今朝のニュースのコーナーで、「ファシリティドッグ」を紹介していた。はて、聞いたことのない言葉だけれど・・・と画面に注目すると、病院に常駐して、入院中の人々を癒やす犬のことだそうだ。セラピードッグと違うところは、依頼のあるあちこちの施設を訪問するのではなく、決まった病院に常駐するという点だ。といっても、その病院で飼育されているのではなく、ハンドラーと暮らしていて一緒に通勤する。
日本にはまだ2頭しかいなくて、そのうちの1頭で日本のファシリティドッグ第一号のベイリーが紹介されていた。ベイリーは神奈川県立こども医療センターにハンドラーの森田さんと勤務している。
森田さんは元看護師さん。長い間病院で暮らす子供たちにはご飯とおやつくらいしか楽しみがないが、医師や看護師など医療従事者のできることには限界があると感じていた時に、このファシリティドッグの仕事の誘いを受け、「病院に犬がいたら子供達の入院生活はどれだけ変わるだろう!」と迷わずこの世界に飛び込んだそうだ。
ハワイにあるファシリティドッグの訓練学校に入り、そこでベイリーと出会った。何をするにもちょっとのんびりペースのベイリーが、あまり「ちゃきちゃきしているほうではない」自分と合いそうだと感じたそうだ。そうして一緒に帰国し、ベイリーは日本初のファシリティドッグになった。
インタビューを受けたある子は、「ベイリーがいることで、辛い治療も頑張れる」と言っていた。ベイリーに弱虫な自分を見せたくなくて、手術も嫌がらずに受けるという子もいた。痛み止めの薬の量が減った子もいるそうだ。
神奈川県立こども医療センターのファシリティドッグ紹介のページ。ハンドラー森田さんの文章が心を打つ。
感染症を心配してか、日本ではまだ積極的にファシリティドッグを導入する機運がないそうだ。そのためもあって経済的な補助制度もなく、現在はNPO法人が取り組んでいる。初年度には1200万円、その後も年間900万円の経費がかかるという。
そのNPO法人シャイン・オン!キッズのサイト
シャイン・オン!キッズ - 小児がん、重い病気と闘う子どもたちと家族の支援のために
月々1000円からの支援というのもあるようだ。
それにしても、テレビ画面のベイリーを見ていてつくづく感心してしまった。病院に入る前に感染症予防のため全身を拭かれても、子供たちがなでても、ベイリーを枕にして寝転がっても、おっとりなされるがままにしている。手術室に入っていく子には、じっと目を合わせて見送る。犬って本当にすごい!
猫はあまり役には立たないけど・・・、笑わせてくれるし、あったかい気持ちにしてくれますね。頭に乗っけているのは、ブラッシングで抜けたドリームの毛で作ったボール。おとぼけの表情にどんなに癒されたことか!