よんばば つれづれ

民主主義を機能させる、自立した「ひとり」でありたい

「いちにじゅうパジャマでもいいみらい」とか、『それしかないわけないでしょう』ヨシタケシンスケ著

大人にも人気の絵本作家、ヨシタケシンスケさんの作品。

 

私が子供のころの未来は、いつもバラ色だった。今、未来のことを考えると、日本はもちろん、世界に目を向けても、想像される未来は暗い。60年前に比べて現在の社会は物質的には豊かになったけれど、子供たちや若い人々に明るい未来を夢見させてあげられないことに、いつも申し訳なさを感じていたけれど・・・。

 

 

お兄ちゃんが学校で友達に聞いてきた。未来の世界は大変なことばっかりなんだってさ。人が増えすぎて食べ物がなくなったり、病気や戦争、宇宙人が攻めてきたり、地球が壊れるかもしれない・・・。

 

女の子はびっくりしておばあちゃんの部屋に駆け込む。お兄ちゃんがこんな風に言ってた・・・。おばあちゃんは「だーーーいじょうぶよ!」とほほ笑む。大変なことだけじゃなくて、楽しいことや面白いこともたくさんあるよ。大人はすぐあれとこれどっちにする?って言うけど、どっちも違うなって思ったときは、新しいものを自分で見つけちゃえばいいのよ!

 

そっか、ふたつとかみっつしかないわけないもんね。

そうよ、それしかないわけないじゃない!

 

すっかり安心して意を強くした女の子がお兄ちゃんの部屋に行って、ふすまを「スパーン」とあけるところや、「おとしたいちごをギリギリでひろってくれるみらい」というところがなんだかとっても面白く(今風に言うと「ツボにはまって」)ププッとなってしまった。女の子のお兄ちゃんも「あははは、いちごをひろってくれるみらいっていいね!」と言っているので、私の精神年齢はお兄ちゃんくらいかもしれない。

 

大人はついつい知識や経験から型にはまった考え方をしてしまいがちだが、ヨシタケさんの絵本はそんなガチガチ頭にスコーンと風穴を開けてくれる感じだ。「人生はレストラン、注文したものしか出てこない」とも言う。未来は暗い、暗い・・・と言っていれば、暗い未来になってしまうだろう。

 

女の子の夢想する奇想天外な未来に、小さな子たちはキャッキャと笑いながら、考え方の幅を知らず知らず広げられるだろう。苦しい現実に胸ふさぐ大人が読めば、ヨシタケさんのプラス思考に非常に励まされると思う。

 

 

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