よんばば つれづれ

民主主義を機能させる、自立した「ひとり」でありたい

負の世界遺産から学ぶ平和の出前授業

本日は午前中、豊橋ユネスコ協会青年部の出前授業にサポーターとして参加した。青年部は今まで私達一般会員(要するに年配者)の出前授業にサポーターで参加はしているが、自分たちが主催で行うのは今日が初めてだった。

青年部の学生たちは、世界遺産を題材にして平和を考える出前授業をしたいと昨年秋頃から準備を始め、今月の定例会で会員にその成果を披露した。その時出席していた、市内の私立の中高一貫校で教員をしている会員がその内容に大変感心し、ぜひ自分の教えている中学生たちを対象に実施してほしいと、学校側にも交渉し学生たちと調整して、急遽実現したものだ。本来は来月初めに市内の小学校で行う予定だったので、彼らにとっては思いがけなく演劇でいう所のゲネプロとなった。

冷たい雨の降る中、サポーターである私達一般会員は会場である学校に出かけた。さすが私立、今までの暖房なしの寒い公立小学校と違って教室内は快適だった。

定刻通りに始まり、「心の中に平和のとりでを・・・」というユネスコ憲章前文の紹介やメンバーの自己紹介があって、すぐに世界遺産の意義の説明。近頃すっかり観光資源化され(ニュースでも金儲けの思惑がギラギラした誘致活動の紹介が多くてうんざり)ているけれど、人類にとって貴重なものを失くさず壊さず次世代に伝えるための手段として世界遺産があるということを、しっかり中学生たちに話してくれた。

そのあといよいよ本題の負の世界遺産の紹介に入り、原爆ドームの話をし、「はだしのゲン」のアニメの一部をみんなで見た。残酷なシーンなので苦手な人は無理に見なくても・・・という説明をしたので、初めのうちは男女とも数人が下を向いたりしていたが、やがてみんなまっすぐ画面を見つめ、終始脇を向いて見ないようにしていたのはひとりの男の子だけだった。あとの感想で「アニメが残酷すぎる」という意見もあったけれど。

このあと5人ほどのグループに分かれて話し合い。事前に学生たちが準備したワークシートには「もし日本で戦争が起きたら、今の私たちの生活はどのように変わると思いますか」という問いかけが書かれている。スラスラ書き始める子もいれば、全員手が止まったままのグループもある。家の人から聞いたのかあるいは本や映画で知ったのか、「電気がつけられないので暗くて本が読めない」とか、「鉄が無くなる」などと書いている子もいた。

最後にグループの代表がまとめの意見、感想を発表して1時間の授業を終えた。毎日当たり前のように3食を食べ学校に通っているけれど、それは平和であって初めてできることで、ひとたび戦争になればそうした当たり前の生活が脅かされるのだということを考えてもらうことはできたようだ。


学校で出会った生徒達は、みなこちらが気付かずにいても元気に挨拶の声を掛けてくれた。そして出前授業を行ったのは1年生のクラスだったが、全員がとても熱心に話を聞き、ディスカッションにも真剣に取り組んでくれた。近頃の中学生とは触れ合う機会がなかったので、少なからず不安な気持ちもあったのだけれど、素直でまじめな生徒達に安心するとともに、改めてしっかりすべきは大人だという思いを強くした。

今回の学生たちの出前授業について以前に書いたブログ→「なかなか頼もしい若者たち



出前授業風景