昨年は兄を亡くしたので賀状をやめ、寒中見舞いを出した。喪中はがきは出さなかったので、ほとんど例年通りに賀状をいただいていて、私の寒中見舞いがそれら賀状へのお礼を兼ねるものだった。
にもかかわらず、たまたま手術に触れる内容をしたためた友人から、思いがけないお返事が来た。B5サイズの封筒で届いたので、なんだろうと思いながら封を開けると、学生時代と変わらぬ美しい文字で、濃やかで温かな文章が綴られた手紙と、私の世代には懐かしい内藤ルネさんと中原淳一さんの絵柄のクリアファイルと、いわさきちひろさんのポストカードが出てきた。
「あどけないものと、懐かしいものをお送りします。
痛みが軽減されますように
心が軽やかでありますように
お祈りしています。 かしこ」
という優しい言葉とともに。
殆どの相手には手術のことに触れなかったのだけれど、この友人は小学校からずっと一緒だった気安さで、つい寄る年波の表現で書いてしまった。心配をかけてしまったが、でも、お陰で私はこの寒の季節を乗り越える力をもらった思いだ。
メールやラインの「あけおめ ことよろ」は便利で手軽だけれど、しみじみ肉筆の手紙の力を感じた出来事だった。
私の送った寒中葉書