よんばば つれづれ

民主主義を機能させる、自立した「ひとり」でありたい

頭ポンポンされるようなドラマ『僕らは奇跡でできている』

秋のドラマは入院中にスタートしたので、退院後に録画しておいたものをまとめて観ることから始まった。どうでもいいなと思うものが多かったなかで、『僕らは奇跡でできている』と『昭和元禄落語心中』の二つはずっと楽しみに見ている。

 

『昭和・・・』のほうは主人公の落語家八代目有楽亭八雲(岡田将生)が、真面目で不器用で生きづらそうなさまに胸が締め付けられる。反対に『僕らは・・・』のほうは「いいんだよ。君は君のままでいいんだよ」と頭を優しくポンポンとされるような心地よさを感じる。

 

けれども、こちらも主人公の相河一輝(高橋一生)に、「自分が嫌いで毎日泣いていた」という過去があるらしく、不器用で生きづらい子供時代があったようだ。どうやら来週あたり、現在は思い切り規格外れの自分を肯定できて、のびのびと生きている一輝が、なぜ毎日泣いているような子だったのか、そのあたりが描かれるようだ。

 

今までにもたくさんの優れた作品を書いてきた、橋部敦子さんの脚本だ。そして演者も主人公の高橋さんや、小林薫さん・戸田恵子さんはもちろん、箸休めのように挟まれる蟻の研究者役の児嶋一哉さんまでそれぞれ良い味を出しているし、毎回出てくる一輝がフィールドワークをする森のシーンも、美しい映像と音楽で心が洗われる。

 

主人公は刑事でも弁護士でも医者(いや榮倉奈々さん演じる歯医者は出てくるが、あくまでも自立して働く女性の仕事としての位置づけで、「医療もの」ではない)でもなく、恋愛要素もあまりないが、家族で安心して観られる良質なドラマになっていると思う。

 

ある程度数字が取れそうな類型的な作品が多い民放で、『僕らは・・・』のような新しいタイプのドラマに挑戦したことは評価したい。今までもそして今期も、作品の質と視聴率は必ずしも一致しない。視聴率も見直す必要があるとかあてにならないと言われて久しいが、やはりまだまだ様々な指標になっているようだ。だから数字はふるわないらしいこのドラマを、ちょっと応援したくて取り上げてみた。

 

 

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一輝の友達カメのジョージと。(画像はウェブ上からお借りしました)