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よんばば つれづれ

民主主義を機能させる、自立した「ひとり」でありたい

文化と芸術と秋を味わう一日

暮らし 四季 社会のこと

古文書講座の日の今日は、朝9時に家を出た。NHK文化センターで、享保年間の田や畑の検見に関する文書を読んで、1時間半の講義は終了。

 

そのあと、隣の豊橋公園内の美術博物館に併設されたレストランでお昼を食べ、開催中の「NIHON画―新たな地平を求めて―」を鑑賞する。これも、この間の山下清展と同じく、市の市制施行110周年の企画で、さらに今回は美術博物館リニューアル記念も加わった企画展だ。

 

リニューアルは展示室が一つ増え、その展示室前には天井まで二面がガラス張りの明るくて贅沢な空間ができていた。また、美術博物館前の庭園の噴水池がなくなり、噴水が直接地面に設置される様式になっていた。これは噴き出す水に直接触れられるようにするためとか。季節によって噴水のパターンなどが変わるらしいが、今日は寒い季節でもあるせいか、ごく平凡な噴水だった。

 

福田平八郎、東山魁夷、片山球子、平山郁夫加山又造・・・などが日本画に新風を吹き込むべくさまざまな表現に挑んだ1950~60年代を起点に、これでも日本画?と思うような前衛的なものまで、戦後それまでの日本画の在り方に危機感を持った画家たちが展開した様々な試みを、段階を追って見せる展示になっていた。

 

福田平八郎の「雨」や秋野 不矩の「ガンガー」にまた会えたのも嬉しかったけれど、なんといっても今日は杉山寧の「仮象」に出合えたのが収穫だった。色が素晴らしくて見たとたんに惹きつけられてしまった。ネット上に画像はあったが、あの微妙な色の魅力はモニター上ではまるで伝わってこない。

 

満ち足りた気分で美術館を出ると、公園の一角で年配のグループが写生をしていらした。今日は少々北風が強かったが、木々の紅葉はとてもきれいだった。

 

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写真ではとらえきれていないが、ハゼノキの紅葉が実にとりどりの色合いできれい。

 

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魁夷の「樹根」を思わせる、みごとな根を張る木。

 

 

今日はこの後もう一つ予定があるのだけれど、時間に余裕があるので、いつもは路面電車で駅まで戻るのを、散歩がてらブラブラ歩いて行くことにする。

 

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地元ではホットケーキで知られる老舗の喫茶店。NHK文化センターから豊橋駅への道筋にあるので寄りたいのだけれど、講座のある水曜日は定休日なのでいつもお休み。今日は祝日だからか営業していた。ラッキー、市電に乗らないで良かった!

 

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出窓からは市電通りが見える。

 

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かわいい季節の飾り物。

 

 

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キリマンジャロとプレーンなバターホットケーキを注文。テーブル席が三つあるだけの小さな店内。豊橋は昔は喫茶店の多い街だったのだけれど、今はすっかり少なくなってしまった。しかもスターバックスとかタリーズとか、セルフで落ち着けない新しい形式の所が多い。でもこの店は低くクラシックが流れ、カウンターの中で丁寧に一杯いっぱいドリップしてくれる、昔懐かしい喫茶店。お値段はランチより高くなったが大満足。

 

 

そうして本日最後の予定。当地の民進党衆議院候補者である関健一郎氏の会が主催する「豊橋の文化を考えるシンポジウム」へ。豊橋市出身の画家でフランスで最も権威あるレジオンドヌール勲章(でも、なぜか舛添要一氏も受賞しているんですよね)を受賞した松井守男さんの講演と、そのあと関氏、弁護士の菊地令比等氏を加えてパネルディスカッション。松井氏は特にこどもの教育のことを熱く語り、日本は一つの価値観にはめようとしたり、偏差値のようなつまらない基準で縛り、伸びる芽を摘んでいるということを繰り返し言われた。

 

負けないということは、未来のために妥協しないこと

文化とは心の叫びが叫べること

 

という言葉は印象的だった。

 

せっかく当地出身の世界的な画家が居ながら、豊橋はそれを生かせていない。私も今年ガス会社のモニターになり、系列会社の経営するホテルの見学の時に、そこには何点もの松井画伯の作品が展示されているのでたまたま知ったのだけれど、その時まで寡聞にして世界の松井画伯を存じ上げなかった。現在京都や横須賀など、他の地からいろいろな企画の申し出があるとのことで、関氏がよそにとられないように地元でも頑張りましょうと呼びかけた。

 

松井画伯は「豊橋に、世界に羽ばたくような芸術家を育てる絵画の教室を作ります」と力強く約束してくださった。

 

家に帰り着くと6時。今日は文化と芸術にどっぷり浸る一日となった。

 

 

この春、ホテルを見学した時のブログ。

松井画伯の作品の写真もある(例によって写りは悪いけれど)。

yonnbaba.hatenablog.com