り上がるが、県民投票をしようと何をしようと、相手は巨大な力で重要な住民を懐柔して人々の分断を図る。反対する人は近隣の人とさえ気まずくなり、どっちみち基地建設を止めることなどできないのなら、最終的につぶされる前に、より有利な条件で受け入れた方が得策だと考えざるを得ないようになっていく・・・。

 

沖縄に限らず、日本各地に不条理な苦難を押し付けられた地域があるけれど、沖縄ほど長い間苦しめられているところもないだろう。それでも、本当にその選定が妥当であるのならまだしも、当のアメリカも沖縄でなければならないと考えているわけでもなく、しかも現在土砂を投入している場所は、軟弱地盤があって工期も費用も予定が立たないという理不尽さだ。そんなことのために豊かな海を失う住民の人たちは、どんなに腹立たしく、また悲しいことだろう。

 

 

昨日の元山さんの講演会で、沖縄の人たちは中国や朝鮮半島の脅威を感じているかという質問があった。それに対して元山さんは、実際問題として尖閣など漁師の人たちも燃料費がかかりすぎてあんなところまで出かけないし、それらの脅威より米兵の脅威のほうが、よほど日々身近に感じていると仰った。このことも深く胸にささったのだけれど、うっかり昨日は書き忘れてしまった。

 

基地の騒音に悩まされることもなく、日常的に日本の法で裁けない犯罪におびえることもなく暮らせている幸運な私たち。どこかで何かが違っていたら、自分の地域が背負わなければならなかったかもしれない重荷を、沖縄の方たちが背負い続けている。このことを、自分のこととして考えていかなければと思う。

 

 

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                ミースケ(@wTIRrawabAWm4Pg)さんのツイッターからお借りしました