よんばば つれづれ

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『コウノドリ』・・・良心的と面白いは両立する、の証明

最終回、ちょっぴり拡大枠で、終わっちゃいました。最終回を見なくても惜しいとも思わないドラマも少くない中、このドラマはもっと続いて欲しかった・・・。

 

今まで医療ドラマは数々あれど、産科が主舞台のものはなかった気がする。毎回現代の出産を取り巻く問題を取り込みながら、説教臭くなり過ぎず、ちゃんとエンターテインメントとしても成立していて、心が洗われるような気持ちの良い感動の涙が流れた。

 

お産を軽く考えすぎたり、「コスパが悪い」などと経済で考えたりする風潮に一石を投じた気がする。視聴率は大して振るわなかったけれど、同じ局の話題になっている作品より、よほどドラマとしての質は高かったように思う。

 

私は2度の出産を経験したが、幸いなことに一つも人工的な処置をすることなく、一針も縫ったりすることもなく、最もシンプルな軽いお産だった。当たり前のように思いがちだけれど、これは本当に感謝すべき幸運なことなのだと思う。その一方で、どこかで誰かが、代わりに大変な出産をしているかも知れない。そしてハンディキャップのある子供を授かっているかも知れないのだ。

 

そもそも卵子精子が出合って子供ができること自体が、奇跡と言っても良いできごとだ。そして出産は、潮の満ち引きや月の満ち欠けと関係する、神秘的な出来事。うまく科学の力を取り入れながらも、人工に頼り過ぎることなく、ひとつひとつの命の神秘に向き合っていこうという、誠実さのあふれるドラマだった。

 

(ただ、かなり月齢の小さな赤ちゃんも出ていたので、小さなキャストたちに負担がかかっていないことを願う)

 

若い人たちがこのドラマを見てくれて、赤ちゃんっていいな、命のバトンって素晴らしいなと感じてくれたら・・・と思う。

 

そしてそれ以上に、このドラマの舞台となったような、どんな状況の妊婦さんでも安心して出産に臨める、素晴らしい設備やスタッフの揃った病院をもっと増やしてほしいと思う。私の住む地域でもお産のできる病院は不足しているし、近隣の市町村でも産科がなくて困るという話を聞く。「出生率を1.8に」とか言っているのなら、ぜひ政府は本気で取り組んでほしい。

 

 

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原作は漫画なのだそうだ。近頃漫画が原作の優れたドラマが多い気がする。

オリジナルの良い作品の書ける脚本家は不作だけれど、

漫画界には優秀な人材が多い?