よんばば つれづれ

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広大な平城宮跡を歩く

今年も校区老人会のバス旅行の季節が来た。おととしは2人、去年は3人で参加したのだが、なぜか今年は私の町内の会から8人もの参加申し込みがあり、私を含め9人となった。結局1人が旅の前日に体調を崩し、参加できなくなってしまったけれど、うちの会から8人、総勢で40人だった。

 

どこの老人会も新たな加入者がなく、会員は高齢化するばかりで、年々旅行に行くのが難しい人が増え、旅行の参加者は減少の一途だという。あまり参加者が減れば催行自体難しくなるので、うちの会の結成で校区からの助成金を他の会から削り取る形にはなったが、歴史の浅い我が老人会の参加者で旅行の延命に貢献できれば、ちょっと嬉しい。

 

前日が大変な雨だったので、そのまま雨が上がらなかったらどうしようと心配したが、旅行日和に恵まれ、誰も具合悪くなったりけがをしたりすることもなく無事に帰ってきた。皆さんたくさんの土産を買いこまれ、帰り道は持ちきれないほどの荷物を持つ人もいた。

 

年金暮らしでバス旅行に参加できる健康に恵まれ、めいっぱい土産を買い込む仲間たちを見て、つくづく現代の高齢者の幸せを実感した。20年後、30年後の高齢者はどんな生活をしているだろうか。今朝のニュースでは、政府が希望する人が70歳まで働き続けられるようにするための制度案を取りまとめたことを報じていた。

 

さて、今年の目的地は「世界遺産の都 古都奈良」。といっても、老人向けの日帰りバス旅行のこと、目的地で過ごせる時間はそんなになく、見物するのは春日大社平城宮跡の二か所だ。春日大社は、バスを降りたらガイドの先導でささっと本殿にお参りしてすぐ昼食。修学旅行生と外国人、特に中国人観光客の多さを改めて痛感した。

 

平城宮跡では朱雀門のところでバスを降り、希望者は大極殿へ。かなり距離があり高齢者には少々きついので、朱雀門付近の展示施設などを見て過ごすのも自由ということだった。往復1.6キロ、のんびり歩く時間的余裕はないが、私は大極殿のスケールを実感したいと思い、挑戦することにした。

 

かなりの速度で前を行く男性2人と女性1人のあとをついていく。後ろは・・・と振り返ると誰もいない。結局40人のツアーメンバーのうち、大極殿まで歩く選択をしたのは、この3人と私の4人だけだった。

 

広大な平城宮跡を、昼下がりの強い日差しのもと懸命に早足で歩いた。

 

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例によって日差しの中ではスマホの画面は真っ暗で構図がさっぱり分からず、やみくもに撮影しているため、うまく大極殿の壮大さが捉えられていない。かろうじて階段の先に人が写っているのが大きさを測る物差しになろうか(ここは確か、2010年吉岡秀隆さんが吉備真備を演じたドラマ『大仏開眼』のロケに使われたように思う)。

 

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大極殿内の高御座(たかみくら)。これもドラマに出てきたような・・・。

 

 

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広大な平城宮跡。正面は現在復原工事中の南門の覆い。この広場の中を電車が走っていて、大極殿までの経路の途中に踏切があるのにビックリした。

 

股関節の手術をしたことで、この広い遺跡をかなりの速度で歩くことができた。朱雀門の階段は、私の短い脚ではやっと届くというくらいの段差の大きなものだったが、それもなんとか昇り降りできた。取り戻した右足の自由を痛感した旅だった。

 

 

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奈良の鹿は人慣れしすぎて厚かましいような印象を持っていたが、思っていたよりおとなしく可愛かった。

 

 

追記 朱雀門で配られた地図に「址」という字が使われていたので、それに倣ったのですが、改めて調べてみると、ここの正式名称は「国営平城宮跡歴史公園」のようですので、全て「平城宮跡」に訂正いたしました。