よんばば つれづれ

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知らない世界へ行く友

せっかく純日本製の良い商品が出来上がったのに、不運なめぐり合わせで不良在庫になっているガーゼ寝巻のことをこのブログに書いたら、白魔女さんが海外のご友人へのプレゼントにしたいからと、思いがけなくたくさん買ってくださって、そのうえご自分のブログで紹介までしてくださった。

 

d.hatena.ne.jp

 

そのことを相棒(そもそも発案は彼女で、私は誘われて共同経営に参加した)である軽井沢の友人に知らせたら、喜びと感謝のメールが届いた。そしてそのメールには同時に想像もできない大変なニュースが綴られていた。

 

宮内庁から電話が入り、来月ベルギーの国王夫妻を招いての宮中晩さん会に夫婦同伴で出席してほしいと言って来たというのだ。電話のあと宮内庁から来たメールの案内によると、服装は男性はタキシード、女性は、白襟紋付、あるいは、ローブデコルテなのだそうだ。彼女のメールは、

 

「ローブデコルテなんて無理だから、一応、着物とすると、白襟紋付って何?インターネットで調べたところ、白い重ね襟の付いた色留袖のことらしい。10月11日って、もうひと月を切っているでしょうが。着物を今から誂えるのなんて、時間的に無理でしょう。だいたいそんな着物を誂えたりしたら、老後破産しちゃいそう。なんていう感じで、我が家は、目下、晩餐会狂想曲--状態です。」

 

と綴られている。

 

十何年か前にご主人が学士院賞を受賞なさったときも、天皇皇后両陛下ご臨席で、ご主人はタキシード、彼女は訪問着で列席したと記憶しているが、その時はたしか食事は受賞者本人だけだったようだし、なにより場所が宮中ではなかった。

 

もちろん、群衆の中から手や旗を振るのではなく、選ばれた客として天皇陛下にお目にかかれること自体、そうそう経験できることではないと思うけれど、海外の貴賓を招いての宮中晩餐会を経験できるなんて、もうまったく別世界のできごとだ。

 

ご主人は、今年皇居の講書始の儀天皇陛下にご進講もしたりしているため、彼女に「今度君を皇居に連れて行ってあげるよ」なんて言ってらしたようだが、彼女は取り合わず、遠い世界のことと思っていたそうだ。それが思いがけなく本当になる日が来たのだ。

 

 

実は、今回白魔女さんに買っていただいた私たちの商品「ゆめゆかた」と、この学士院会員でフランスのアカデミーの会員でもある「学者先生」とはかなり深いゆかりがある。

 

商品に入れた「ゆめゆかた」のラベルの画像処理が私たちの手には余り、結局ご主人の協力でなんとか仕上げることができたのだ。パソコンで作業をしたことのある方ならお分かりと思うが、パソコンというものは便利ではあるものの、案外ちょっとした作業でも大変な時間がかかり、画像をデザインし文字を入れ、イメージ通りのものにするのはかなり面倒だった。

 

学士院賞受賞の先生にこんなことをおさせして、いったいいくらの時給につくことか・・・と、私は申し訳ない気持ちでいっぱいだったけれど、とにかく私たちの力ではとても目指すところに到達できそうもなく、ご厚意に甘えるほかなかった。

 

 

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これがその「ゆめゆかた」のラベル。二つ折りになっていて、なかに洗濯法の英文表示や会社の所在地(友人の豊橋の住まいの住所だったので、今はそこには存在しなくなってしまったけれど)が印刷してある。画像の着物は千代紙を使って私が制作したもの。

ラベル部のみトリミングして新たに保存し、その写真をアップするのだけれど、何度やってもはてなのシステムのせいなのか、トリミング前の元の写真に戻ってアップされてしまう。ギブアップでそのままにする。

※9月18日11時過ぎ:今見てみるとなぜか写真がトリミングしたものに代わっていた。はてなの不思議!

 

 

私なぞ逆立ちしようが何をしようが絶対に覗くことのできない別世界へ、友人は行く。そもそも、私のようなものがそのような彼女の、友人の末席を汚していていいのだろうかとさえ思うけれど、いまは素直に、未知の世界の体験を聞くのを楽しみに待つとしよう。ただ、豊橋にいた時と違って簡単に会えない。ご主人の名古屋での仕事も終わったので、彼女がこちらに来る機会はほとんどない。じっくり話を聞こうと思えば、私が軽井沢に出かけるしかないのだが、出不精の私のことだから・・・。

 

 あとになりましたが、白魔女さん、勝手にリンクや言及、ご容赦ください。