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よんばば つれづれ

民主主義を機能させる、自立した「ひとり」でありたい

テレ東の『模倣犯』に酔った

一昨日、昨日と二夜連続で放送された宮部みゆきさんの『模倣犯』がとても良かった。今までかずかず宮部作品がドラマ化されているが、残念なことに出来の良い作品は少なかったように思う。だから今回も見るのが少々不安だったけれど、私が今まで見た宮部さん原作のドラマでは一番良かったように思う。

 

原作を読んだのはだいぶ前だけれど、たまたま、最近になってこの作品の続編ともいえる『楽園』を読んだ。主人公の前畑滋子がこの「模倣犯」での経験がトラウマになっているらしく、物語中でしばしばこの事件のことが語られる。だいぶ忘れてしまっていたため、自分の読書記録を見直したりネットで調べたりして思い出したところだったので、私の中ではタイムリーだったということもあるかもしれない。

 

原作とは違う所や、「それはないでしょ」と突っ込みたいところもないではないが、圧倒的に作品の出来が良かったので、それらをあげつらうよりは素直に賞賛したい。テレビ東京がこれだけの顔ぶれの役者陣を揃え、こんなに満足度の高いドラマを作ったことに盛大な拍手を送りたい。

 

原作でも私は孫娘を殺された豆腐屋の有馬老人が一番印象的だったのだけれど、それを演じた橋爪功さんがまた素晴らしかった。悲しみに耐えて豆腐を作り続け、平凡な日常を続けることこそが犯人に対する抵抗だという静かな強さも良かったし、人を翻弄して面白がる電話の犯人に、「おまえは単なる人でなしの人殺しだ」と啖呵を切る場面も出色だった。

 

けれども、なんといってもドラマの最後で真犯人が逮捕された後、「終わったなんてとんでもない。なんにも終わっちゃいない。娘を元通りにしてくれ、孫娘を返してくれ!」とひとり夜の公園で地べたを転げ回って慟哭するシーンは、見ていた人皆の涙腺を絞ったことと思う。

 

犯罪は、犯人が捕まったからといって決して終わるものではない。残された家族の悲しみの深さ。理不尽に愛するものを奪われた苦悩の大きさ。どれほど罪深く、つぐなうことも修復することもできない大変なことかを思い知らされる、ドラマ史にも残るような素晴らしい場面だったと思う。そしてこの場面がこの作品の質をも数段高めたように思う。橋爪さん、特別に好きな俳優さんではなかったけれど、あっぱれでした!

 

橋爪さん以外も、ベテラン俳優も若手もみんな素晴らしい演技だった。スタッフ、キャストの力が相まって相乗効果を起こし、みなが最高の力を出せたのだと思う。

 

ボリュームのある原作で登場人物も多いのに、うまくサイドストーリーの人物まで取り込み、しかもすべての人物に命を通わせて描いていた。このあと同じ「テレ東移転プロジェクト」のスペシャルドラマで、湊かなえさんの『望郷』が続くらしい。湊さんは「食わず嫌い」で読んだことがなくドラマもほとんど見たことがないのだけれど、これは見るしかないかなと期待が高まる。

 

 

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今日のコスモス会は料理教室で、クレープを作りました。

右の皿の下の緑色のはインドネシア風だそうです。

 

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だいぶ食べちゃってますが、インドネシア風の中身。

たっぷりのココナッツを黒砂糖で煮絡めたソース(名前を教わったのに忘却)が入っています。すごく甘いのかと思ったのですが、それほどでもなくおいしかったです。

 

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調理風景。