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よんばば つれづれ

民主主義を機能させる、自立した「ひとり」でありたい

特集ドラマ『海底の君へ』と「報道特集」のフリースクール

藤原竜也さんが主演だからと思い、どんなドラマかも全く知らないまま『海底の君へ』を見た。「いじめを考えるキャンペーン」の一環として企画されたドラマだった。

 

藤原君演じる茂雄は中学時代に受けた酷いいじめが原因でひきこもり、家庭も彼が原因で壊れている。カウンセリングに通い、やっと週に何日かのアルバイトならできるまでになったが、制服姿の中学生のグループを見ると発作を起こしてしまい、仕事にも行けなくなり解雇されるという繰り返しで、人生を失いかけている。

 

自分のバイト先で万引きをして店員に掴まった中学生が、強制されて万引きしたことに気付き、いじめられているのではないかと、引き取りに来た姉、真帆(成海璃子)に告げるのだが、弟は姉に本当のことを話そうとしない。

 

やがて真帆の弟へのいじめもエスカレートし、ある日彼は自分の住むマンションから飛び降りてしまう。一命はとりとめるが意識は戻らない。告発しようとする真帆のもとにかつて茂雄をいじめた主犯の立花がいまは弁護士となって現れ、いじめなどないと学校側も言っていると主張する。

 

自分が苦しんだ15年前と少しも変わらない現実に絶望し、茂雄は自分の命を懸けて社会に警告を発しようと計画する・・・。というようなストーリーだった。

 

いま、この瞬間にも、茂雄や真帆の弟のように、いじめに苦しんでいる子がたくさんいることだろう。ドラマの前半で茂雄が繰り返し「普通になりたい」という言葉を口にしていた。

 

 

夕方のTBS「報道特集」でちょうど今日は不登校の問題を取り上げ、フリースクールを紹介していた。そこでは、かつてひきこもりだったという子も、穏やかな実に明るい笑顔を見せていた。あんなに苦しんでいたドラマの中の茂雄を、真帆の弟を、こんな自由な学校に通わせてやれたら、「普通になろう」などともがかなくても、全く違った人生が開けるのに・・・。

 

でも、こうしたフリースクールがこの国では学校と認められていないため、経営も困難が付きまとい学費はかなり高額になるうえ、通っている子供たちも卒業の資格も得られない。

 

何十年も昔、まだ長男が小さかった頃に『世界で一番自由な学校』という本を読んで、世界にはこんなにも自由な学校が存在するのかと衝撃を受けた。イギリスのサマーヒル・スクールという学校に子供を通わせた、日本人の女性が書いた本だった。時間割も規則もない。それどころか授業時間、休み時間の別もない。学校に行ってその日何をするか、全て子供に任されているという学校だった。

 

我が家はとてもそんな学校に通わせる経済力もなかったし、息子たちはなんとか日本の学校教育になじんで通学できたので、特別な学校を探すこともなく終わった。しかしその頃と現在の教育状況はどれほど変わっただろうか。もう40年近い時が流れたにもかかわらず・・・。いや、むしろ世の中が恐ろしいスピードで変化しているのに、学校という「聖域」の中はあまり変わらないため、その隔たりのひずみはいっそう増しているのかも知れない。

 

GDPに占める公的な教育費の割合がOECD34か国中、6年連続で最下位という不名誉な記録を持つこの国。それでも大した抗議の声も上げず、親たちはせっせと自助努力で資金を絞り出して教育費に当てている。なんと従順で為政者にとっては都合のいい国民であることよ。

 

教育は国の柱だ。未来だ。希望だ。もっと良い教育環境を!と求める権利が私たちにはある。子供たちに対する責任でもある。

 

 

どの子もいきいきと輝く笑顔で学校に通うことのできる国にしたい。保育園が足りなくて働けないことにも怒るべきかもしれないけれど、本当の問題はもっと深い所にあるように思う。

 

 

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