読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

よんばば つれづれ

民主主義を機能させる、自立した「ひとり」でありたい

映画『ザ・トゥルー・コスト』を見て考えるファストファッションの真の代償

本、動画等感想 暮らし 社会のこと

先週、友人に誘われて、先日『日本の青空』を見に行った田原市のMEGURIYAさんにまた映画を見に出かけた。今回は『ザ・トゥルー・コスト』という服飾業界の裏側を追ったドキュメンタリーだ。

 

映画は美しいモデルたちが、ファッションショーでランウェイを颯爽と歩くシーンから始まる。どこの国でも、ファッション業界と言えば華やかで夢に満ちている。けれども、その裏側で、その華やかな世界を支えるために搾取され続けて苦しんでいる女性たちがいる。

 

とりわけ、近頃大人気のファストファッションと呼ばれるもの、有名どころではH&M、FOREVER21、ZARA、ユニクロなど。これらのブランドの信じられないような安い服は、発展途上国の女性たちの劣悪な環境と条件のもとでの労働に支えられている。

 

f:id:yonnbaba:20150212141322j:plain

 

2013年4月にバングラデシュ・ダッカのラナ・プラザという縫製工場が倒壊し、1,100人以上の死者、負傷者2,500人以上の大惨事となり、初めて世界はこうした華やかなファッション業界の裏の事実に直面した。 この事故をきっかけに、この映画が作られた。

 

上にあげたファストファッションブランドのうち、私はユニクロの製品を数年前に何点か購入したことがある。安いということは知ってはいたが、実際にお店に行って商品を見て、生地や縫製の割には本当に信じられないほどの値段だった。その陰には賃金の安い国の方たちの労働があるのだろうと思ってはいたが、映画の伝える真実はさらに衝撃的だった。

 

そして私がもっと驚いたのは、廃棄される服が行き着く先の、目を覆いたくなるひどい状況だった。

f:id:yonnbaba:20150213140630j:plain

 

日本の衣料品の廃棄量は年間100万トンにものぼるとか。安いので気軽にどんどん買って、そしてまたどんどん捨てている。それが大変な自然破壊につながっている。上の写真はまだましなほうで、映画にはもっともっと恐ろしい映像が出てくる。そしてそれらのもたらす害の影響を受けているのも、発展途上国の人々だ。

 

 

f:id:yonnbaba:20150213122102j:plain

オーガニックコットン畑で薬剤を噴霧する作業員。

 

f:id:yonnbaba:20150213141553j:plain

アメリカの農場の女主人。オーガニックコットンを作っている。彼女のご主人は50歳で亡くなった。大量に使う薬剤の影響だと彼女は考えている。そのような不健康な栽培をやめたくても、採算をとろうと思うとやめることは難しい。私は「オーガニックコットン」と表示されたものは、農薬など使っていないものと思っていた。でも、初期の頃はそれなりに高価だったが、近頃は不思議なほど安価なものが目に付く。こういうことだったのだ。

 

 

こうしたファストファッションのいっぽうで、エシカル・ファッションやフェア・トレードを謳った「ピープルツリー」というブランドがあることも紹介していた。嬉しいことに、このブランドは日本で始まったということだった。それにしては、画面に登場して話をしていたのはアメリカ人ばかりだったけれど(日本まで取材に来れなかった?)。

 

あくどく利益を追求する企業はもちろん悪いが、ものの正当な価格をわきまえず、ただただ安いものに喜んで飛びつく消費者にも、大きな問題があるということを気付かせる映画だった。

 

食べるもの、身に付けるもの。私たちはもっと自分の体が真に求める良いものを見極め、適正な必要量を知り、良いものを大切に取り入れる賢い消費者にならなければ、いずれ自分の足を食べるという愚かなタコになってしまいかねない。

 

 

f:id:yonnbaba:20170219190916j:plain

ラナ・プラザの崩壊         (写真は全て映画の公式ホームページより)