よんばば つれづれ

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ビギナーズラックと映画『みんなの学校』

そもそも自分が短歌を作ることになろうとは、今年の初めには夢にも思っていなかった。勧めてくださる方の熱意に負けて、自分にはクリエイティブな才能はないけれど、広く深い日本語の世界に触れているだけでもいいかなと思い入会した。

 

短歌の何たるかも分からず、まして作り方などまるで知らず、ただただ三十一音に言葉を当てはめて、毎月の例会をしのいでいる。9月のある日、誘ってくださった方が市のお月見会に投稿するよう声を掛けてくださったので、あまり日にちもなかったけれど、せっかくのことだからと思い、とにかくなんとか作って投稿した。

 

どういう訳か、入選しましたと表彰式の案内が届いたので、これは出しさえすれば入賞するような参加者の少ないものだったのかしらと思ったが、先輩の話では各部門(短歌、俳句、川柳)百点以上の応募があるものだから、ぜひ当日は出かけるようにとのことだった。

 

そうして、その表彰式が今日だった。ここもまた平均年齢が相当高そうな集まりで、やはり現役で働いている方たちは、なかなか優雅に歌を詠んだりなぞしていられないのだろう。年金生活者以外と思しき人は数えるほどしかいない。

 

表彰式のあと各部門ごとに選者の講評があった。短歌は選者の数が多く一番時間が長かったが、大勢の先生の意見が伺え、結構正反対のご意見もあったりして新参者の私には良い勉強になった。

 

私の歌については選者の方みなさん、時事を謳ったところをかってくださって、花鳥風月の優雅な歌の世界に、ちょっと変化をつけるためにギリギリ最低点で一首とってくださった、という感じだった。恥ずかしながらご披露する。

 

国民を無視する政治にあらがいて集う我らを照らす名月

 

集会&パレードの日がちょうどスーパームーンの夜だったので、工夫もひねりも何もなく、ただもう本当にそのまんま詠んだつたないものだ。推敲する技術も知識もない、したがってまるで悩むこともなく作った、ビギナーズラックのようなものである。

 

 

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午後は一か月以上前から申し込んでいた映画『みんなの学校』の上映会があるので急いで帰って昼食をすませ、家の近くの「ほいっぷ」(保健所と保育関連施設が集まった市の施設の愛称)に行った。

 

こちらは教育を扱った映画なだけに、午前とは対照的に子育て中と思われる三十代や四十代くらいのお母さんがほとんどで、たぶん私が観客中の最高齢者だっただろう。

 

この映画は私が上映会を行った『スーパーローカルヒーロー』の主人公「ノブエさん」がブログで紹介していらした作品で、いま自分が子育て中でPTAの役員などしていたら、絶対に上映会に取り組んででも見たい、と思った映画だ。それを市で上映会をしてくれて、さらに無料で見られるなんて願ったりかなったり。

 

大阪の公立小学校「大空小学校」の1年間のドキュメンタリー。「特別」な「支援学級」など作らず、みんないっしょに「不登校ゼロ」の学校を目指す校長の奮闘する学校だ。教職員、地域の人々を巻き込んで、校長先生はさながら地域の肝っ玉母さんといった雰囲気だった。特別な指導法などない。ただただ、一人一人の子供にしっかり向き合う。『スーパー・・・』と同じく、わざとらしい盛り上げや泣かせの要素もなく地味だけれど、どこでも誰でもその気になりさえすれば公立の学校でここまでできるんだ、という気持ちにさせるとても良心的な映画だった。

 

 

表彰式からの帰り道、駅前のペデストリアンデッキでスタンディングの仲間にあった。今日例の「ヒゲの隊長」が豊橋に来て、「女子高生と対話」とやらをするというのでどのような内容かを知るために何人かが参加することになっていて、その待ち合わせだった。私も予定がなければぜひ聞きたいところだったが、仲間の報告を待って、ここでも報告したいと思っている。