よんばば つれづれ

民主主義を機能させる、自立した「ひとり」でありたい

『不思議なクニの憲法』上映会とコグニサイズ教室

松井久子監督の映画『不思議なクニの憲法』の上映会。ほんの半月前、地元の大学で「選挙に行こう」のスタンディングアピールを実施した日に「若い仲間からやりませんかって声が出ているんだけど、一緒にやりますか?」とメンバーの一人から話が出て、なんだかバタバタと一気に話が進んで、今日はその上映会の当日だった。

 

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午前が私たち豊橋スタンディングの担当で、午後は「いのちと未来を守る会」という若いお母さんを中心とするグループの担当だ。チラシが出来上がってから、宣伝期間は正味10日ほどという大変なスケジュールだったにもかかわらず、午前の部に70人近い人が集まった。

 

会場は利用料が安い代わりに融通があまりきかない施設なので、準備も後片付けも10分程度しか取れなかったが、大勢の人の協力で実にスムーズに設営、撤収ができた。宣伝期間が短いので赤字も覚悟だったけれど、充分採算の取れる動員ができた。

 

そして何より、映画の内容がとても良かった。自民党の船田元氏の発言にも結構時間を割いているし、反安倍政治の立場でも、何が何でも現憲法死守!という硬直した姿勢ではなく、護憲派の政権のもとで改憲を考えるべきと言う人も出てくる。海外での自衛隊のPKO活動の現実を知ったうえで、9条をさらに進化した新九条に、と言う人も出てきて、「危険な現政権下」ではだめだけれど、落ち着いて憲法と向き合い、考えなくては・・・と気付かせる内容になっている。

 

 

私にとって非常に印象的だったのは、瀬戸内寂聴さんの仰った「以徳報怨」という言葉だ。満州で新婚時代を過ごし、夫は戦地で、幼い赤ちゃんと二人で敗戦の敵地に残されこれからどんな恐ろしい日が・・・と震えていた時、外に出てみたらこの文字が壁に大書されていたそうだ。「怨みに報ゆるに徳を以てす」。ああ、こういう国と戦っていたのだ。勝てるわけがなかった!と寂聴さんはお思いになったそうだ。

 

もちろん、満州でもこういう所ばかりではなかっただろう。日本が負けたと知るや、憎しみにかられた報復をした人々もいる。けれども、日本人が良い統治をしていた所では、そういうことが少なかったとも聞く。残留日本人孤児も危険な国情の中で育ててくれたのだし、苦労して何十年も育てながら、また帰国したいと言う(成長した)子供たちを祖国に帰してもくれた人々が少なからずいたのだ。

 

そういう国と、今、国と国という関係では、かなり険悪な状態になってしまっている・・・。

 

もう一つ印象に残った言葉がある。障碍を持つお母さんが生んだ娘さんが、ご自身も障碍を持って生き、誰もが生きやすい社会を作るために活動している。なかなか世の人々の政治に対する関心は薄く、今回も選挙で改憲派が三分の二さえ取ってしまうかもしれない。「それでも自分は全然めげない。第二次大戦の敗戦のあとからでも立ち直ってきたのだから、今どんなことになろうと私たちは立て直すことができる」と力強く仰った言葉だ。

 

その方のお母さんの、「私たち障碍者が生きやすい社会は、一般の人々にとっても絶対に暮らしやすいのだから、私たちとともに生きるべき」とか「赤ちゃんは絶対重度の障碍者で、そしてまた絶対重度の障碍者になって死んでいく」という言葉にもはっとさせられた。

 

短い取り組み期間の中で今日足を運んでくれた方たちは、みなおそらく憲法にも政治にも関心が高く、この映画を見なくても投票に行かれる方々であろう。その中から、さらに「私も小規模な上映会をしてみよう」と思う人が出て、あちこちでミニ上映会が催されて、お茶を飲みながら、ケーキを食べながら・・・といった気楽なものにして、憲法?政治?難しそう・・・と思っているような人たちに見てもらえるといいなと思う。

 

そのためには今回の選挙にはとても間に合わないタイミングの上映会だったけれど、そもそもこの国民の無関心が一朝一夕に治るはずもなく、そうした地道な取り組みを気長にコツコツ続けていくしかないだろう。

 

この映画の公式サイト、「上映会」についての説明も。

映画「不思議なクニの憲法」公式サイト

 

午後の部の上映は、「いのみら」の若い人たちにお任せして、私は急いで家に帰り、昼食をとって、午後は町内の老人会の健康のための運動教室の初回に参加。包括支援センターに私が依頼して始まった企画なので、参加者が少ないとスタッフの方たちに申し訳ないと心配したが、会長さんたちの努力のお陰もあって今日の参加は12人と、なんとか恰好が付いた。

 

「コグニサイズ」とは、新しく、高齢者のために認知機能の維持・向上に役立つとして開発された運動だそうで、豊橋では私たちのグループがその運動を取り入れる最初のケースになるらしい。そのようなこともあって、支援センターのスタッフの方たちは力が入っている。今日は6人の人が来て、血圧や身長体重、片足立ち、敏捷さや足の指の力などの測定のほか、見当識や記憶力などのテストのあと、いくつかのコグニサイズの運動をした。

 

椅子に座って足踏みしながらしりとりなどという一つ一つは簡単なことも、組み合わせて同時にやると、単語を考えていると足が止まる、足を動かしていると考えが浮かばないという調子で、ずっこける人続出で、会場には笑いが広がっていた。

 

仲間と楽しく遊びながら、半年後また同じことを測定した時に、みんなの機能が少しでも向上していたら嬉しい。