よんばば つれづれ

民主主義を機能させる、自立した「ひとり」でありたい

権力はかくも暴走する『時代の正体』

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予約をしておいた本が届いた。神奈川新聞取材班による『時代の正体ー権力はかくも暴走するー』である。

 

「立ち上がる若者たち」としてまずSEALDsを紹介し、沖縄や横須賀の米軍基地の問題に進み、ヘイトスピーチを論じ、「戦後70年」の歴史のとらえ方や教科書問題、安保法制や憲法について語り、最後は「熱狂なきファシズム」として想田和弘さん、内田樹さん、高橋源一郎さん、辺見庸さんの4人の論客の話で締めくくる。

 

全ての問題に通底しているのが、安倍政権の考えることをさせない独裁的政治である。

 

 

神奈川新聞はネット時代の新しい新聞紙面を模索し、2013年に紙面を一新した。そして「論説・特報面」を新設し、新生の紙面の柱として力を入れて連載している(現在も進行中だそうだ)「時代の正体」を再構成して急遽出版したのがこの本だ。8月14日の戦後70年の首相談話と、それに対するSEALDsの反論から書き起こされているので、半月ほどで出版(もちろんその他のページは着々と準備が進められていたのであろうけれど)にこぎつけているところからも、当事者たちの今の政治状況に対する強い危機感が感じられる。

 

安倍政権の恐ろしさにぞっとした部分。日本記者クラブ主催で沖縄防衛局長の会見が行われたとき、神奈川新聞の記者が「辺野古の警戒監視活動で、ビデオカメラで撮影をしているのはなぜか」と聞いた。職員は戸惑い答えに窮した。取材の最終日、ひめゆり平和祈念資料館の見学を終えその記者が昼食を取っていると、全国紙の論説委員の男性が目の前に座り、ゆっくりと威圧的な口調で、「先日あなたがビデオ撮影について沖縄防衛局長にした質問は、防衛省の記録に残るだろう。むちゃなことはしないほうがいい。安倍政権を甘く見ないほうがいい」と言ったそうだ。

 

神奈川大学大学院教授 阿部浩己さんは、「テロを肯定するつもりは毛頭ないが、『国際社会にとってテロは撲滅しなければならない』と言った瞬間に、そのことが絶対的な正しさを帯びる。それによって、なぜテロが発生するのか、イスラム国という残忍なグループがなぜ生まれ拡大しているのか、〈国際社会〉とは一体どこの国のことなのか、といった思考が閉ざされてしまう。そうして〈テロリスト〉と〈国際社会〉を敵と味方に分けて見せる。安倍政権閣議決定で容認に持ち込んだ集団的自衛権の行使も、敵と味方を分けることを前提にしている。まさに同じ考え方。つまり〈分断〉や〈対立〉〈敵対〉によって安定や平和を生み出そうという論理だ」と言う。

 そしてまた、日本はこの70年間「いかに敵を作らないか」という思想の中で安全保障に取り組んできたおかげで、自覚している以上に日本人は世界で尊敬のまなざしを受けていると言う。敵を作らない全方位外交こそリアリティーのある平和の作り方である。外敵から侵攻され、襲撃され、殺される可能性があるということは確かに怖い。だがそこで思考停止に陥ってはいけない。分断や対立でない方法を模索する、その方がより困難で大変な作業だけれど、それこそが安定した社会を生み出すということを私たちは歴史的経験から知っているのだから、と言う。「戦争しないために、安保法案賛成」なんてやっぱり詭弁だという思いを強くした。

 

この本を締めくくる辺見庸さんの言葉。

「個として、戦端を開いていくべきだ」。

「違う」と声を荒らげることがむなしいこと、かっこ悪いことという空気が醸される中で、一人で怒り、嫌な奴をぐっとにらむ。

「自由であるためには孤立しなくちゃいけない。例外にならなくてはいけないんです」。例外を認めず、孤立者を許さない。それがファシズムだからだ。

 

なるほど、日本人が民主主義苦手なことがうなずける。

 

 

この本も引用、紹介したい部分がいっぱいあって付箋だらけになってしまったのだけれど、興味のある方はやはり手に取って見ていただきたい。

 

 

今日のスタンディングは金曜スペシャルで参加は40人ほど。「金曜日は歌だって聞いたので・・・」とギター持参の若い素敵な男性が初参加。自作の曲を弾き語りして盛り上げてくれた。安保法案採決の日が迫ってきた。日本中の自由を愛する人たちよ、行動しよう!声を上げよう!

 

 

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