よんばば つれづれ

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面白いドイツ現代詩

先日聴講した退官なさる先生方の記念講義より。

ドイツの現代詩として紹介された作品が面白かったので、記録を兼ねて紹介したい。

 

    Apfel  (Reinhard Döhl 1965)

 Doehl apfel.jpg

apfelは英語のapple。  よく見ると、一か所だけ「Wurm」になっている。

そう、「虫」。

 

 

Markierung einer Wende

1944 Krieg Krieg Krieg Krieg Krieg Krieg Krieg Krieg Krieg Krieg Krieg Krieg
1945 Krieg Krieg Krieg Krieg Mai

Ernst Jandl (1925-2000)

 

Markierungは「マークすること」。Wendeは「曲がり角」だそう。

1944 12か月全て「Krieg(戦争)」

1945 ドイツは5月に降伏した 

 

 

同じくErnst Jandlの作品

               「死」の格変化

der tod                                 主格       ~は、~が

des todes             所有格   ~の

dem tod             間接目的格 ~に

den tod              直接目的格 ~を

 

der tod des todes         死の死は

dem tod den tod           死に死を(死神が死ぬこと=戦争に終わりを)

 

これら三篇はKonkrete Poesie(具体詩)と呼ばれるもの。

 

これらの作品の前に近代詩の例として、ロマン派ハイネの「歌の翼に」という伝統的手法による詩を鑑賞していたので、ひときわ対照がくっきりした。ロマン派の甘い夢のある詩も良いし、視覚に訴えたり、皮肉やひねりのきいた現代詩も面白いと思った。

 

 

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猫は存在そのものが詩です。