よんばば つれづれ

民主主義を機能させる、自立した「ひとり」でありたい

ドキュメンタリー『72時間 マグロ漁師の短いバカンス』

録画しておいたNHKテレビの『72時間』を見た。今回は「マグロ漁師の短いバカンス」ということで、撮影地はスペインカナリア諸島の人気リゾート地にある港だ。世界中の漁船が立ち寄る港だという。そこで、おもに日本の漁船の乗組員をカメラは追っていた。

 

船は一度日本を離れると、マグロを追って世界中の海で漁をし、一年くらいは帰らないという。このスペインでの寄港は、北大西洋での漁を控えて船の修理や給油を行うためらしいが、乗組員たちが心待ちにし ているのは数か月ぶりの地上でのバカンスだ。

 

日本の漁船ではあるが、乗組員には外国人も多い。いまやこうした外国人抜きには、漁の仕事は成り立たないようだ。でも、そうした外国人相手でも漁労長や先輩漁師が、無理に英語などを使おうとせず、バンバン日本語(それも標準語でなく高知弁など)で話すのが面白い。一緒になった他の国の船の乗組員とも、日本語とジェスチャーで朗らかに交流している。海の男たちの自信や逞しさが感じられる。

 

最初、停泊している日本船を撮影していたNHKクルーを見つけた人が、「Wituout permission! You are TV crew?」と険しい顔をした。スタッフが「NHKなんですけど・・・」と言うと途端にその漁師は「じゃあ、いいや」と笑顔を向けた。遠い外国の地で思いがけなく出会う同胞は、きっととても嬉しいものだろう。

 

特に印象に残ったのは、番組の終わりのほうで紹介された18歳と17歳の二人の若い日本人乗組員だ。15年ぶりの新人だと漁労長が目を細めていた。18歳の子は、「養護学校を卒業したあと行くところがない」と言っているのを聞いた漁労長が誘ったらしい。本人は、「自分は弱いから、陸(おか)にいたら(つらい時)きっとすぐに逃げてしまう。でも海の上なら逃げられないじゃないですか。だから・・・」と言っていた。

 

海の上にもつらいことや苦しいことがいっぱいあるだろうけれど、頑張って逞しいマグロ漁師になってほしい。

 

 

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NHKのサイトより。若い頃はかなり「ヤンチャ」だったと仰っていた漁労長。なかなか「男前」だった。